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詩歌句誌面

読解なくして論評あらず。

今週の「朝日俳壇」より(2018/9/23掲載・そのⅠ)    

〇   東京は隈なく灯り震災忌   (町田市)枝澤聖文

 平成三十年一月一日現在の東京都の人口総数は13,754,059人であるが、その一千四百万都市である東京に於いては、夜ともなれば、湾岸から武蔵野台地、多摩丘陵の奥まで隈なく赤い灯、青い灯の電飾で彩られているのである。
 本作は、その東京都内の夜間の電飾の明るさを、9月1日の震災記念日の迎え火に例えているのである。
 高山選の首席。
     迎え火は東京スカイツリーのみで足る!灯りを消そう震災記念日!  鳥羽散歩


〇   コスモスや烏啄む猫の腸   (日立市)加藤宙

 淡く可憐な色で咲き、秋風に儚く戦いているコスモスを背景として展開されているのは、猫の死骸に食い付き、腸の底まで啄もうとしている烏どもの狡猾にして貪欲な食事風景なのである。
 その有様は、恰も台風最中の自民亭の会食風景を思わせて、作品内容としては悪趣味もいい処でありましょう!
 次席。
     国民のはらわた啄む何とする!安倍政権の自壊見えたり!   鳥羽散歩


〇   ヤバイねの言葉列なす炎天下   (東京都)無京水彦

 「ヤバイね」こそは、正しく現代社会の若者言葉の万能選手であり、この言葉が年端の行かない若者たちの口から洩れるのなら未だしも、昨今に於いては、国会での代表質問中の与野党議員や、それに応える総理を肇とする大臣たちの口から洩れるに及んでは、まさしく「ヤバイね」でありましょう。
 今年の夏の猛暑の中では、街頭に於いて、工場や工事現場や事務所などの職場に於いて、学校や幼稚園や病院や介護施設や動物園などに於いて、一体全体、どれくらいの頻度で「ヤバイね」との会話が取り交わされたことでありましょうか?
 三席。
     「ヤバイね」と君が言ふから僕もまた「ヤバイね」と応へて耐へてる猛暑  鳥羽散歩
 でも、もう直き耐え難い寒さの冬が遣って来ますよ!
 彼ら日本人は、そうなればそうなったで、「ヤバイね」、「ヤバイね」と馬鹿の一つ覚えの如き対話を交わすのでありましょうか!


〇   小走りの一生だった白粉花   (一宮市)渡辺邦晴

 何事に於いても世知辛い昨今の世の中に於いては、例え「小走り」であろうが「自転車操業」であろうが、自らの命を全う出来れば<儲けもの>なのではありませんか!
 私たち日本国民は、安倍総理夫妻や貴乃花親方夫妻の末路をよくよく観察して置かなければなりません。
 四席。
     100メートルを17秒余のスピードで42・195kmを走り通す男  鳥羽散歩


〇   台風は一つ目小僧来るぞ来るぞ   (中間市)松浦都

 今晩にも俺んところに遣って来るはずの台風24号こそは、超巨大な「一つ目小僧」であるとか!
 怖い!怖い!
 五席。
     飛んでけ!飛んでけ!一つ目小僧!某経済大国の砂塵吹き飛ばせ!  鳥羽散歩


〇   さるまたの中も台風通りけり   (東京都)木下荘従

 東京都民の木下荘従さんが、何も好き好んで「さるまた」なんて言い方をしなくても宜しいのではありませんか!
 もう直き八十路に入る耄碌爺の私だって、そんな言い方はしませんよ!
 六席。
     二枚組にいきゅうぱーのトランクス穿いてるくせにカッコ付けるな東京都民!  鳥羽散歩


〇   心臓の少し上刺す赤い羽根   (北本市)萩原行博

 それがせめてもの心遣いというものでありましょう!
 心臓をズブリと刺しでもしたら、来年の秋に赤い羽根を付けて貰えませんからね!
 七席。
     心臓の少し上刺す赤い羽根にわとりさんの命の片身  鳥羽散歩


〇   神仏と暮らす山里栗御飯   (伊万里市)萩原豊彦

 山里に住んでいるからと言っても、神仏と一緒に暮らしている人ばかりとは限りません!
 私の知人の話ですが、彼は秋田県雄勝郡東成瀬村椿川という、名前を聴いただけでも身の毛がよ立つような山奥の村に棲んで居ながら、札束の上にニトリで買ったベッドを据えて、毎晩、毎晩、その上で寝て、「もう少しお金が有ったら楽な暮らしが出来るのに」なんて言ってるんですよ!
 それに、いまどき「栗御飯」」なんて言ったって、少しも珍しくもないし、美味しくもありませんよ!
 八席。
     棺桶に福沢諭吉の札束か東成瀬村椿川にて死す  鳥羽散歩


〇   雨蛙住む洗面所山の駅   (岡山県新庄村)峠下巌

 ドイツもこいつも貧乏話ばかりしやがって、今週の朝日俳壇には救いがありませんな!
 九席。
     屋敷守棲息している分教所職員三名児童も三名  鳥羽散歩


〇   カピバラも我も親なり秋日和   (鎌倉市)小助川雅人

「カピバラ」と言えば、あの人口激減県の秋田県秋田市の大森山動物園にも、カピバラが居たような気がしますが、これは私の錯覚で、秋田市の大森山動物園に居るのはツキノワグマだけなのでありましょうか?
 十席。
     カピバラと何処か似通う雅人さん!彼もパパなり生産性有り!  鳥羽散歩


〇   老杉に句碑に星飛ぶ寺に住む   (八代市)山下接穂

 熊本県八代市古麓町に在る、臨済宗南禅寺派の禅寺・春光寺は、八代城主松井家の菩提所であり、境内に数多の句碑を擁し、句碑寺としても知られていて、俳人などの多くの観光客が訪れる。
 また、この古刹は、西南戦争の戦場となった過去を持ち、境内に今も残っている多くの弾痕がその面影を偲ばせる。
 十一席。
    春は花、秋は紅葉の春光寺、紫陽花寺としても有名!  鳥羽散歩


〇   ガラス器の中の光は新走り   (東京都)竹内宗一郎

 江戸切子の盃に「新走り」とは、竹内宗一郎さんも投稿歌人ながらなかなか遣りますね!
 ネット批評家の私・鳥羽散歩としては羨ましくて羨ましくてとても堪えられません!
 十二席。
      盃は句友に貰ひし江戸切子今宵満月新走り召せ  鳥羽散歩


〇   螇蚸いま跳んで夕陽の中に消ゆ   (川口市)青柳悠

 「夕陽の中に消ゆ」と言うよりも、「夕陽と溶け合う」と言った方が宜しいのかも知れません。
 十三席。
       飛蝗いま跳んで夕陽と燃え行けり   鳥羽散歩


〇   台風も地震もなかつたやうな晴   (北海道鹿追町)高橋とも子

 本作の作者と言い、後掲の一句の作者、音更町の信清愛子さんと言い、雪国北海道にお住いの方々はなかなかの句上手であるが、毎年六ケ月にも及ぶ積雪期間は俳句や短歌を詠む以外には、取り立てて為すべき事が在ろうとは思われませんから、それも当然の事でありましょう。
 それはともかくとして、来週の月曜日には、台風二十四号が北海道に襲来して、多くの災害を齎す惧れ無しとしませんから、ゆめゆめご油断なさってはなりません!
 稲畑選の首席。
      晴天は今を昔の荒れ模様!台風二十四号本土襲来!  鳥羽散歩       


〇   人生はこれからと言ふ敬老日   (敦賀市)村中聖火

 今や、人生百年到来である!
 「その意気や佳し「!」としなければなりません! 
 次席。
     還暦は人生二度目の誕生日!古希や傘寿やは鼻垂れ小僧!  鳥羽散歩


