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詩歌句誌面

読解なくして論評あらず。

古雑誌を読む(NHK短歌・2018年3月号・番外編そのⅣ) 長期連載!いよよ核心に入る!乞う、ご期待!

 何を以って「普通」とするのか?
 その基準は時代に依って国に依って人に依って場合に依って様々でありましょうが、例えば、昭和十五年に北東北の田舎町で生まれ、地元の小学校に通っていた私にとっては、同じ町内の小父さん小母さんに「あんた、何年生?」と問い掛けられたり、「小父さん、今何時ですか?」と訊ねたりする事は、ごく「普通「」の出来事でありました。
 
〇   野に遊ぶ子らのひとりが駆けてきて大人のわれに時間を訊けり

 詠い出しの二句に「野に遊ぶ子らのひとりが」とありますが、一口に「野」と言っても様々であり、例えばアフリカの広大なサバンナ地帯も「野」であれば、秋田県横手市山内地区の米作農家が米を作る事を止めて放置し、辺り一面に金波銀波が揺れ靡く薄野原となってしまった東京ドームくらいの空き地(何を隠しましょうか、件の空き地こそは私の父親の生家が所有しているかつての水田なのです)も、近辺の住宅地の人々からは「野」と呼ばれているのである。
 それはともかくとして、フリーター生活から足を洗って良き配偶者に恵まれて「マンション」住いをしている「普通」の男性・A君が、普段から其処を「野」であると認識していて「野」と呼んでいる区域が、A君の生活区域の中に在って、ある日ある時、A君がその「野」の辺りを歩いていたら、同じその「野に遊ぶ子らのひとりが駆けてきて」、自らをフリーターではなくて、ごく「普通」の「大人」と認識しているA君に向かって、「小父さん、今何時?」と、只今の時間を訊ねたのである。
 そもそもの話をすれば、件の「野に遊ぶ子らのひとりが駆けてきて」、A君に向かって「小父さん!今何時?」と訊ねたのは、訊ねたその子にとってのA君が、「ごく普通の大人」だったからなのであり、「小父さん!今何時?」と訊ねても、それを以って誘拐する理由とされたり、それで以って食い付かれたり、噛み付かれたりする危険が無い、と予め察知していたからなのでありましょう。
 此処に「訊ねる側と訊ねられる側との認識の完璧なる一致」が認められ、その「認識の完璧なる一致こそが、フリーター上がり(などと言ったりしたら、A君に失礼かも知れませんが)のA君にとっては、常に無く嬉しい出来事だった」のであり、一首の短歌の題材にするに値する「事件」だったのでありましょう。
 然るに、最近の子供たちと言ったら、「知らない大人に声を掛けられても決して相手にしたり、その人が運転する車に乗ったりしてはいけませんよ!」などと、異常とも言える躾をママから受けている始末であるから、昔風な考え方をする私にとっては、全く不愉快にして、理解不能な存在とも思われます。
 こうした現実を、本ブログの読者の喜多さんや木村寛子さんなどの、「ごく普通の大人」の方々は、何と心得ていらっしゃるのでありましょうか?
 今の私は、そうした事柄に就いての、ごく普通の大人の方々のご意見を、激しくも切なく知りたい気持ちになっているのであります(笑)。

     恋猫の微笑み!ドブ鼠の猛き囁き!晩春が過ぎりいよよ夏到来す!   鳥羽散歩
 (陰の声……「猛き」も何も、ドブ鼠は決して決して囁いたりしません。)


〇   犠打という思想を深く刻まれてベンチに帰る少年のかお

 さすがは、東京大学文学部ドイツ文学専攻のご出身!
 いきなしに、何の予告も無しに、「犠打という思想」と来たもんだ!!
 ごく普通に考えますと、「犠打」とは、ベースボールゲームに於いて「勝ち」を得る為の消極的かつ積極的な戦法の一つであり、その成功・不成功は、一に「犠打」を打つ打者(通常、犠打を打つのは二番打者、乃至は、投手の九番打者)の技量一つに掛かっているのであり、それは単なる野球技術の一つでしか無く、其処には「思想」らしきものは、ドブ鼠の爪の欠片ほどもありません。
 然るに、本作の作者の松村正直氏はそうと知りつつも、敢えて「犠打という思想を深く刻まれてベンチに帰る少年のかお」などと詠むのである。
 斯かる点に就いての責任の全ては、本作の作者・松村正直氏に在るのであり、本作の主人公のA君に在るのではありません。
 とは言えど、他に知るすべがありませんので、この際、敢えてA君にお訊ねしますが、件の「犠打」を打った「少年のかお」には、彼のギリシャの哲人・ソクラテスにも似た、深い皺が刻まれていたのでありましょうか?
 散歩ならぬ三歩退いてつらつらと熟慮してみるに、単なる野球ゲームの上での出来事とは言えど、「犠打」とは正しくも「思想」以外の何物でもありません。
 なにしろ、己を犠牲にしてチームの勝ちに貢献するのでありますからね!

