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archive: 2018年09月

今週の「朝日俳壇」より(2018/9/23掲載・そのⅠ)    

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〇   東京は隈なく灯り震災忌   (町田市)枝澤聖文 平成三十年一月一日現在の東京都の人口総数は13,754,059人であるが、その一千四百万都市である東京に於いては、夜ともなれば、湾岸から武蔵野台地、多摩丘陵の奥まで隈なく赤い灯、青い灯の電飾で彩られているのである。 本作は、その東京都内の夜間の電飾の明るさを、9月1日の震災記念日の迎え火に例えているのである。 高山選の首席。     迎え火は東京スカイツリ...

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今週の「朝日歌壇」より(2018/9/23掲載・そのⅠ)  

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〇  ウケグチノホソミオナガノオキナハギという魚知る名も韻もよし  (東京都)大森森美 永田選の首席。〇  以前から妻に言いたいことがあるでも言わない方がいい気もする  (稲沢市)山田真人 次席。〇  妻よ何が不満掃除機ひつくりかえつたまま引こずつてをり  (竹原市)岡元稔元 三席。〇  <ボニータ>と名付けた栗鼠を飼い慣らし膝で餌をやる獄庭の木陰に  (アメリカ)郷隼人 四席。〇  君の居た濡れ縁のある...

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今週の「朝日歌壇」より(2018/9/16掲載・そのⅡ)  

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〇  友だちになった当時の親ほどの年齢となりいまも友だち  (堺市)一條智美  永田選の首席。     親ほども齢の離れた友が居て吾の母とも昵懇なりき!  鳥羽散歩〇  この街に名画座ありて髪長き少女とオリビア・ハッセーを観き  (観音寺市)篠原俊則 永田選の次席。     飯田橋の名画座なりき髪白きモギリ女の薔薇の刺青  鳥羽散歩〇  辺野古崎荒ぶる海に嘆きあり命賭したる者の逝きしを  (名護市)玉...

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今週の「朝日俳壇」より(2018/9/16掲載・そのⅠ)   筆者野暮用に就き、朝日新聞の紙面より入選句を転載させていただきます。

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〇   日の光何やらゆかし九月かな   (福知山市)森井敏行 長谷川選の首席。〇   漆掻血の一滴と教へらる   (日立市)川越文鳥 次席。〇   退屈も輝いていた夏休み   (国立市)加藤正文 三席。〇   持ち上げる地熱もろとも大南瓜   (神戸市)高橋寛 四席。〇   水底に沈めし記憶水澄めり   (東大阪市)矢田悠子 五席。〇   秋刀魚食ふ貌に自信がありにけり   (川崎市)池田功 六席。〇   外...

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今週の「朝日歌壇」より(2018/9/16掲載・そのⅠ)   筆者通院中に就き、入選作を朝日新聞紙面より転載しておきます。

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〇  同病の娘が異国で嘆きをりさくらももこの訃報を知りて  (三島市)渕野里子 高野選の首席。〇  句読点改行駆使し迢空の歌はダンスのステップを踏む  (名古屋市)福田万里子 高野選の次席。〇  生きている限り被爆者 死の恐怖身に刻みつつ老いを生き抜く  (西海市)原田覚 高野選の三席。〇  みずからのにぎにぎかざしじっと見る赤児の眉に漂う哲学  (枚方市)東大路エリカ 高野選の四席。〇  とれそ...

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今週の「朝日歌壇」より(2018/9/9掲載・そのⅢ)   筆者通院加療中に就き、ブログの更新を暫時中断させていただきますが、健康回復次第、再度執筆公開致しますので宜しくご承知置き下さい。

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〇  町長も署長も客となりにけり渋団扇揺るる父の新盆  (昭島市)篠原優子 今となっては半世紀以上も昔の話でありますが、私の郷里の北東北の田舎町に於いては、「町長」と「警察署長」と「税務署長」と「駅長」と「地方事務所長」と「県立高校の校長」とが、その町「六長」として尊敬されているとかで、私の兄が、自らの婚礼の際に「町の六長から祝電を貰った」とかで、もの凄く喜び超感激して居りました!     (生家の...

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今週の「朝日歌壇」より(2018/9/9掲載・そのⅣ)    筆者通院加療中の為に、ブログ更新中断させていただきます。                                          見られても恥ずかしくないツラ提げてるか?ウマヅラハギのそっくりさんか!

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〇  半身を穴に隠して吾を見る渚近くの砂蟹二千  (いわき市)馬目弘平 「渚」とは、「海の砂浜から波打ち際までに至るまでの広い砂地」のこと。 従って、本作の4句目を殊更に「渚近くの」とする必要はありません。 察するに、作者の馬目弘平さんは、「渚の」とした場合の四句目の字足らずを避けるために「近く」という不要な形容詞を入れたのでありましょう。 また、「砂蟹二千」は概数でありましょうが、波打ち際一杯に棲...

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古本を読む(『恋うたの現在』日本近代文学館・編)

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〇  肩寄せて樹立のなかを遠く来つとめどなく夜の雨降りゐたり   来嶋靖生〇  遠く来て光とぼしきこの道に風のすずしとひとは言ひたり〇  洗はるるつぶら枇杷の実つめたきを両掌にうくる手のかなしさや   篠弘〇  つくえの灯ともさむとして撫肩のやはらかなりしを今思ひ出づ〇  梢たかく辛夷の花芽ひかり放ちまだ見ぬ乳房われは恋ふるも  小野興二郎〇  春となる日を待つ汝かぬるみゆく水を言ふとき髪のひかり...

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今週の「朝日俳壇」より(2018/8/26掲載・そのⅢ)   楓葉荻花秋瑟瑟!           これ以上脱げぬまで脱ぐロック座の俎板ショーの小向美奈子

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〇   風もまた侵されてゐる暑さかな   (静岡市)松村史基 「風」は、単なる「空気の流れ」であり、或いは「流れる空気そのもの」なのである。  私たち人間は、<熱風>だとか<暴風>だとか<豪風(人相の良くない十両力士の四股名ではありません)>だとかと言って、「風」が恰も自然災害を齎す仕掛人であるが如くに思っているのでありますが、「風」は何も自ら好き好んで熱風や暴風になっているのではありません!   ...

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今週の「朝日俳壇」より(2018/8/26掲載・そのⅡ)    三訂版公開!                  綺羅星の一つなりしに堕ち零れ冬の田圃の案山子になりつ!

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〇   子ら帰り櫟に戻す兜虫   (鹿児島市)青野迦葉  「戻す」の一語に着目せよ! 「戻す」とは、「そのものが本来在るべき場所に還す」という事であり、作中の「兜虫」にとっては、櫟林が本来の在るべき場所であったから、作者は、櫟林から掴まえて来て、帰省中の「子ら」が弄んだ兜虫を、夏休みが終わって、都会の自宅に「子ら」が帰った後、件の兜虫を兜虫本来の在るべき場所である櫟林に戻したのでありましょう。 稲畑...

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