〇   描かんとして赤ならず赤のまま   (旭川市)大塚信太

  あかのまんまの咲いてゐる
  どろ路にふみ迷ふ
  新しい神曲の初め    西脇順三郎『旅人帰らず』より

  おまえは歌うな
  おまえは赤ままの花やとんぼの羽根を歌うな
  風のささやきや女の髪の毛の匂いを歌うな
  すべてのひよわなもの
  すべてのうそうそとしたもの
  すべてのものうげなものを撥き去れ
  すべての風情を擯斥せよ
  もつぱら正直のところを
  腹の足しになるところを
  胸さきを突きあげてくるぎりぎりのところを歌え
  たたかれることによつて弾ねかえる歌を
  恥辱の底から勇気を汲みくる歌を
  それらの歌々を
  咽喉をふくらまして厳しい韻律に歌いあげよ
  それらの歌々を
  行く行く人びとの胸廓にたたきこめ    中野重治『お前は歌うな』

 中野重治に「歌うな」として歌われ、西脇順三郎に「どろ路」に咲く花、として歌われた花は、本作の主題となっている「赤のまま」である。
 三席。
     赤ならずピンクにあらずかと言って紫ならず橙ならず  鳥羽散歩
     

〇   露けしや妻とゆつくり老いてゆく  (奈良市)田村英一

 奈良市にお住いの田村英一さんは、湿り気を帯びて来たこの秋の日々を、湿り気を失った奥様と共に老いて行くのでありましょうか!
 四席。
     露けくも妻女と共にゆつくりと老いて行くべしセックスレスに  鳥羽散歩


〇   野末まで風の尾花の光かな   (長岡市)内藤孝

  野を分けて風がゆくと
  ひとすじの河に似た跡
  風を追い白々と続いている

  ああ、それは思い出たどる心の中の路に似て
  なんとひそやかなものか

  野を分けて風がゆくと
  かくれ咲く花に気付いた
  その色のいつまでも揺れて残る

  ああ、それは白いまま散った憧れ抱いたひとに似て
  なんと哀しいものか

       渡りもあえぬ 渡良瀬の
       河のほとりを 一人来て
       心細道すべもなく
       心を告げる人もなく

  野を分けた風が去ると
  ぼうぼうとあおい草原
  ひざかりに静まって遠く拡がる

  ああ、 それは思い出たどる心の中の路に似て
  なんとはかないものか
         作詞  塚原将,・小椋佳  作曲 小椋佳 『渡良瀬を行けば』
 五席。
     野を分けて風が吹き行く思い出を辿りて吾は今日も旅往く  鳥羽散歩


〇   子どもらの声夕焼けて戻りけり   (福山市)広川良子

 真夏の午後の遊びに疲れ、子供たちが日焼けして芦田川の川遊びから戻って来た。
 こころなしか子供たちの声さえも夕焼けに染められているように思われたのである。
 六席。
     夕焼けて皺枯れ声のなほ黒く人を攫ひて売るかの如し  鳥羽散歩


〇   瀬戸内の島それぞれに秋の色   (神戸市)岸田健

 かつて『瀬戸の花嫁』を歌って、「嫁にしたいタレント」のベストワンにランクされた歌手が、あんなにまで堕落するとは、神ならぬ私には想像するだに出来なかったのである。
 七席。
     粟島は粟島なりの秋色に染まりて喜多さんカメラ離さず  鳥羽散歩


〇   星月夜地震にまちの灯消えてなほ   (北見市)藤瀬正美

 「地震」に因って「まちの灯」が「消え」たからこその「星月夜」なのでありましょう!
 従って、本句末尾の副詞「なほ」は、作者の感傷ゆえの無用な付け足しでありましょう。
 八席。
      「震度七!」街の灯すべて消えにけり満天の星立ち待ちの月  鳥羽散歩


〇   下山する栗鼠に木の実の荘ゆだね   (北海道音更町)信清愛子

 本作の作者の信清愛子さんは,大雪山麓に別荘を持って居られるのでありましょうか?
 九席。
     胸中に「下山の思想」を秘め置きて日高の冬に籠もらんとする  鳥羽散歩


〇   今日生きることの露けく尊しと   (枚方市)石橋玲子

 天候の如何に関わらず、また、健康の如何に関わらず、今日一日の命を全うする事は、仏の心にも通じる事であり、極めて尊い事でありましょう。
 十席。
     吾が命全うするが貴しと露けき今日に耐えなんとする  鳥羽散歩


〇   小康に筆とる机辺秋めける   (群馬県東吾妻町)酒井大岳

 「小康に筆とる机辺」とは、羨ましい!
 斯く申す、私の場合は、ベッドの上にパソコンを置いて、恐々とした手付きにてキーを叩いているのであります。
 酒井大岳さんも私も、未だ小康を得たに過ぎませんから、ゆめゆめ油断はなりません。
 十一席。
     小康に筆執る机辺秋めきて高原野菜収穫半ば!  鳥羽散歩


〇   颱風を甘く見てゐた悔のあり   (尼崎市)田中節夫

 それはともかくとして、颱風二十四号は日本列島を引き裂くかの如く直進する、とのこと。
 尼崎市にお住いの田中節夫さんに於かれましては、後悔先に立たず、ゆめゆめご油断召される勿れ!
 十二席。
     颱風を甘く見ていた田中さん!尼崎より準備を先に!  鳥羽散歩  


〇   湖と山露に身を置く宿りかな   (浜松市)伊藤芳子

 「光待つ露に心を置ける身は消えかへりつつ世をぞうらむる」は、「 後撰和歌集・巻九」の所収歌であり、「とまる身も消えしも同じ露の世に心おくらむほどぞはかなき」は、「源氏物語・葵」所収歌である。
 古典和歌の世界で謂う「露に身を置く」とは、親しい者に先立たれた時の寂しい心境を披歴する場合に用いられる表現である。
 本作の作者・伊藤芳子さんの場合は、最も親しみ愛し愛された存在たる、即ち、ご亭主殿に先立たれた悲しさと寂しさとを、この一句に託されたのでありましょうか?
 末席。
      吾もまた露に身を置くこの頃や板チョコ食べても不味しと思ふ 鳥羽散歩


〇   新涼や羊目覚める大草原   (小城市)福地子道

 「大草原」と言ったら、横綱鶴竜関の故里の、モンゴルのそれに決まってますよね!
 まさか、阿蘇の草千里浜ではありませんよね!
 長谷川選の首席。
      
〇   無花果や花びらの無き花を食ふ   (春日部市)川崎康弘
 次席。
〇   台風のあとの大地震国憂ふ   (伊賀市)福沢義男
 三席。
〇   全きは一枚もなき芭蕉林   (熊本市)平川礁舎
 四席。
〇   無花果の母に優しく割れにけり   (松山市)正岡唯真
 五席。
〇   百三十八億歳の原爆忌   (福島県伊達市)佐藤茂
 六席。
〇   恥多き我が人生の桜桃忌   (八代市)白濱馨
 七席。
〇   爽やかに祈る快癒や大串氏   (船橋市)斉木直哉
 八席。
〇   再びの入選はなく秋立ちぬ   (東京都)宮本昭
 九席。
〇   涼風のあとさきになり付いて来ぬ   (愛知県武豊町)堀崎みつ子
 十席。
〇   秋蝶と一緒に上る天主堂   (西海市)前田一草
 十一席。
〇   今朝の秋ビルの間を吹く風も   (熊本市)丸本雄三
 十二席。
〇   秋晴の先の先まで能登の旅   (長野市)縣展子
 今週の大締め。
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今週の「朝日歌壇」より(2018/9/23掲載・そのⅠ)  