     巨人軍の川相選手の名人芸!五百余本の犠打を打ちにき!   鳥羽散歩


〇   子供らのこえ遠ざかり塀際にホームランボール残されており

 「子供らのこえ」が「遠ざか」った後の「塀際」に「残されて」いたボールには、例えば「このボールは平成〇〇年〇月〇〇日に、長嶋一茂君が打ったホームランボールなり」とか何とか、その正体を正しく証明する証明書の類が添付されていたのでありましょうか?
 さもなくば、それが果たして「ホームランボール」であるか否かが判らないはずなのでありますが、A君がそれを敢えて「ホームランボール」だと言い張る理由の一つには、人並み優れたA君のロマンティズムと想像力が介在しているのでありましょう。
 然り!
 「子供らのこえ」が「遠ざか」った後の「塀際」に「残されて」いたボールこそは、正しく「ホームランボール」以外の何物でもありません!
 透き通るような五月の青空に、透き通るような子供たちの声が響き、やがて遠ざかって行くのである。
 清涼感と孤独感とが両立し、交差している佳作であり、そこに作者独特の欠乏感も詠み取れるのである。

     塀際に寝返り打つてボール捕る!君はキャッチャー!境涯の捕手!   鳥羽散歩
 

〇   ∞(無限大)の瞳となって風船の最後の点を見つめる子供

 「子供」の「瞳」の「無限大」と「風船の最後の点」の「微小」とが対照をなしていて、見事な野外風景に仕立て上っている。
 やっと「普通の大人の男性」になったA君にとっては、視るもの聴くものの全てが透明で新鮮だったのでありましょう。

    夜の底に耳朶を傾けショパン聴くノクターン2番変ホ長調   鳥羽散歩


〇   弓なりに身体を反らすキーパーもうつくしい得点シーンの一部

 折も折、ワールドカップサッカー、ロシア大会真っ盛りの今日、「弓なりに身体を反らすキーパーもうつくしい得点シーンの一部」とは、まさしくも言い得て妙なる表現ではありませんか!
 然るに、今回大会の西野ジャパンのゴールを守る、ゴールキーパー川島永嗣は、かつての活躍振りの欠片も認められない有様なのである。
 我が西野ジャパンの「失点・4」の全ては、一に彼の責任に帰するべきかと判断されます。
 とは言いますものの、彼に替わって西野ジャパンのゴールを守る者は、彼以外の何人も存在しません!

     弓なりに身体そらすも失点す!キーパー川島絶不調なり!   鳥羽散歩


〇   踊り場の窓にしばらく感情を乾かしてよりくだりはじめつ

 彼の住まいのマンションは、8階建ての中層鉄筋コンクリート造りであり、各階毎に踊り場が在る。
 育ちが育ちなので、閉鎖されたエレベーターに乗るのが嫌いな彼は、いつも階段を上り下りして外出し帰宅する。
 そうした日々の中の或る朝のこと、七階から六階へと下る階段の途中の踊り場の窓から見下ろすと、眼下の樹々が湿り気を帯びていて、その有様はこれから彼が向かう彼の職場と同様に極めて陰気なのである。
 そこで彼は、「踊り場の窓にしばらく感情を乾かしてより」階段を下り始めたのである。
 「感情を乾かす」とは、「人間的な感情から離脱して、機械的即物的な存在と化す」という事であり、それなしには、当今のサラリーマン生活を乗り越えて行く事ができないのでありましょう。
 折も折、梅雨時の京都市内の職場は、彼が眼下に望む鬱蒼とした広葉樹林の如き様相を呈しているのでありましょう。

     踊り場ですれ違いたる幼子は彼の顔みて「小父ちゃん」と言う   鳥羽散歩


〇   そのうちにあなたも慣れてきますよと囁かれたりエレベーターのなかで

 先月来の疲れが身体の身体の節々に堆積している所為か?
 いつに無く階段を利用せずにエレベーターに乗ったのが、思えば失敗だった。
 彼とと一緒に一階でエレベーターに乗り五階で下りた一見紳士風な男が、下り際に、彼の顔を一瞥して「そのうちにあなたも慣れてきますよ」などと、彼の耳に囁いたのである。
 彼・A君にとっては、件の紳士風の男の囁きが何を意味しているのかが、判然としなかったのである。。
 「この普通の男の私は、一体全体、そのうちに何に慣れる」と、あの男は囁いたのだろうか?
 私は、私自身としては、ごく平凡なサラリーマンであると思っているのであるが、あの紳士風な男の眼からすると、「私の身体には今でもフリーター時代の匂いが染み着いている」とでも、あの男は言いたいのであろうか?
 それとも、彼と私の妻との間には、このマンションに入居する以前からの不倫関係が続いていて、「そうした忌まわしい関係に、私がそのうちに慣れるだろう」と、あの男は私の耳に囁いたのであろうか、などと思い、今宵の彼の心は徒に千々に乱れるのであった。
 謎が謎を産み、その夜のA君は、寝もやらず曇天の翌朝を迎えたのでありました。

    この吾が何に慣れれば宜しいか?妻の不倫に慣れろと言うか!   鳥羽散歩


〇   くやしさは月のひかりに幾重にも折りたたまれてつづく坂道

 悔しい!
 昨日の夜、いつもの如く残業して帰宅したエレベーターの中で、あんな男からあんな言葉を囁かれたA君の今夜は、昨晩に引き続いて真実悔しいのである。
 「くやしさは月のひかりに幾重にも折りたたまれてつづく」とは、「今夜の私の気持ちの悔しさは、あの片割れ月の光に幾重にも折り畳まれた如くにも屈折した悔しさなのである」と言う意であるが、今宵のA君はそうした遣る瀬無い屈辱感を胸に抱きながら「坂道」を登りながら家路を急ぐのでありました。

    何が悔しいかって、君のその取り澄ましたる顔が今夜の俺には悔しいのだよ!   鳥羽散歩

    
〇   欲情をかすかに刺激されながらひとり女子マラソンを見ている

 「言わずもがな」の解釈は止しときましょう!
 いくら頭の悪い読者諸氏にだって、こんな時にこんな気持ちを抱きながら、こんな番組を見たくなる気持ちが解るでありましょうから!

    Qちゃんが一歩一歩と駆けるたび胸の鼓動がいよよ高鳴る   鳥羽散歩
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本日の『朝日川柳』より(2018/6/30掲載) おはようございます!散歩です!朝からどうも吸いません!

