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archive: 2018年04月

古雑誌を読む(短歌・2018年3月号)

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 角川「短歌」三月号の伊藤一彦作「矢の的」、大島史洋作「こわれた」、日高堯子作「黄金」、沖ななも作「暦」(其々二十八首)は、孰れも注文生産作とでも言うべき群作であるが、それに続く、十首群作中の大谷雅彦作「みずうみ」は、なかなかの傑作揃いなので、まずは、以下にそれを転載し、併せて、それらに就いての私の感想なども述べたいと思う・      「みずうみ」  大谷雅彦(短歌人)〇  みずうみに向かへる径にいく...

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古雑誌を読む(短歌・2018年3月号)

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 角川 「短歌」三月号の連載グラビア誌面「三月の歌」(田村広志選)には、次の如く、近現代歌人の五首の短歌が掲載されている。〇  蜜柑箱ふたつ重ねてめりんすの赤き切しく我が子等の雛  與謝野鉄幹『相聞』 「蜜柑箱ふたつ重ねてめりんすの赤き切しく」雛壇とは、いかにも作者・與謝野鉄幹の在世当時の時代色と生活の質素さを感じさせるが、作風そのものは、所謂「虎剣調=鉄幹風」とは異なり、意外にも今風である。〇  ...

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古雑誌を読む(短歌・2018年3月号)

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 久々に角川「短歌」の三月号を拾い読みしている。 巻頭のグラビア連載記事「時間のあやとり」は松村正直氏に依るである。 明治20年当時ののモノクロ写真と共に、「函館に初めて降り立ったのは、一九九六年一月七日のこと。大学卒業後、いろいろな町に住みたいと東京を離れ、岡山、金沢と移り住み、三番目に選んだのが函館だった。既に青函連絡船が廃止されていて・・・・・・・・」という、松村氏に依る函館での思い出話的な紹...

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今週の「朝日俳壇」より(2018/4/29掲載)

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〇  たよりなき百円店の種袋  (久慈市)和城弘志 「種」は春の季語。 句意は「百均で買う種は、その袋からして薄っぺらで、なんだか頼りない気がする。」ということ。 私の記憶しているところに依ると、「緋寒桜の散る頃が夏咲きの花や夏野菜の種を畑に蒔くべき時期」なのである。 察するに、本句の作者は、僅かばかりの空き地に種を蒔いて野菜や花を収穫しようとしている、素人百姓なのでありましょう。 と、言うわけで、...

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今週の「朝日歌壇」より(2018/4/29掲載)

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〇  猪よ残してくれてありがとう竹の子一本抱きて帰る  (福岡県)住野澄子 作者のご氏名は「住野澄子」さん、これは即ち、「私はどうせ隅の隅っ子に、肩身を狭くしている女の子でしかありませんよ」との、皮肉を込めたメッセージなのかも知れません。 しかし乍ら、本作は、堂々と.高野公彦選の七席を占める入選作品なのである。 竹藪を荒らし回る「猪」が食べ残した「竹の子」では、どうせ固くて食べられないと思いながらも...

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今週の「朝日俳壇」より(2018/4/22掲載)

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〇 輪郭のみな失せてゆく朧の夜 (小樽市)遠藤嶺子 稲畑汀子選首席。季語は、「大気が水蒸気を含んで、万物がぼんやりと見える様子」を指して謂う。などは、派生して遣われる春の季語である。 作者が小樽市にお住まいであることを考慮すると、この「朧」は春霞が立ち込めての朧ではなくて、海霧が発生したことに因って生じた乃至はであったのかも知れません。 それはそれとして、昼間は、それなりに輪郭が見えていた風景も、暮...

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今週の「朝日歌壇」より(2018/4/22掲載)

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〇 器具回収係の生徒飛ぶ槍を仰いで走る花曇りの空 (鎌倉市)半場保子 それほど広くもない高校のグランドなどで、投擲競技の練習をしている.場面に出会ったことがあった。 その周りのトラックでは、短距離競技の選手と思われる女子高生が、ただまっしぐらに前方だけを見て、走っていたので、これでは、いつ事故が起きても不思議ではない、危険極まりないという思いに囚われたことであった。 本作に詠まれた場面も、おそらくは...

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