〇  ウケグチノホソミオナガノオキナハギという魚知る名も韻もよし  (東京都)大森森美
 永田選の首席。
〇  以前から妻に言いたいことがあるでも言わない方がいい気もする  (稲沢市)山田真人
 次席。
〇  妻よ何が不満掃除機ひつくりかえつたまま引こずつてをり  (竹原市)岡元稔元
 三席。
〇  <ボニータ>と名付けた栗鼠を飼い慣らし膝で餌をやる獄庭の木陰に  (アメリカ)郷隼人
 四席。
〇  君の居た濡れ縁のある下宿屋は仁王門通り鴨川にすぐ  (明石市)高野有
 五席。
〇  心臓を病むとは戦後あの頃の坂をのぼれぬ木炭車のよう  (川崎市)後藤文彰
 六席。
〇  泣くことは体力のいることだった涙を流しけだるいからだ  (堺市)一條智美
 七席。
〇  丁寧に朝食つくり送り出すあとはおのおの頑張りたまえ  (枚方市)東大路エリカ
 八席。
〇  変わらない自分にあきて変われない自分にあきあきしている秋だ  (高岡市)池田典恵
 九席。
〇  音だけで意味を持たない言葉知るああ淀みない首相演説  (神戸市)山田みち子
 末席。
〇  シュロの葉を団扇のように編む父の蠅叩きありき夏の香のせり  (松戸市)猪野富子
 馬場選の首席。
〇  陽も知らぬ被毛はかくも柔きかと林道に死にゐる土竜を撫づる  (さいたま市)伊達裕子
 三席。
〇  あざやかに総括されしわが病名「多臓器不全」再び問はず  (長野市)沓掛喜久男
 四席。
〇  癌知る日溺れる虫を助けやり長生きせよとひとりつぶやく  (アメリカ)大竹博
 五席。
〇  気遣いへ礼を述べれば影のなき笑いを返す若き囚人  (ひたちなか市)十亀弘史
 七席。
〇  蓋が開き立てば流れるトイレには不気味があつて怪談がない  (名古屋市)今出公志
 八席。
〇  賑やかなものみな去りて短調の鳩の鳴き声わたくしの日々  (徳島市)上田由美子
 九席。
〇  浮きドックに午後のきらめき揺りよせていま「はまかぜ」の給油はじまる  (東京都)松本知子
 佐佐木選の首席。
〇  寸止めのやうな一語に会ひたくてまだ視つづける「ちびまる子ちゃん」  (山形県)佐藤幹夫
 次席。
〇  沖縄の課題は国民皆のものどこに住んでもヌチドゥタカラ  (三郷市)吉村薫
 三席。
〇  湯につかり腕ひらくとき定年の勤め上げたる感慨湧けり  (東京都)豊万里
 四席。
〇  北富士の演習場より砲鳴りてガラス戸響く坂のわが町  (富士吉田市)萱沼勝由
 五席。
〇  被災後の再建ならず閉店を告げる葉書がコトリと届く  (大洲市)村上明美
 六席。
〇  暮れなずむ驟雨のたたく参道に速度をあげて秋がきている  (東京都)青木公正
 七席。
〇  山畑に菜殻仕舞ひて佇めばオスプレイ一機夕空に飛ぶ  (秦野市)星光輝
 八席。
〇  リトルリーグ観戦中にニュース告ぐまたフロリダで乱射事件と  (アメリカ)中條喜美子
 九席。
〇  手も足も顔もびたりとくっつけて小さなソファーで読み聞かせする  (所沢市)菱沼志穂
 末席。
〇  四季天気冠婚葬祭喜怒哀楽きっかけあればとりあえず呑む  (東京都)村上ちえ子
 高野選の首席。
〇  雷鳴を恐れる犬に話しかけ背中摩れば安らぐ我も  (島根県)非々玲子
 次席。
〇  パワハラだ!セクハラ!モラハラ!スメハラと言ったところで刑務所の中  (広島市)吉島覚
 三席。
〇  故郷を思うアムロに反日というレッテルを貼るや悲しき  (東京都)三井正夫
 四席。
〇  永き永き未来を自ら絶つまでに命追い込む 学校とは何  (観音寺市)篠原俊則
 五席。
〇  溶けるゆえサンダル置かれぬベランダは無人の地球を予言するよう  (横浜市)森明子
 六席。
〇  最近は回転ドアを見なくなり回し続けた子供もどこへ  (枚方市)久保哲也
 七席。
〇  天井まで風呂場の掃除してゆきぬ盆に帰省の息子と孫は  (磐田市)海山綾子
 八席。
〇  信州の桃送られて暑気ぬける卒寿の夫は教え子ありて  (熊本市)星子満子
 九席。
〇  メメントモリ心にあれど時にまた忘れて今宵遠花火見る  (横浜市)本田豊明
 今週の大締め。

今週の「朝日歌壇」より(2018/9/16掲載・そのⅡ)  

〇  友だちになった当時の親ほどの年齢となりいまも友だち  (堺市)一條智美
 永田選の首席。
     親ほども齢の離れた友が居て吾の母とも昵懇なりき!  鳥羽散歩


〇  この街に名画座ありて髪長き少女とオリビア・ハッセーを観き  (観音寺市)篠原俊則
 永田選の次席。
     飯田橋の名画座なりき髪白きモギリ女の薔薇の刺青  鳥羽散歩


〇  辺野古崎荒ぶる海に嘆きあり命賭したる者の逝きしを  (名護市)玉城光
 永田選の三席。
      成り行きで基地問題に関わりて安倍政権に弓引く翁長!  鳥羽散歩


〇  「スーチー」と今は呼び捨てにしておこうヒロンギァ難民が帰国するまで  (近江八幡市)寺下吉則
 永田選の四席。
     スーチーにスーチーなりの事情あり!例えば軍との腐れ縁とか!  鳥羽散歩

〇  まぼろしの敵に備えてトランプの言うがままなる陸のイージス  (小平市)北川泰三
 永田選の五席。
      幻か夢か現か知らねども秋田に配備のイージス・アショア!  鳥羽散歩


〇  おみなえしの黄にふるるとき黄のこぼれ風はまた知るひとつの別れ  (福島市)美原凍子
 永田選の六席。
      あるほどの白菊手向け遣りぬべし風の便りの樹木希林の死  鳥羽散歩


〇  OB会の幹事をすれば唐突に意地でも行かぬというやつが出る  (東京都)野上卓
 永田選の八席。
      人格の致すところの失敗を今更悔むもまた名幹事!  鳥羽散歩


〇  解体の山寺古き経典に混じりて父の似顔絵の出づ  (さいたま市)齋藤紀子
 永田選の九席。
      似顔絵は開山禅師のそれならむ!髭の辺りは蟲喰ひならむ!  鳥羽散歩


〇  耳の垢抜かむとけんけん跳びはねて友と帰りし陽炎の道  (可児市)前川泰信
 永田選の末席。
     耳の垢煎じて飲むも宜しきか!姓は前川!名は喜平なり!  鳥羽散歩


〇  昭和より駈けて来たような金足農のナイン輝くグランド熱し  (和歌山県)木村召子
 馬場選の首席。
     秋田と言えば上から目線で見ているが!秋田に配備のイージス・アショア!  鳥羽散歩

     
〇  準優勝の楯が農業高校に鎮座し秋田は実りの秋なり  (安中市)鬼形輝雄
 馬場選の次席。
     秋田と言えば上から目線で見ているが!今年も米の値高いぞ秋田!  鳥羽散歩


〇  かんざらしだんごの店に湧水の池あり亀が悠悠泳ぐ  (熊本市)徳丸征子
 馬場選の三席。
     寒晒し.団子の店に寒晒し団子が無くて黍団子在り  鳥羽散歩