〇   ひたすらにボールを回すフェアプレー   (東京都)鈴木英人

 西野ジャパンがポーランド戦の終盤で敢えて行った、あまりにもカッコ悪い「ボール回し」戦法も、観客への見栄えはともかくとして、決してルールに違反するものではありません。
 従って、これを「フェアプレー」として称える、東京都のお住いの皮肉屋・鈴木英人さんの言は、必ずしも本質的な意味での皮肉ではありません。

     トーナメントに進出するは悲願なりボール回しで悲願達成!   鳥羽散歩
     七月の三日はいよいよベルギー戦!大和魂総員決起!


〇   イエローのおかげでブルー生き残り   (千葉県)廣瀬久恵

 セネガル戦の劈頭で、セネガルのバックプレーヤーが犯した反則のハンドプレーに対して、審判は「イエローカード」では無くて「レッドカード」を出したのでありました。
 従って、「イエローのおかげでブルー生き残り」とする、この川柳句は成立しません!

     セネガルのハンドプレーに救われてニッポン進出トーナメント戦に   鳥羽散歩
     セネガルと一度戦い二度勝利!助けられたりROUGHなPLAYに!


〇   サッカーも敬遠あると知った夜   (東京都)富井良和

 メジャーリーグに於いては、今シーズンから、所謂「宣言敬遠」、即ち「ボールを投げずに敬遠」する新ルールを導入したのである。
 昨夜、東京都にお住いの富井良和さんがテレビ観戦した際の西野ジャパンの終盤での「ボール回し作戦」は、極めて消極的な戦略とは言え、実際に「ボール回し」というプレーを行っている訳ですから、必ずしも相手を「敬遠」した訳ではありません。
 従って、この句も亦、川柳句としては失格句でありましょう。

     ボール回しは上々の戦略で何ら恥じ入る必要は無し   鳥羽散歩
     ボール回しは次善の策にて善ならず監督選手猛省すべし


〇   韓国も一花咲かせ去るロシア   (長崎県)前田一笑

 ワールドカップ・アジア予選での日本の最大のライバル・韓国は、今大会のリーグ戦で三戦三敗かと予測されていたのであったが、何と驚いた事に、リーグ戦の最終戦で、優勝候補のドイツを「二対ゼロ」で葬って、ドイツが予選敗退という奇跡を現出したのでありました。
 恐るべきは韓国の大蒜力であり、此の結果を以って、「韓国も一花咲かせてロシアを去った」としても宜しいかと存じます。

    花ならば国の花なる木槿かも木槿ムクゲ咲かせて韓国善戦!   鳥羽散歩
    庭に咲く花ムクゲ見て思い出す彼の敗戦の日の屈辱を


〇   先生と呼ばれ金利も知らぬ人   (東京都)橘かほる

 風体怪しげな証券会社から、「一つ金、50000000円也」を拝借した、衆議院議員・細野某先生に対する疑惑は益々深まるばかりである。
 彼は、「その後、必要が無くなったから五千万円をそのまま返却した」とのことでありますが、如何に低利子時代の今日とは言えど、50000000円を借りて50000000円を返したのでは、彼と件の証券会社との間に、モリカケ疑惑にも類似した癒着が在ったに違いない、と、政府与党側からのここを先途とばかりの反撃に遭うかも知れません。
 彼の体質は、本質的には自民党議員にも勝る超保守体質である。
 この際、私たち有権者は、断固として彼を斬るべきである。

     泣いて馬謖を斬る思いなり恥を知れ細野なにがし議員   鳥羽散歩
     過ぐる日の希望の党の立ち上げに抜群の功示しし細野某


〇   働き方をお日様決める野良仕事   (福島県)佐藤国喜

 さすがは福島県民である!
 本日の最高傑作はこれで決まり!

     除染まだ復興成らざる福島で笑い振り撒く農夫国喜   鳥羽散歩
     日出づる時を待ちて働きて日沈めば眠るは神の恩寵


〇   水無月をロシア時間に慣れ終える   (千葉県)安延春彦

 「水無月」そのものは今日・晦日で終わりですが、ワールドカップロシア大会はまだまだ続きます。
 それに、私たちの日本だって、あまり褒められるような性質の勝ち上がり方とは言えませんが、一応は、決勝トーナメート選まで勝ち残ったのでありますから、千葉県にお住いの安延春彦さんに於かれましても、ロシア時間に慣れたままで応援して下さい。

     水無月の晦日前なる昨日午後梅雨明け宣言関東一円     鳥羽散歩
     国内に何箇所あるやタイムゾーン摩訶不思議なりロシア時間は

〇   台風の近づきつつあるあかつきの卓上にしろきパンの一枚

〇   日常を超えたところに文学があるなんて、食パンの切れはし

〇   向き合って君と食事をしておれどかなしみ方がよくわからない

〇   風邪の引き始めは変にかなしくて古い雑誌を眺めて過ごす

〇   自らのことを弱者と呼ぶひとのためらいもなく弱者と呼びぬ


〇   影はやや傾きながら地にのびて「国道」というバス停ひとつ

〇   切り落とす間際にふいに抵抗はよわまりてのち切り落とされつ

〇   天災による死であればあからさまに弱きものから先に死にたり

〇   燃やされる、踏まれる、引きずり降ろされる、振られる、掲げられる 国旗は 
        
〇   はつなつの光のそそぐ境内の美しさには輪郭がある

〇   反り深き橋のゆうぐれ風景は使い込まれて美しくなる

〇   巨大なる「整理整頓」の文字の下ややうつむいて人は働く

〇   ちょっとしたコツがあるんだ貸してごらん、貸せばにわかに夢は覚めたり

〇   鏡よ鏡なにがそんなに楽しくてまた人災を言いつのる声

〇   死に場所のなお決まらざる蝉ありて差し出せばわが指につかまる

〇   仰向けに死にゆく蝉に指先を差し出してわが青春期終わる

古雑誌を読む(NHK短歌・2018年3月号・番外編そのⅤ) 長期連載!乞う、ご期待!