〇  HACHIKOと名付けし仔犬を訓練せし囚徒の瞳は輝いており  (アメリカ)郷隼人
 馬場選の四席。
〇  原発の神話が消えたその後にカジノが開くという明るい未来  (ひたちなか市)十亀弘史
 馬場選の五席。
〇  蜻蛉が吾の白髪にきて止まる野菜を積んで一輪車押すに  (伊那市)小林勝幸
 馬場選の六席。
〇  盆終わり「白い天井見て寝る」と百二歳の義母ホームに帰る  (春日部市)川崎康弘
 馬場選の七席。
〇  ベランダの青きあさがお青き鉢一年生の夏休み逝く  (帯広市)小矢みゆき
 馬場選の八席。
〇  青葉木菟虚より出でて片目閉ぢ人間どもを余所に見てゐる  (神奈川県)大久保武
 馬場選の九席。
〇  すすきの穂ほうけていてもおもしろく花瓶のめぐりずっと秋なり  (茅ケ崎市)若林禎子
 馬場選の末席。
〇  めっきりと降客減りて山寺の駅にいつしか秋の風ふく  (仙台市)  沼沢修
 佐佐木選の首席。
〇  外国なのに勝手に飛べる領空がある横田空域オスプレイ十機  (東京都)加固康二
 佐佐木選の次席。
〇  待ち合わせはいつも二人の真ん中の一点にする。一点が在る。  (横浜市)小林瑞枝
 佐佐木選の三席。
〇  「若者は恋と革命ですよ」などめぐり若きと語りたきもの  (大和高田市)森本忠紀
 佐佐木選の四席。
〇  自民党総裁選に浮上して沈没したる正直公正  (熊谷市)内野修
 佐佐木選の五席。
〇  学生にアレクサンドリア図書館の講義終え時空ぐにゃりと戻る  (熊本市)桑原由吏子
 佐佐木選の六席。


〇  ギフチョウの捕獲戒む標識が合併の前の町名のこす  (静岡市)木村徳幸

 「天然記念物・ギフチョウ」の生息地として知られた谷汲村は、岐阜県揖斐郡にかつて在った村であるが、2005年1月31日に揖斐郡内の他五町村と合併し揖斐川町になったので、「ギフチョウの捕獲」禁止の「標識」のみに「合併の前の町(村)名のこす」のでありましょう。
 佐佐木選の七席。

     ギフチョウの捕獲禁止の標識に合併前の村名残る  鳥羽散歩


〇  注ぐよりぴぴと氷の割れゆけばいよよ冷えゆく芋の焼酎  (東金市)山本寒苦

 「注ぐより/ぴぴと氷の/割れ行けば/いよよ冷えゆく/芋の焼酎」とは、韻律がなかなかに宜しい!
  佐佐木選の八席。

    酌むほどにいよよ身体が燃え行くも価格もいよよ極上森伊蔵!  鳥羽散歩


〇  八月の濃き藍色の天狗池水面に逆さの槍ヶ岳あり  (新座市)菊地良治

 埼玉県新座市本多のスーパー銭湯「にいざ温泉」のペンキ画みたいな一首、或いは、昨年の夏の信州観光の宣伝ポスターみたいな一首である。
 作者としては、これで十分な出来栄えではありましょうが、佐佐木幸綱選の入選作としては、観光絵葉書的なレベルを脱した作品であって欲しいところでありましょうか?
 佐佐木選の九席。

     銭湯のペンキ画みたい!天狗池に逆さに映る槍の穂の尖き!  鳥羽散歩


〇  香月のシベリアの絵も原爆の記憶の絵画もみな赤と黒  (石川県)瀧上裕幸

 作中の「香月」とは、彼の有名な「シベリア・シリーズ」を描いた香月康夫画伯を指して言うのであり、そして「原爆の記憶の絵画」とは、丸木位里・俊ご夫妻共作の「原爆の図」を指して言うのでありましょう。
 この両者が一堂に会したのは、2016年17日から11月20日まで平塚市美術館で開かれた、企画展「香月泰男と丸木位里・俊、そして川田喜久治」展であり、本作は、同企画展を鑑賞した記憶に基いて詠んだ一首でありましょうが、作品の出来栄えとしては、佐佐木幸綱選の入選作に相応しいものではありません!
 作者の記憶の根底に在ったのは、「赤と黒」というスタンダール色であり、五句目に「みな赤と黒」を置こうとした結果、一句目から四句目までに「香月のシベリアの絵も原爆の記憶の絵画も」という、ごちゃ混ぜ的な推敲不足の四句を置いたのでありましょう。
 佐佐木選の末席。 

 黒暗し赤なほ昏し!香月描くシベリアシリーズ赤と黒のみ!  鳥羽散歩  

今週の「朝日俳壇」より(2018/9/16掲載・そのⅠ)   筆者野暮用に就き、朝日新聞の紙面より入選句を転載させていただきます。

〇   日の光何やらゆかし九月かな   (福知山市)森井敏行
 長谷川選の首席。
〇   漆掻血の一滴と教へらる   (日立市)川越文鳥
 次席。
〇   退屈も輝いていた夏休み   (国立市)加藤正文
 三席。
〇   持ち上げる地熱もろとも大南瓜   (神戸市)高橋寛
 四席。
〇   水底に沈めし記憶水澄めり   (東大阪市)矢田悠子
 五席。
〇   秋刀魚食ふ貌に自信がありにけり   (川崎市)池田功
 六席。
〇   外に出れば吾も炎天のひと欠片   (長野市)縣展子
 七席。
〇   肉体の残暑すぐには退かず   (新潟市)岩田桂
 八席。
〇   菊酒や聞くまでもなし妻と酌む   (金沢市)前九疑
 九席。
〇   一つこぼれ後はなだれて稲雀   (下関市)内田恒生
 十席。
〇   甲子園静かになりぬ秋の雲   (尼崎市)ひじり純子
 十一席。
〇   八月はさびしき月ぞ西瓜食ふ   (横浜市)佐藤祐一
 十二席。
〇   スイカの葉たがいちがいにせきゆずり   (所沢市)菱沼宥
 十三席。
〇   猫喋る青い火花の揚がるたび   (東京都)竹内宗一郎
 高山選の首席。 
〇   西日消え裾野灯ともす桜島   (鹿児島市)青野迦葉
 次席。
〇   球場の浮塵子となりて応援歌   (川崎市)浅井敦
 三席。
〇   昨日の児昨日と同じ蟬の中   (稲城市)日原正彦
 四席。
〇   天帝の青筋のごと稲光   (越谷市)伊藤とし昭
 五席。
〇   穀倉に家紋現るいなびかり   (日光市)渡辺全朗
 六席。
〇   「考へる人」歩き出す暑さかな   (町田市)山岸壮吉
 七席。
〇   ポンペイにぽつねんとゐる秋日和   (伊賀市)福沢義男
 八席。
〇   秋の夜の十七音の無限かな   (横浜市)池乗恵美子
 九席。
〇   秋風や車夫の夢聞く嵐山   (芦屋市)瀬々英雄
 十席。
〇   新涼や山のやうなる船真白   (下関市)野崎薫
 十一席。
〇   雲を鏡東窓から西日哉   (各務原市)辻美治
 十二席。
〇   思考力蒸発したる残暑かな   (横浜市)小川龍雄
 稲畑選の首席。
〇   台風の橋の長さでありにけり   (静岡市)松村史基
 次席。
〇   露の世の道なき道を明日へと   (大阪市)友井正明
 三席。
〇   何もかも記録ずくめの夏の果つ   (神戸市)森岡喜恵子
 四席。
〇   庭草に沈む宿下駄露涼し   (柏原市)早川水鳥
 五席。
〇   望郷の島見て老いし人の秋   (島根県邑南町)服部康人
 六席。
〇   萩括る萩の雫に袖濡らし   (北海道鹿追町)高橋とも子
 七席。
〇   蟬鳴くや今日が最後の日の如く   (横浜市)渡辺萩風
 八席。
〇   流星や生かされてゐる吾れをふと   (八代市)山下さと子
 九席。
〇   水辺より静かに秋のしのび寄る   (姫路市)上原康子
 十席。
〇   いつまでも若き遺影や夜の秋   (尼崎市)ほりもとちか
 十一席。
〇   八月やホ句生き甲斐に生きて来し   (長崎市)徳永桂子
 十二席。
〇   火星まで届きさうなる揚花火   (田川市)藏本聖子
 十三席。
   

今週の「朝日歌壇」より(2018/9/16掲載・そのⅠ)   筆者通院中に就き、入選作を朝日新聞紙面より転載しておきます。

〇  同病の娘が異国で嘆きをりさくらももこの訃報を知りて  (三島市)渕野里子

 高野選の首席。

〇  句読点改行駆使し迢空の歌はダンスのステップを踏む  (名古屋市)福田万里子

 高野選の次席。

〇  生きている限り被爆者 死の恐怖身に刻みつつ老いを生き抜く  (西海市)原田覚

 高野選の三席。

〇  みずからのにぎにぎかざしじっと見る赤児の眉に漂う哲学  (枚方市)東大路エリカ

 高野選の四席。

〇  とれそうでとれないラムネのビー玉をつついて子らは夏の真ん中  (奈良市)山添聖子

 高野選の五席。

〇  妻の墓訪ふは吾のみにあらず蝶蜂ででむし蜘蛛蛇羚羊  (仙台市)二瓶真

 高野選の六席。

〇  はつ秋の黒部のダムで大いなる虹に逢ひたり観光放水  (越前市)内藤丈子

 高野選の七席。

〇  隠れん坊してゐた「んぼう」が広辞苑第七版の巻末に載る  (ひたちなか市)篠原克彦

 高野選の八席。

〇  遅れてはすぐに追いつく一羽いて六羽と母鴨川遡る  (横浜市)桂田わか子

 高野選の九席。

〇  あおによし奈良判定の理不尽さこの国中に蔓延をする  (松阪市)こやまはつみ

 高野選の末席。

今週の「朝日歌壇」より(2018/9/9掲載・そのⅢ)   筆者通院加療中に就き、ブログの更新を暫時中断させていただきますが、健康回復次第、再度執筆公開致しますので宜しくご承知置き下さい。

〇  町長も署長も客となりにけり渋団扇揺るる父の新盆  (昭島市)篠原優子

 今となっては半世紀以上も昔の話でありますが、私の郷里の北東北の田舎町に於いては、「町長」と「警察署長」と「税務署長」と「駅長」と「地方事務所長」と「県立高校の校長」とが、その町「六長」として尊敬されているとかで、私の兄が、自らの婚礼の際に「町の六長から祝電を貰った」とかで、もの凄く喜び超感激して居りました!
     (生家の恥を曝しているみたいで、全く以って馬鹿馬鹿しい話ではありますが)!
 作者の篠原優子さんが、如何なる意図のもとに斯かる自慢話めいた一首をお詠みになったのかは私には判りませんが、察するに、作中の「父」は、作者の郷里の田舎町の政治の黒幕的な存在であったのでありましょうか!
 それにしても「渋団扇揺るる父の新盆」とは、泣かせますね!
 地方政界の黒幕を父に持ちながらも、歌詠みとしてのプライドと批評精神を辛うじて保持している、本作の作者・篠原優子さんには、<サンデー・モーニング>の張本勲氏から<天晴れシール>を三枚呈上致します!
 永田選の首席。

     新盆に訪れたるは「二長」のみ!ほかの「長」ども怠慢至極!  鳥羽散歩
     町長と署長の二人に天晴シール!その他の「長」ばら喝!喝!喝!


〇  警察のメンツはさて置き二歳児の命救ひしボランティア天晴れ  (長野県)小林正人
 永田選の次席。

〇  不明児を救ひ質問攻めの男武骨な腕に蜻蛉がとまる  (青梅市)山田京子
 永田選の三席。

〇  折れそうになることきつとあつただらう貫きとほして翁長知事逝く  (北九州市)嶋津裕子
 永田選の四席。

〇  乏しかる本土の呼応寂しみて逝きたまいたり法師蟬鳴く  (水戸市)中原千絵子
 永田選の五席。

〇  新幹線つばさがクマと衝突の記事あり気になるクマのダメージ  (取手市)緑川智
 永田選の六席。

〇  来るときと帰りの歩幅違うなり検査済ました妻の後追う  (大牟田市)平野實
 永田選の七席。

〇  八月のひかりが透けてヒグラシはclear-tonedcicadaともいふ  (仙台市)小室寿子
 永田選の八席。

〇  一パック90円の卵手に養鶏業の赤彦想う  (名古屋市)福田万里子
 永田選の九席。

〇  時間とは流れに変化あるらしい締め切り前は急流となる  (村上市)鈴木正芳
 永田選の末席。

〇  特攻を考えた人命じた人飛びたった人残された人  (国立市)加藤正文
 高野選の首席。

〇  甲子園になまはげも馳せ参ぜしや金足農高準優勝す  (埼玉県)小林淳子
 高野選の次席。

〇  福島へ来て観て泊って食べて飲んで正しく理解し安全と伝えて  (いわき市)守岡和之
 高野選の三席。

〇  母としてまだ必要とされていた頃の旅行のビデオに浸る  (福岡市)東深雪
 高野選の四席。

〇  いつしらずジェンダー深く刷り込まれ「働き蟻は雌」にはっとす  (東京都)松本知子
 高野選の五席。

〇  看守らの訓練射撃の音がするもしもの際に我ら撃つため  (アメリカ)郷隼人
 高野選の六席。

〇  火の玉よ落つな落つなよ余命なき母の手に散る線香花火  (さいたま市)伊達裕子
 高野選の七席。

〇  この涼を呼び寄せたのは山鳩か朝のしじまをのどかに鳴けり  (岐阜市)鈴木光男
 高野選の九席。

〇  屁理屈を言う患者さんに屁理屈で返したくなり三つ数える  (東京都)水谷実穂
 高野選の末席。

〇  幼子を見つけしボランティア命を救い得るのは命  (観音寺市)篠原俊則
 佐佐木選の首席。

〇  一糸乱れぬ女踊りの後ろから全部乱れて男踊り来  (川越市)渡邉隆
 佐佐木選の次席。

〇  娘の食事何万回目つくりしか我は母の味知らずに老いて  (仙台市)高橋のり子
 佐佐木選の三席。

〇  豪雨より救出されし玉のやうな岡山の桃もって友くる  (浜松市)松井恵
 佐佐木選の四席。

〇  原潜の前触れもなく入り来る黄砂にけむり小雨ふる中  (西海市)原田覚
 佐佐木選の五席。

〇  赤き椅子二つ並びてわれを待つ草いきれ満つる秘境の駅に  (徳島市)上田由美子
 佐佐木選の六席。

〇  河口なる丸太の杭を占めいるは大抵海鵜なれどたまには鳶も  (舞鶴市)吉富憲治
 佐佐木選の七席。

〇  わが家は坂道の途中郵便も友達来るもエンジンに知る  (江田島市)和田紀元
 佐佐木選の八席。

〇  蒲公英になるはずだったが人間になんか生まれて医師をしている。  (いわき市)馬目弘平
 佐佐木選の九席。

〇  パチャパチャと雨の地面にはねるごと高校生のダンスはじける  (横浜市)増井まこと
 佐佐木選の末席。

今週の「朝日歌壇」より(2018/9/9掲載・そのⅣ)    筆者通院加療中の為に、ブログ更新中断させていただきます。                                          見られても恥ずかしくないツラ提げてるか?ウマヅラハギのそっくりさんか!