〇   台風の近づきつつあるあかつきの卓上にしろきパンの一枚

〇   日常を超えたところに文学があるなんて、食パンの切れはし

〇   向き合って君と食事をしておれどかなしみ方がよくわからない

〇   風邪の引き始めは変にかなしくて古い雑誌を眺めて過ごす

〇   自らのことを弱者と呼ぶひとのためらいもなく弱者と呼びぬ


〇   影はやや傾きながら地にのびて「国道」というバス停ひとつ

〇   切り落とす間際にふいに抵抗はよわまりてのち切り落とされつ

〇   天災による死であればあからさまに弱きものから先に死にたり

〇   燃やされる、踏まれる、引きずり降ろされる、振られる、掲げられる 国旗は 
        
〇   はつなつの光のそそぐ境内の美しさには輪郭がある

〇   反り深き橋のゆうぐれ風景は使い込まれて美しくなる

〇   巨大なる「整理整頓」の文字の下ややうつむいて人は働く

〇   ちょっとしたコツがあるんだ貸してごらん、貸せばにわかに夢は覚めたり

〇   鏡よ鏡なにがそんなに楽しくてまた人災を言いつのる声

〇   死に場所のなお決まらざる蝉ありて差し出せばわが指につかまる

〇   仰向けに死にゆく蝉に指先を差し出してわが青春期終わる

古雑誌を読む(NHK短歌・2018年3月号・番外編そのⅢ) 長期連載!乞う、ご期待!


 し斯くして、松村正直氏の第三歌集『午前3時を過ぎて』所収の短歌「浴室に妻の使いし石鹸の香りは満ちて湯舟につかる」を巡っての短歌ドラマは遅々として進まないのである。
 ところで、この短歌ドラマの狂言回しの私・鳥羽散歩は、これまでは、このドラマの主人公を松村正直氏と呼んできましたが、よくよく考えてみると、松村正直氏という歌人は件の一首の作者ではありますが、作者即ち作中主体ではありませんし、作中主体即ちこの短歌ドラマのヒーローでもありません。
 という次第で、これからは、狂言回しの私・鳥羽散歩は、このドラマの主人公を「A(氏・くん)」と名付け、彼の配偶者のТKさんを「B(さん)」と名付けた上でドラマの展開を図りたいと存じます。
 以上、一言言上申し上げます。


〇   階ごとに白き卵を点らせて巣穴のごときマンションが立つ

 去んぬる日々、日本全国各地を放浪していた頃のA君は、時には見知らぬ土地の雨の降る路上を塒にした事もありました。
 そんなA君にも、Bさんという生涯の伴侶が出来ました。
 そんなA君も、鉄筋入りコンクリート作りのマンションという塒らしきものを手に入れる事が出来ました。
 かつては、一本のビニール傘に守られて、見知らぬ土地の路上に伏していたA君にも、安息の核シェルターが出来ました。
 上の三句に「階ごとに白き卵を点らせて」とありますが、これはA君夫妻が住んでいるマンションの廊下に灯っている明りを指しているものであると同時に、件のマンションの一室ごとに棲んでいるはずの妻たちが、自らの胎内に宿している人間の「卵」そのもの、即ち、女性が胎内に宿している「卵子」を指しているものでもありましょう。
 一室ごとに「白き卵を灯らせて」いる「マンション」ならば、それは「巣穴のごときマンション」であるに違いありません。
 そんな小鳥の巣穴の如きマンションの一室には、やがてA君の精子と出会って受精し、受胎するに違いない「白き卵を点らせて」、A君の愛妻のBさんが棲息しているのでありましょう。
 「階ごとに白き卵を点らせて立つ」マンション!
 そのマンションの一室ごとに棲んでいて、自らの胎内に「白き卵を点らせている」妻たち!
 これらの二つは、いずれも小さくて侘しくて哀しい!
 然し乍ら、その小さくて侘しくて哀しい中に於いて、A君夫妻のそれをも含めて、私たち庶民のしがない毎日の生活が展開されて行くのでありましょう。


〇   壁の向こうで蛇口をひねる音のして洗顔のみずは弱くなりたり

 マンションという薄い「壁」で隔てられた住居!
 その一室に居て、隣室の居住者が水道の「蛇口をひねる音」に耳を澄ましているA君!
 とすると、我が住居で吾が使っている「洗顔のみず」が、何一つ予告もなしに「弱く」なったのである。
 フリーター生活から足を洗って結婚し、妻と共にマンション住まいをしているA君にとっては、日々の出来事の全てが初体験なのでありましょうか!


〇   勝ち負けを示すマークのごときもの週間天気予報にならぶ

 自らが弱者であることを自覚してのフリーター生活とは異なり、それから足を洗って辿り着いた一般社会とは、強者と弱者とが存在し、日々の暮らしそのものが「勝ち負け」を争う生存競争なのである。
 A君が目前にしているのは、テレビの「週間天気予報」に過ぎないのであるが、その「週間天気予報」の中にさえ、「勝ち負けを示すマークのごときもの」が棲息していることの不思議さよ?
 結婚生活して間もない頃のA君の、一般社会の生活に対して感じる違和感が主題の一首である。
 「勝ち負けを示すマークのごときもの」という表現は、必ずしも、戯画的な表現でも大袈裟な表現でもありません。


〇   目をつぶる老人の前を夏雲が過ぎ、鳥が過ぎ、少女が過ぎる

 「老人の前を夏雲が過ぎ、鳥が過ぎ、少女が過ぎる」光景が目を瞑っていても、A君には見えるのである。
 こうした風景は、フリーター生活を経験したA君にとっては日々親しんでいた風景であり、それ故にこそ、あまりにも懐かしい風景なのである。
 結婚を機に、突然飛び込んできた一般社会に不慣れなままに、しばし幻想に耽っているA君なのである。

古雑誌を読む(NHK短歌・2018年3月号・番外編そのⅡ) 長期連載!乞う、ご期待!