〇  半身を穴に隠して吾を見る渚近くの砂蟹二千  (いわき市)馬目弘平

 「渚」とは、「海の砂浜から波打ち際までに至るまでの広い砂地」のこと。
 従って、本作の4句目を殊更に「渚近くの」とする必要はありません。
 察するに、作者の馬目弘平さんは、「渚の」とした場合の四句目の字足らずを避けるために「近く」という不要な形容詞を入れたのでありましょう。
 また、「砂蟹二千」は概数でありましょうが、波打ち際一杯に棲息していて、「半身を穴に隠し」つつも辺りの様子を窺っている「砂蟹」の多さを想像させるに十分な表現でありましょう。
 馬場選の首席。

     半身を穴に隠して汝を見る目玉キョロキョロ砂蟹二千!  鳥羽散歩
     見られても恥ずかしくないツラ提げてるか?ウマヅラハギのそっくりさんか!


〇  山を捨て夫捨て子捨て友を捨て母看る郷里の遠き青空  (宇佐市)奥本眞弓

 「郷里」に「さと」とのふりがなを振るのは無謀にして且つ乱暴!
 また、初句の「山を捨て」は、具体性が欲しい場面である!
 本作の作者・奥本眞弓さんは登山家なのか?
 それとも当世流行の<山ガール>なのか?
 或いは、山林地主の跡取り娘なのかもしれませんが、その孰れにしても少しく弱い!
 馬場選の次席。

     名を捨てて子捨て妻捨て家を捨て山籠りなどしたくなる吾  鳥羽散歩
     

〇  名を呼びて山道のぼる尾畠さん棒もて藪を突く警察  (長野市)原田浩生

 「棒もて藪を突く警察」とは、あんまりの言い条!
 仮にそれが事実だとしても、警察官の本務は組織防衛であるとか?
 だとしたら、「棒もて藪を突く警察」などと仰る原田浩生さんは、組織防衛を本務とする警察組織に邪魔立てするものとして粛清されるかも知れません。
 原田浩生さんよ、ゆめゆめ油断召されること勿れ!
 馬場選の三席。

     怖い!怖い!警察組織の祟りが怖い!尾畠春夫氏ご注意肝要!  鳥羽散歩


〇  マンデラを超える長きを獄舎にて星野文昭無実を叫ぶ  (韮崎市)宮澤繁子

 作中の「マンデラ」とは、「ネルソン・マンデラ。若くして反アパルトヘイト運動に身を投じ、1964年に国家反逆罪で終身刑の判決を受ける。27年間に及ぶ獄中生活の後、1990年に釈放される。翌1991年にアフリカ民族会議(ANC)の議長に就任。デクラークと共にアパルトヘイト撤廃に尽力し、1993年にノーベル平和賞を受賞。1994年、南アフリカ初の全人種参加選挙を経て大統領に就任。民族和解・協調政策を進め、経済政策として復興開発計画(RDP)を実施した」とか。
 渋谷暴動事件の容疑者として逮捕され、無期懲役刑という極刑を下された「星野文昭さん」は、1983年以来、32年間に亘って獄舎に身を置きながらも、自らの「無実を叫ぶ」のである!
 ところで、本作の作者の宮澤繁子さんは、「星野文昭さんを取り戻す会」の会員でありましょうか?
 馬場選の四席。

      日本のネルソン・マンデラこと星野さん!彼は果たして冤罪なのか?  鳥羽散歩
      わたしには真偽の程は判りません?星野受刑者冤罪なのか?


〇  山羊の耳うすくれなゐの山の秋学童疎開で山羊の乳飲む  (国分寺市)越前春生

 東京都下・国分寺市にお住いの越前春生さんよ!
 あなたが「学童疎開で山羊の乳飲む」事が出来たのは、あの時代の食糧事情を考えると、極めて幸運だったんですよ!
 馬場選の五席。

     馬場氏また山羊のお乳を飲み得たる幸運至極の乙女なりにき!  鳥羽散歩


〇  おおむらさきの食樹でありし蝦夷榎伐られてさびし故郷の寺  (仙台市)沼沢修

 作中の「蝦夷榎」とは、「ニレ科の落葉高木。エノキに似るが葉の縁にはほぼ全体にとがる鋸歯があり、果柄はより長く、長さ2~2.5センチメートルあり、果実は熟すと黒色となる。北海道南西部、本州、四国、九州の山地に生え、朝鮮の済州島にも分布する。材は柔らかく家具材とする。国蝶・オオムラサキの食草でもあり、社や寺の境内に植えられているものも多く、古来より民間信仰と結びつき、御神木や縁起木として尊重されたり、また、村境や一里塚の標識木として用いられてきた」とか!
 作中の「(蝦夷榎が伐られてさびしい)故郷の寺」とは、何処の地に在る「寺」でありましょうか?
 もし、差支えが無かったら、その地名や山号などを私・鳥羽散歩に教えて下さい!
 馬場選の六席。

     黒蝶のオオムラサキに好かれても坊主に好かれぬ蝦夷榎かも!  鳥羽散歩


〇  緑なす屋上階に涼もとむ 見て見て銀座にもシオカラがいる  (滝沢市)菅原宰

 「シオカラ」という言い方に疑義あり!
 「シオカラトンボ」と正式名称で言えるように推敲しましょう。
 馬場選の九席。

    屋上に塩辛蜻蛉が飛んでいる!見て見てふるさと!銀座のビルも!  鳥羽散歩


〇  鯖の背の縞目の黒の色冴えて始まるばかりの八月は秋  (フランス)松浦のぶこ

 「始まるばかりの八月は秋」という下の二句の文意が不明瞭である?
 馬場選の末席。

      鯖高し!鯛も鰯も高過ぎて!魚食えない秋は来にけり!  鳥羽散歩

古本を読む(『恋うたの現在』日本近代文学館・編)

〇  肩寄せて樹立のなかを遠く来つとめどなく夜の雨降りゐたり   来嶋靖生
〇  遠く来て光とぼしきこの道に風のすずしとひとは言ひたり
〇  洗はるるつぶら枇杷の実つめたきを両掌にうくる手のかなしさや   篠弘
〇  つくえの灯ともさむとして撫肩のやはらかなりしを今思ひ出づ
〇  梢たかく辛夷の花芽ひかり放ちまだ見ぬ乳房われは恋ふるも  小野興二郎
〇  春となる日を待つ汝かぬるみゆく水を言ふとき髪のひかりぬ
〇  埃いろに疲れて来るにやさしくてちんぐるま咲く君のはがきに  大滝貞一
〇  雪の夜を別れ来ぬれば紀の国の黄金のみかんを恋ひわたるべし  松坂弘
〇  抱きしめたき思ひに耐へて葉漏日のゆるるうなじを見つつゐにけり  杜澤光一郎
〇  のどの反り踵のふくらみ思ひいづるなべては躰の若き片々  春日井建
〇  はまゆふのそよがぬ闇に汝を抱き盗人のごと汗ばみにけり  高野公彦
〇  子を生みてうつろなひとみアネモネのむらさきいろよりさらにさらに恋ほしき  加藤克巳
〇  君折りし小梨の花の白々と緑は浅き五月の山々  武川忠一
〇  をみなごに花びら流れとうたはれしあはれ達治のをみなごぞ君  岩田正
〇  夢のなかといへども髪をふりみだし人を追ひゐきながく忘れず  大西民子
〇  虹消えてふたたびひろき空のもとありありとわれの失ひしもの  春日真木子
〇  邂逅を遂げたる夢の腕のなかに光となりてわれはひろがる  山本かね子
〇  恋しきもの遠くにおきて来たりけりともしびは春の川面にうつる  馬場あき子
〇  朝の階のぼるとっさに抱かれき桃の缶詰かかえたるまま  川口美根子
〇  身を刺すは若葉のしづく木菟のこゑいま抱かれなばにほひたつべし  藤井常世
〇  愛うすくなりつつ旅をつづけ来て支線分るる駅に別れき  高嶋健一
〇  われよりもしずかに眠るその胸にテニスボールをころがしてみる  梅内美嘉子
〇  君よりのただ一枚の絵葉書の霞める街をひき出しに持つ  横山未来子