 ところが、同じ歌集『駅へ』の後半に、次のような決して見逃し得ない作品がある。

    〇   「離婚した親を持つ子」であることも終わりと思う今日を限りに
    〇   かすがいになれなかった子もいつの日か父となる日を夢に見ている

 これらの二首を詠んだ時の彼は、既に京都府内に定住して居て、恐らくは、間もなく妻になるはずの歌人・KTさんと巡り逢っていたのでありましょう。
 「離婚した親を持つ子」というのは、彼の思考の根底に在るコンプレックスであったのでありましょう。
 また、それ故にこそ彼は、東大文学部卒という学歴を棒に振ってフリーター暮らしを続けたのでありましょう。
 そうした彼も、思いがけなくKTさんという人生の良き伴侶を得て、「『離婚した親を持つ子』であること」も「今日限りに」「終ると思う」に至ったのであり、また、「(離婚した父と母との)とのかすがいになれなかった子」としての彼自身も、「いつの日か父となる日を夢に見ている」のでありましょう。

 部外者の私が予想していた通り、間もなく彼は、所属結社誌「塔」を通じて巡り逢った、件の女性歌人・KTさんと偕老同穴の契りを結ばれ、あまつさえ、フリーター当時の彼には予想だに出来なかったはずの子宝にも恵まれ、後々に第二歌集『やさしい鮫』(2006年刊)に収録される事になる、次のような作品を詠むようになったのである。

     〇   年下の男を男が呼ぶ時のくん付け水のようなくん付け

 「年下の男を男が呼ぶ時のくん付け」で、彼・松村正直氏を「正直くん」と呼ぶのは、新たに伴侶となったKTさんでありましょうが、彼・正直くんは、これを「水のようなくん付け」として受け取り、良き伴侶を得たという感慨を新たにするのでありましょう。
 人生の伴侶からのこうした呼ばれ方を、「水のようなくん付け」という、彼・正直くんの受け取り方は、人生の伴侶となったKTさんの印象が、彼・正直くんにとっては、極めて清潔で爽やかであった事の証明に他なりませんが、それと共に未だ新婚生活に慣れない違和感と恥ずかしさをも伴うものでありましょう。


     〇   どのメニューもみな似たような味のする洋食屋なり好んで通う

 新婚生活によく有り勝ちな、結婚相手に対する遠慮と気取りが認められる一首である。
 松村正直氏はもとより、氏の伴侶のKTさんとて未だ安月給取りの身の上でありましょうから、本来的には、結婚即自炊の生活に入らなければならないのでありましょうが、そこは若者同士のことでありますから、未だにデイト気分が取れずに、最寄りの「洋食屋」などに足を運ぶ事もあったのでありましょう。
 ところがその洋食屋たるや、食事代金が安く上がるのは良しとしても、「どのメニューもみな似たような味のする洋食屋」であったのである。
 そんな洋食屋であったならば、一、二度行って止せば良かったのでありましょうが、そこは新婚ほやほやのご両人、食味と財布の中身とのバランスの関係上、「どのメニューもみな似たような味のする洋食屋」ではあったけれども、「好んで通う」事になったのでありましょう。
 件の洋食屋のテーブルの上に並べられた「みな似たような味のする」料理を前にして、「美味しい!」とも「美味しくない!」とも言えずして、もじもじしているご両人の姿が髣髴とされる佳作である。


     〇   あでやかな桜なりしが写真にはさびしき色の花としてあり

 私は、その方面の知識に欠けていますから詳しい事は何一つ言えませんが、京都市内での桜の名所地と言えば、枝垂桜の丸山公園でありましょうか、それとも、清水寺や醍醐寺でありましょうか?
 まさか、金欠病のくせして、大阪造幣局の「通り抜け」にまでは足を運ばなかった事でありましょう。
 そうした細かい事はどうでも宜しいが、彼ら二人は、今を盛りと咲き誇る桜の花の下で、お手々繋いで写真を撮ったのであるが、その写真たるや、桜そのものは「あでやかな桜なりし」が、「写真にはさびしき色の花としてあり」という結果であったのである。
 恥かしながらも気負いこんで足を運んだ花見の、その「あでやかな桜」の下で撮った写真が「さびしき色の花としてあり」とは、何と言う悲しい現実ではありませんか!
 でも、でも、でも、正直くんよ!君はその責任の全てを「桜」の花に帰するべきではありません!
 桜の花そのものには、少しの罪も責任も無いのです。
 なにしろ、君たち二人が、数多ある桜の木の中から殊更にそれを選んで、その下に立ち、写真を撮ろうとしたのでありましょうから!
 問題の根本は、彼・正直くんの心の持ち方に在るのでありましょう。
 過ぎてしまえば、「私も妻ももう少しカッコ良かったはずだ!わざわざ丸山公園まで足を運ぶだけの価値のるカップルであったはずだ!それなのに……」との後悔も、決して先に立つ事はなかったのでありましょう。
 問題の本質とその責任は、自分たち側に在るのにも関わらず、「写真にはさびしき色の花としてあり」などと、その本質を忘れ、その責任から逃れようとしている「正直くん」なのである。

 
     〇   震えつつ春のなかぞらより降りてくる投票を呼び掛けるこえ

 突如として、選挙カーが遣って来ました!
 彼ら二人の新婚ほやほやの前に、あろう事か、あの無粋な選挙カーが現れて、「震えつつ春のなかぞらより降りてくる投票を呼び掛けるこえ」が聴こえて来るではありませんか!
 関係ありません!
 そんなこと関係ありませんってば!
 この際、「誰に投票すれば日本の政治が少しは増しになるか?」なんて事は、今の二人にはまるで関係無いってば!
 彼も彼女も、今の今が満ち足りていれば、それで満足なのでありますからね!
 とは申せ、この一首の表現から、彼・正直くんと俗世間との隔絶寒を感得するのは、私たち、本作の鑑賞者の何よりの務めでありましょう。  (続く)

古雑誌を読む(NHK短歌・2018年3月号・番外編そのⅠ) 長期連載!乞う、ご期待!

〇  浴室に妻の使いし石鹸の香りは満ちて湯舟につかる  松村正直『午後3時を過ぎて』

 掲歌所収の『午前3時を過ぎて』は2014年に刊行された松村正直の第三歌集である。
 この歌からも読み取れるが、この頃の作者は既に妻子を得て安定した生活に入っていて、歌壇に於いても最大手結社誌「塔」の編集長を務めるなど、押しも押されぬ存在になっていたのである。
 しかしながら、駒場東邦高校を経て東京大学文学部を卒業した後の彼は、一時的に一所不住のフリーター生活をしていたのであり、私が彼の歌人としての存在を知ったのは、彼が1999年に50首連作「フリーター的」で以って、第45回角川短歌賞次席に選ばれた時であった。
 その当時の彼は、フリーターとして日本全国各地を流浪していた当時の見聞に取材して歌を詠んでいたのであるが、後に第一歌集『駅へ』(2001年刊)に掲載された作品の中には、次のような傑作がある。


      〇   波音に眠れないのだ街灯が照らす私も私の影も

 「波音」に妨げられて「眠れない」のは、「街灯に照ら」されて」微睡んでいる「私」だけでは無くて私自身の「影」も同然である、という意の一首であるが、この一首からは、「影が私か?私が影か?」といった自己喪失感と戸惑いが読み取れましょうか。


      〇   逃げ動き続けた眼にはゆうやみの色がかなしいまでにやさしい

 「逃げ動き続けた眼」とは、「一所不住のフリーターとして放浪し続けた作者自身の眼」であり、そうした不安定でおどおどした「眼」には、折からの「ゆうやみの色がかなしいまでにやさしい」という意の一首であるが、その根底に在るのは、「許しを得たい、救済されたい」という彼の切羽詰まった心情でありましょう。


     〇   雨傘の下から見える町だけを僕は歩いてきたのだろうか

 彼は常時、追い求めて来る何者かから逃げるようにして、また隠れるようにして、放浪生活を続けて来たのであるが、そうした彼にとっては、今、彼自身が差している「雨傘」だけが、か弱い彼の身体と心とを見えない外敵から守るシェルターだったのである。
 彼はフリーターながらも安息の場所を得たいという願望を抱きつつ放浪しているのであるが、こうした願望は、フリーターであると否とに関わらず、おおよそ人間ならば誰しもが抱く普遍的な心情でありましょう。


     〇   温かな缶コーヒーも飲み終えてしまえば一度きりの関係

 そんな彼とて、時には通りすがりの路上で目にした自販機にコイン一個を落として「温かな缶コーヒー」を飲んだりもするのであるが、その彼の冷えた心を温めてくれた缶コーヒーと彼自身の関係さえも、コーヒーを飲み終えて、空き缶を空き缶入れに捨ててしまえば、たったそれっきりの関係でしかなくなる、という意の一首であり、其処に認められるのは、彼自身の底知れない孤独感と疎外感でありましょう。


     〇   忘れ物しても取りには戻らない言い残した言葉も言いに行かない

 私たち人間は、老若男女、貧富の差に関わらず「忘れ物」をし勝ちである。
 フリーターの彼とて人間である事には違いありませんから、放浪生活している途中の何処かに忘れ物をすることもあったに違いありません。
 しかしながら彼の場合は、何処かの地に「忘れ物しても取りには戻らない」し、仮に、アルバイト先の雇い主か誰かに「言い残した言葉」があったとしても「言いに行かない」というのであり、していたこの一首には、フリーター生活をしていた当時の彼の半ば投げ遣りな生活態度がそのままに示されているのである。
 尚、この「忘れ物」は、雨傘や財布などの単なる物品や金銭のみならず、例えば、「自らの将来への抱負や希望」といった」といった精神的な事柄をも含んでいるのでありましょう。


     〇   悪くない 置き忘れたらそれきりのビニール傘とぼくの関係

 一所不住のフターたる彼にとっての雨傘(=ビニール傘)は、被爆者と被災者を保護する核シェルターとの関係であったのだが、その核シェルターさえも「置き忘れたらそれきり」なのであり、それが「ビニール傘とぼくの関係」なのであり、そうした「関係」さえも、彼にとっては特別に「悪くない」関係だ、というのである。

 以上、縷々と述べてきましたが、これら六首の作品の内容を、概括的に説明するならば、この頃の彼は、常に物事と「一度きりの関係」を以って接していたのであり、その対象が放浪中のとある日に宿泊した土地との関わりであっても、冬のとある日に何処かの街で自販機にコインを入れて飲んだ温かな缶コーヒーとの関りであっても、彼の心と身体を一時的に雨露から守ってくれたビニール傘との関りであっても、否、そんなものだけではなく、波音に眠れないままに街灯に照らされて微睡んでいた時に路上に映っていたはずの自らの影との関りでさえも、一切、変化する事がなく、たった「一度きりの関係」だったのである。(続く)

本日の『朝日川柳』より(2018/6/29掲載) 反則ポイント稼ぎの球回し作戦に理有りや?西野監督頭がいいぞ!