今週の「朝日俳壇」より(2018/8/26掲載・そのⅢ)   楓葉荻花秋瑟瑟!           これ以上脱げぬまで脱ぐロック座の俎板ショーの小向美奈子

〇   風もまた侵されてゐる暑さかな   (静岡市)松村史基

 「風」は、単なる「空気の流れ」であり、或いは「流れる空気そのもの」なのである。 
 私たち人間は、<熱風>だとか<暴風>だとか<豪風(人相の良くない十両力士の四股名ではありません)>だとかと言って、「風」が恰も自然災害を齎す仕掛人であるが如くに思っているのでありますが、「風」は何も自ら好き好んで熱風や暴風になっているのではありません!
  「風」は太陽光線や気圧との関りで、自らは好まざるにも関わらず、已む無く<熱風.>になったり、<暴風>になったりしているのであり、言わば、「風もまた侵されている」存在なのであります。
 発見の一句であり、気付き・認識の一句でありましょう! 
 長谷川選の首席。

     風もまた侵されちゃった!<フォークデュオ・風>の人気も雲散霧消!  鳥羽散歩


〇   雷となり戻り来よ翁長知事   (沼津市)石川義倫

 成り行き上、致し方なしに深入りしてしまった辺野古移設問題であったのかも.知れません!
 だとしたら、故・翁長知事が菅原道真並みに雷となって安倍政権を崩壊に導く惧れはありません!
 長谷川選の次席。

     恐るべき猛暑・颱風また地震!翁長雄志氏即身成仏!  鳥羽散歩


〇   俳句の戸開ければ又戸青芒   (仙台市)柿坂伸子

 『俳句の戸開ければ又戸」とは、斯道を極める事の難しさを言うと共に、一句の奥行きの深さと豊かさを言ったものでありましょう。
 下五の「青芒」の茫茫とした感じと相俟って極めて効果的な表現である。
 長谷川選の三席。

      憎しみが齎す別の憎しみを憎しみ捨てて姑愛せ  鳥羽散歩


〇   敗戦日炎の中の乳母車   (藤沢市)前田なみき

 あの日、憎しみの炎と共に炎上して行った「乳母車」の愛しさよ!
 そうです!
 私たち日本人は二度と再び戦争の仕掛人となってはなりません!
 アメリカにコントロールされたイージス・アショア>の抑止力などに期待してはなりません!(なん茶ったりしてね!)
 長谷川選の四席。

    燃えて行け!記憶の中の乳母車!生母夭折兄弟離散!  鳥羽散歩

     
〇   数学の金魚とならば話せる子   (神戸市)藤井啓子

 「授業より金魚にばかり目がゆく子」は、八月十九日掲載の朝日歌壇・稲畑汀子選の九席入選作である。
 件の「金魚にばかり目がゆく子」は、「金魚とならば話せる子」なのでありましょうか!
 本句の作者・神戸市にお住いの数学教師・藤井啓子さんは、数学の授業に集中出来ない生徒に注ぐ温かい眼差しが感じられる一首である。
 長谷川選の五席。

      数学の出来ない生徒は捨て措こう!<いきものががり>にさせたら宜し!


〇   極暑いま人揺れながら近づき来   (玉野市)勝村博

 燃え盛る焔の如く揺曳する真夏の太陽光!
 その太陽光を身に浴びて足下も定まらないままに我に近づいて来る一人の人物!
 その人物こそは、金沢市笠市町の<浄土真宗本願寺派照円寺>収蔵の「地獄極楽絵図」に描かれている亡者を髣髴とさせるのでありましょうか!
 「人揺れながら近づき来」とは、如何にも「極暑」の真昼間らしい感じである。
 長谷川選の六席。

      近づけば直ぐまた逃ぐる水なれば単車飛ばして追い掛けにけり  鳥羽散歩


〇   これ以上脱げぬ暑さとなりにけり   (横浜市)山田知明

 「これ以上脱げぬ暑さとなりにけり」とは、「脱ぎ尽して充分」と言うよりも「言い尽して充分」な一句でありましょう。
 長谷川選の七席。

      これ以上脱げぬまで脱ぐロック座の俎板ショーの小向美奈子  鳥羽散歩


〇   八月の峠を知らぬ暑さかな   (豊岡市)山田耕治

 でも、もう既に峠を越えて、これからは寒くなって行くばかりですから、冬支度わしなければなりません。
 長谷川選の八席。

     猛暑日の峠見えたり昨夜の風!楓葉荻花秋瑟瑟と!  鳥羽散歩


〇   焼かれゐる列島に秋立ちにけり   (高知市)和田和子

 今年の日本の夏こそは、まさしく「「焼かれゐる列島」と謂うに相応しい猛暑日続きでありました。
 その日本列島に秋が訪れたと思ったのも束の間、台風禍に続いての震災、一体全体、我が日本国は如何なって行くのでありましょうか!
 長谷川選の九席。

     秋立ちぬ颱風吹き荒れ地震揺る安倍氏三選挙党体制!


〇   秋暑きこと東京に来て思ふ   (島根県邑南町)服部康人

 必ずしも「東京に来て思う」とばかりは言えません!
 今年の秋は、北の稚内から南の.鹿児島まで未だ暑さ続きである。
 ところで、本句の作者がお住いの島根県邑南町の八月の平均最高気温は、摂氏30.1度。
 江の川の流域であり、日本海に面しているだけに、東京よりは少し涼しいのかも知れません!
 長谷川選の十席。

     三江線・宇都井駅の構内で拾った子犬の名は勘左衛門!  鳥羽散歩   


〇   兄らしく一年生の夏休み   (横浜市)松井さだ

 この泣き虫の長男が生意気にも「一年生」になり、しかも世間並みに「夏休み」を過ごしているとは、祖母の松井さださんとしてはとても信じられないのでありましょう!
 長谷川選の十一席。

     兄らしく絵日記なんか.付けちゃって祖母の私は信じらんない!  鳥羽散歩


〇   炎昼の日の斑にまぎれ蝶ひとつ   (東京都)南出富美子

 「日の斑にまぎれ」とは、苦し紛れの表現なのかも知れません!
 長谷川選の十二席。

     厚真町はだらはだらに崖崩れ家も田圃も空しくなりつ  鳥羽散歩


〇   一ケ月投稿を休む夏休み   (長岡京市)寺嶋三郎

 「投稿しても一ケ月間入選せず!」、是を称して「一ケ月投稿を休む夏休み」とは、何という苦しい言い訳でありましょうか?
 長谷川選の末席。

     一ケ月投稿休んで吟行す!収穫沢山この秋見もの!  鳥羽散歩  

今週の「朝日俳壇」より(2018/8/26掲載・そのⅡ)    三訂版公開!                  綺羅星の一つなりしに堕ち零れ冬の田圃の案山子になりつ!

〇   子ら帰り櫟に戻す兜虫   (鹿児島市)青野迦葉

 「戻す」の一語に着目せよ!
 「戻す」とは、「そのものが本来在るべき場所に還す」という事であり、作中の「兜虫」にとっては、櫟林が本来の在るべき場所であったから、作者は、櫟林から掴まえて来て、帰省中の「子ら」が弄んだ兜虫を、夏休みが終わって、都会の自宅に「子ら」が帰った後、件の兜虫を兜虫本来の在るべき場所である櫟林に戻したのでありましょう。
 稲畑選の首席。

    クワガタは櫟林に戻したり!子らも戻りて一人ぼっちに!  鳥羽散歩
    児に戻り櫟林の甲虫捕まへむとて駄々をこねたり!