〇   兜の緒締め損ねたる日本は肝心要の時に勝てない   鳥羽散歩

 決勝トーナメントに進出することが出来たとは言え、グループ最下位のポーランドに負けた上でのことでありますから、その価値たるや、十分の一以下でしかありません。
 徹夜応援していた方々には、全くお気の毒としか私には言えません。
 今日、こういう結果になったから言う訳ではありませんが、本稿は日本対ポーランド戦が始まる一時間前に記されたものでありますが、恐らくは、試合後にも訂正する必要が無かろうと存じます。

     負けて知る弱き己の悔しさよ!日本にっぽんポンと敗けたり!   鳥羽散歩
     兜の緒締め損ねたる日本のボール回し戦法賛否交々 


〇   「終わった」は討論じゃ無く民主主義   (神奈川県)朝広三猫子

 「終わった」は「終った」の誤りだ!

    終ったは国語教育送り仮名国語知らずの川柳子居て!   鳥羽散歩


〇   揚げ足も逆手に取るも長けた人   (東京都)林明倫

 安倍が「人」ならイモリは魚!蜻蛉・蝶々は鳥のうち!

    細君のお手々取るのも長けた奴仮面夫婦が聞いて呆れる   鳥羽散歩


〇   みんな働け 我ら外遊   (兵庫県)徳本公子

 フランス、ベルギー、中東と、外遊予定が目白押し状態の安倍ちゃんである。

    安倍ちゃんが外遊してるそのあいだ首相代理と威張るのは誰?   鳥羽散歩
 

〇   トランプの地図はアメリカしか載らず   (愛知県)金澤市兵衛

 「イランの原油は買うな」とご沙汰!

     盟友の安倍ちゃん何とかしてお呉れ!原油高くて株価激安!   鳥羽散歩


〇   「ファースト」の名前がやっと初仕事   (東京都)三井正夫

 2020年東京五輪・パラリンピックを見すえ、国の規制案より厳しい東京都の受動喫煙防止条例が成立した。
 都内の飲食店の大半が対象になり、大手チェーンも対応を検討し始めた。
 この条例の成立に因り、都内の飲食店の約84%にあたる約13万4千店が、屋内を完全禁煙とするか、喫煙専用室を設置するか判断を迫られ、2年後の全面施行を前に大手チェーンは対応を検討し始めている、とのことである。
 こうした煙草規制の流れの中で、私たちが決して忘れてはならないことは、去る6月21日に行われた衆議院厚生労働委員会での健康増進法改正案審議に、参考人として出席したステージ4の肺癌罹患者の日本肺がん患者連絡会の長谷川代表に、衆議院大分1区選出の自民党議員、穴見陽一氏が、「いい加減にしろ」とのヤジを再三に亘って飛ばした一件でありましょう。

    意味深な姓の議員だ穴見さん!穴から覗く?穴をば覗く?   鳥羽散歩


〇   サムライもやがてイレズミするように   (兵庫県)岸田万彩

 身体じゅう「万彩」の刺青を入れろって訳ですか!
 と、とんでもない!
 私は絶対、絶対に反対です!

     サムライよりも先に刺青入れるのは銀座闊歩の狆ころ姉ちゃん   鳥羽散歩
     シール貼り外遊するのも面白い総理ご夫妻遣ったら如何


〇   無事に夜が明けたか渋谷道頓堀   (千葉県)姫野泰之

 「無事に夜が明けたか」も何もありませんよ!
 なにしろ、あのポーランド相手に惨敗したんですからね!
 「道頓堀のドブ川に飛び込んで若者が100人余り投身自殺をした」ってニュースが飛び込んで来るのではないか、と、私は最前から心配してんですよ!
 それでも、「日本の決勝トーナメント進出が決まった」って喜んでいる奴らがいるって事ですが、引き分けての事ならまだしも、負けての決勝トーナメント進出じゃ意味がありませんよ!
 それに、日本の決勝トーナメントの相手は、あのベルギーだそうですよ!
 ベルギー相手にボール回しだけに終始しても勝てる訳が無いじゃありませんか!
 決勝トーナメントは、反則ポイントも何も無い一発勝負なんですからね!

     ベルギーはイングランドよりも遣り易い一発勝負だ!勝つかもしれぬ!   鳥羽散歩
     ともかくもアジアでたった一チーム決勝トーナメント入り西野ジャパン

朝日新聞夕刊掲載の「あるきだす言葉たち」を読む(2018/6/28掲載) やっと出たマン・九堂夜想の俳句!

     「那月」    九堂夜想

〇   口寄せのこめかみふかく夜天光
〇   曇天や星見のあとを蛇垂れて
〇   魚や立つミルククラウンこそ夜会
〇   鳴き砂に鳴かれて妣の遠流なる
〇   月はるか那由他の蝶が過去世より
〇   霧をまた命命鳥が唄い過ぐ
〇   太陽をにれかむギロチン窓や海
〇   影をひく骰子の行方や貴腐ワイン
〇   氷りつつ古代微笑の聖廃墟
〇   野巫攫むべし天上の火事花を
〇   砂時計ひたに無想の億年夜
〇   王母去りゆく冥婚のオルゴール

 無季俳句の鬼才・九堂夜想も明日明日五十路に踏み込もうとしている。
 「意味領域の彼岸に立ちつつ読み手の解読を拒否する難解派」などと忌避されていながらも、最近の彼の作風は私たち読者の解釈を拒否するようなものでは無くて、一句一句、意味に捉われずに彼の意図するイメージを追って行けば、創作意図を捕捉することが可能なような作品に仕上がっているようだ。
 そこで今回は、私が余計な手出し口出しをする事を止めて、朝日新聞夕刊に掲載された作品をそのままに転載して、それ以後のご措置は、賢明なる読者諸氏のご判断にお任せ致しますから、宜しくご鑑賞下さい。
 彼にとっては、かつての斯道の師・金子兜太氏のご逝去は如何なる意味を持っているのでありましょうか?

本日の『朝日川柳』より(2018/6/28掲載) 決戦の時来たれり!老いも若きも眠らずに視よ!但し私は熟睡します。

〇    党首討論使命終えたり  (神奈川県)鳥羽散歩
 
 「Yahoo!Japanニュース」の伝えるところに拠ると、「安倍晋三首相と野党党首らによる今国会2回目の党首討論が27日行われた。立憲民主党の枝野幸男代表が7点にわたって安倍政権の問題点を指摘したのに対し、首相は『全体についてはお答えできない』と反発。その上で『党首討論の歴史的使命は終わった』との認識を示した。今後、与野党間で党首討論の見直し議論に発展する可能性がある」とのこと。
 ところで、安倍晋三首相に拠る「党首討論の歴史的使命は終わった」との発言は、過日行われた一回目の党首討論に於いての安倍首相自身の<信号無視答弁>を批判しての、立憲民主党党首・枝野幸男氏のマスコミに対しての同趣旨の発言をそのまま借用しての痴呆的発言である。
 「この期に及んで言葉泥棒なにを言うか!!同じ言うなら自分の言葉で言え!!」とは、件の安倍晋三首相の狂態に対しての、私・鳥羽散歩の真実偽らざる怒りの答弁である!

     言語表現はオリジナルをもて尊しとする!恥を知れ!安倍総理!
     総理、否、草履取りの安倍晋三!この期に及んで何をほざくか!


〇    ニュージーランドにしてから言って二階サマ   (埼玉県)小島福節

 「自民党の二階俊博幹事長は26日、東京都内で講演し、少子化問題をめぐり『この頃、子供を産まない方が幸せじゃないかと勝手なことを考える人がいる』と述べた」とのこと。
 また、「みんな食うや食わずの戦中・戦後の時代に『子供を産んだら大変だから、産まないようにしよう』と言った人はいない」とも語り、「『子供をたくさん産み、国が栄え、発展していく方向にしよう』と呼びかけた」とのこと!
 「政界ご都合主義渡り鳥」の「二階サマ」のこの度のセクハラ発言に対する、私たち国民の怒りは沈めようとしても沈めようがありません!

     戦争を辛うじて知る二階サマ!年貢の納め時は近いぞ!   鳥羽散歩
     セクハラは性犯罪に充当す!素っ首洗って待ってろ二階!


〇   無いなら作れ 偽答弁罪   (大阪府)清水康寛

 世論を無視して即席かつご都合主義の法案を強引に成立させたりする自公連立政権であるから、この度の米軍の「首相の飛行中止申し入れ、無し」とする発言に対応する「偽答弁罪」を作るべきである。
 但し、この場合、裁かれるべきなのは米軍側では無くて、「飛行中止の申し入れをした」という虚偽答弁をした、安倍首相側である!

     議場とは証言の場でもあれば偽答弁は偽証罪なり   鳥羽散歩


〇   殺人は易しと思うゲーム脳   (埼玉県)磯貝満智

 富山市の元自衛官の殺人事件の根底に在るのは「ゲーム脳」なのでありましょう。
 「ゲーム脳」の罹患者は、バーチャル戦争に明け暮れているが故に、人の生死などは単なるゲーム上の出来事でしかないと思っているのでありましょう。

     自らが死んだら治らむゲーム脳罹患者現在一千万名余!   鳥羽散歩


〇   絵に描けないと 画像で送る   (東京都)鈴木英人

 「宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月27日、小惑星探査機<はやぶさ2>が、目標にしていた小惑星<リュウグウ(Ryugu)>上空20キロ地点に到着したことを確認した」と発表した。「今後は、リュウグウの探査活動を行う」とのこと。
 辛うじてここまで漕ぎ着けたJAXAではあるが、うかうかしていると宇宙をも領土化しようとしている某経済大国の餌食にされる惧れ無しとはしません。

     「お金なしウナ送れ」とのメールあり!小惑星<リュウグウ>在の夫より!   鳥羽散歩


〇   まるで日本と 同じじゃないか   (神奈川県)大坪智

 トルコ共和国に於ける、独裁者・エルドアン大統領再選に拠る国家権力強化必至!
 その先を行くのは、安倍狂態政権下の我が国ではありませんか!

     安倍ちやんにさながら似たりエルドアン!某大国の操り人形!   鳥羽散歩


〇   元代表こんなにいたか解説者   (神奈川県)宮本游子
〇   勝てばヒーロー 負けりゃ実力   (東京都)冨江治夫

 いよいよ決戦の時来たれり!
 日本国民須らく昼寝して深夜の応援に備えるべし!
 但し、私・鳥羽散歩は今夜に限って熟睡させていただきます。

     やれ打つなポーランドのフォワード陣!ニッポン手で蹴る足で蹴る!   鳥羽散歩

  〔陰の声……足で蹴るのは宜しいが、手で蹴ったり摑んだりすると一発退場の惧れあり!〕

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