〇   穏やかなけふの川面や原爆忌   (大阪市)酒井湧水

 あの日、血と汗と脂と泥と憎しみとで黒々と染まっていた元安川の川面が、あれから七十年余り過ぎた原爆忌の今日は、波ひとつ立たず、涼やかで穏やかな表情を浮かべている事の不思議さよ!
 稲畑選の次席。

     本川に元安川に天満川!広島市内を流れる川の名!  鳥羽散歩

     

〇   木陰には木陰の暑さありにけり   (岡山県早島町)富阪宏己

 今年の夏は何処に潜り込んでも猛暑から逃れる事が出来ませんでした。
 特に私の場合は、体質的にクーラーの風に当たるのが嫌いなのでどうしようもありませんでした。
 さんざん困った挙句に、木陰なら少しはましかと思って、わざわざ<ふれあいの森公園>まで足を運んで、桜並木の木陰に潜り込んでみたのですが、「木陰には木陰」なりの事情があると思われて、暑さに弱い私を暑さから解放してくれませんでした。
 私ってなんて浅はかなんでしょうね!
 そんな私を見て、あなたならどう思いますか?
 稲畑選の三席。

     トランプにトランプなりの計算が有ると思はれ咆哮したり!  鳥羽散歩


〇   氷菓溶けつつ考へのまとまらず   (富津市)三枝かずを

 この夏の暑さの中では、どんな考えもなかなか纏まりませんね!
 特に「明日の富津市政は如何にあるべきか?」などという難問題は、到底解決が付くわけはありませんよ!
 そうそう、たった今気が付いたのですが、私たちがそんな事で苦慮している間にも<ガリガリ君リッチ>は溶けて行くばかりなんですよ!
 稲畑選の四席。

     氷菓には氷菓なりの訳有りてガリガリ君は溶け行くばかり  鳥羽散歩


〇   黒土を掬ふ球児の背に晩夏   (神戸市)池田雅かず

 毎年の夏の甲子園で繰り返される、あの醜い光景はどうにかなりませんですかね!
 とにかく、負けた学校の数だけあの光景が展開されるんですよ!
 球場開設当時からしばらくの間は、淡路島から黒土を運んできたりして補給していたそうですけれど、この頃は、中国の福建省から砂を輸入してブレンドしたりしているって話もありますよ!
 決勝戦まで行って負けた、秋田の金足農業高校の選手が、中国の福建省の砂を手土産にして秋田に帰ったとしたら、選手たちは東北中の笑い者にされるんじゃないですか!
 一昨日の韓国戦で先発した吉田君が韓国の四番打者にスリーランホーマーを打たれて恥をかきましたが、きっと福建省の砂の所為かも知れませんよ!
 稲畑選の五席。

     吉田とていつも速球投げられぬ!負けたからとて恥にはならぬ!  鳥羽散歩
 件の吉田投手は、第一次予選の韓国戦に続いて、第二次予選の台湾戦でも乱打されて敗戦投手となりました!
 これで、彼のドラフト一位は雲散霧消してしまいました!
 それにしても「やはり野におけ蓮華草」とはよく言ったものですね!


〇   生身魂過去も未来も無く現   (芦屋市)奥田好子

 そうです!
 「生身魂」に限らず、私たち人間には「過去も未来も無く」て現実だけが全てなんですよ!
 稲畑選の六席。

     ガツガツと生を貪る生身魂!靖国神社も相手にしません!  鳥羽散歩


〇   籐椅子や話上手にもてなされ   (西宮市)黒田國義

 そうそう、「籐椅子」と言えば、我が家にも今から三十数年ほど前に、柿の木坂の<マダムロタン>で買い求めた籐椅子四脚とそれとセットになったテーブルが有ったんですけど、それも度々の引っ越しで何処かに棄てて来たのかしらん?
 稲畑選の七席。

     籐椅子は生家の兄が持って行き甥が今でも使っているぞ!


〇   三十年ぶりの再会踊の夜   (徳島県松茂町)奥村里

「踊の夜」と言っても、その昔の<鹿鳴館のダンスパーティー>みたいなハイカラな踊りでは無くて、徳島県の松茂町に相応しく、役場の前の空き地に櫓を組んで毎年遣っている盆踊りなんですよ!
 その盆踊りの晩に、私は昔の彼と再会したんですが、お互いに皺苦茶婆と皺苦茶爺になってしまって居て、バッチリ.顔を合わせても分からなかったんですよ!
 <歳月の流れ>って奴は、ほんとに空しいものですね.!.
 稲畑選の八席。

     だからとて嬉しくない訳ありません!一夜抱かれて燃え尽くしたの!  鳥羽散歩
     奥村の里といふ名の後家にして送り火焚いてしとどに濡れつ!


〇   その中の一つ大きな流れ星   (伊万里市)田中南嶽

 「その中の一つ」が、謎めいて居てなかなか宜しいではありませんか!
 田中南嶽さんよ、貴方もなかなか遣りますね!
 稲畑選の九席。

     綺羅星の一つであったが落ちぶれて今は空き田で知事やってます!  鳥羽散歩
     綺羅星の大名なりしもおだてられ今は空き田の公僕である!
     その裡にきつと篭絡されぬべし!<イージス・アショア>を配置されます!


〇   助つ人は同級生や藺草刈る   (八代市)山下接穂

 「助つ人は同級生」とあらば百人力でありましょう!
 五反歩程度の「藺草」なら朝草刈りなみに朝飯前に刈り終えられますよ!
 稲畑選の十席。

     藺草刈る朝飯前に刈り終えぬ同級生が助つ人だから!  鳥羽散歩


〇   神苑や風を涼しく手入れして   (西宮市)児山綸子

 西宮市の「神苑」と言えば、阪神タイガースが毎年優勝祈願する、あの廣田神社の「神苑」である。
 廣田神社の神苑には「約二万平方メートルに亘るコバノミツバツツジの群落が在り、約二万株のコバノミツバツツジが十数ヶ所に区分されて植えられていて、兵庫県指定の天然記念物として手厚く保護されている」とか!
 本句は、件の「コバノミツバツツジの群落」の下草刈り風景に取材した作品でありましょう。
 コバノミツバツツジの群落は、ただ単に植えて放りっ放しにおけば、毎年五月の「紫雲の眺望」が現出する訳ではありません。
 花の時期が終れば、「お礼肥え」と称して化学肥料を遣らなければなりませんし、水遣り、消毒、下草刈りと、その手間の掛かること掛かること、元旦から大晦日まで参拝者が列を成し、しかも、講中組織のしっかりした廣田神社で無くては出来ない程、大変な手間が掛かりますよ!
 稲畑選の十一席。

     下草を刈れば刈るほど精が付き五月半ばは見事な花雲!  鳥羽散歩


〇   手花火や火星近づく宙の下   (倉敷市)虫明かつえ

 「火星近づく宙の下」の「手花火」とは、大きく出たもんですね!
 地球に徐々に接近して来て、そのうち衝突するかも知れない「火星」に怯えつつの「手花火」とは!!!☆彡☆彡☆彡☆彡★!
 稲畑選の十二席。

     手花火や姉妹燃え行くパチパチと   鳥羽散歩


〇   花氷花のつぶやき聞こえさう   (神戸市)岩水ひとみ 

   「冷た過ぎる」と呟くかしら!
 稲畑選の末席。

      花氷花のつぶやき聞こえたら招待客が驚くだろう!  鳥羽散歩     

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