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詩歌句誌面

読解なくして論評あらず。

今週の「朝日俳壇」より(2018/11/25掲載・大串章選)    身体の調子が良かったもんだから書き始めましたが、もう眠くなりましたから眠りますが、七時過ぎに目覚めましたから、また書き始めます! 

○   鷹浮かぶ空に大書を描くごと   (東京都)高木秋尾

 「大書」とは、「文字などを大きく書くこと。また、文意を誇張して書くこと。」とか!
 秋の大空に鷹が弧を描いて飛び浮かんでいる有様は、恰も、「巨大なる和紙に巨大なる文字を墨書するが如し」との文意ならむ!
 首席。
      鷹ならぬ鳶にあぶらげ攫われて嬶も無くした元貴乃花!  鳥羽散歩
 「鳶」とは誰か?
 鳶とは、例えば、元貴乃花一門から理事選に立候補して当選し、初当選ながら<審判部長>という重職を担う事になり、その評判も上々の<元・和製ウルフ関>ではありませんか?
 「誰である」とは、特定してその親方の名前を挙げるような野暮な事はしたくありませんけれど!


○   戦死者の本音聞きたし虫の声   (伊丹市)宮川一樹

 夜長の秋を鳴き侘びる「虫の声」を耳にするに付けても、<大東亜戦争>ならぬ<アジア諸国への帝国主義的な侵略戦争>で亡くなられた方々の「本音」を聞きたいと思っていらっしゃる、本句の作者・宮川一樹さんでありましょうか!
 次席。
     本音なら「死にたくない!」と言ったはず!「天皇陛下バンザイ!」は嘘!  鳥羽散歩
     本音なら「お母さん!」と叫んだはず!「天皇陛下バンザイ!」は嘘!
 「帝国主義的欧米先進諸国を追随せんとして、同胞たるアジア諸国への侵略戦争」をおっ始めた我が国の陸・海軍は、実のところは「お母さん、助けて!」と叫んだり、「死ぬのが怖い!」と言ったりして死んだ名も無い兵士を、「爆弾三勇士」だとか、「『天皇陛下バンザイ!』と叫んで敵軍・戦車の前に身を投じた軍神」などという虚偽の衣を着せて、国民総員を否が応でも戦線に駆り立てるが如き雰囲気造りをしたのである!
     今更に本音を聴けるはずもなし!本音の言える国を造ろう!  鳥羽散歩


○   白鳥の一陣七羽来たりけり   (倉吉市)尾崎槙雄

 「一陣」として飛来した「白鳥」の数が「七羽」では、尾崎槙雄さんがお住いの鳥取県倉吉市の冬景色はあまりにも淋し過ぎはしませんか!
 これから、明日は三十羽、明後日は五十羽、と続々と飛んで来るのならばまだしも、七羽だけでは「白鳥の来る街・倉吉!暴力団の来ない街・倉吉」との金看板を外さなければならなくなりますからね!
 ところで、白鳥の飛来地として知られているのは、新潟県の瓢湖を肇とした、北国の河川や沼や湖であり、鳥取県の倉吉市に白鳥が飛来する湖沼が在るとは、これまでの私は、寡聞にして存じ上げませんでしたし、インターネットで検索してもヒットしませんでした!
 然し乍ら、この度、尾崎槇雄さんがこうした内容の一句を詠まれて、それが朝日俳壇の紙面に掲載されているのですから、鳥取県内にも、白鳥の飛来地として知られた湖沼が間違いなく存在するものと思われます!
 でも、地元の人々が白鳥が飛来する湖沼として自慢している湖沼が、インターネットで検索してもなかなかヒットしないとは、極めて残念な事であり、それに関わった、私・鳥羽散歩としても淋しい気持ちがするのである!
 三席。
     一抹の哀れを催す物語!白鳥の数少なき倉吉!  鳥羽散歩
 そうそう、たった今、気が付いたのでありますが、「白鳥の来る街!暴力団の来ない街!」を金看板にしているのは、鳥取県の倉吉市では無くて、秋田県横手市の十文字地区でありました!
 こうした間違いを犯したのは、私・鳥羽散歩が認知症気味になっている何よりの証拠であり、これからは充分にその事を自覚して事に当たりますから、関係者の皆様方は、こうした私を哀れみ下さると共に、何卒、お許し下さいませませ!
     一抹の哀れを催す告白譚!鳥羽散歩はもはや老耄!  鳥羽散歩


○   汚染土の墳墓の如く山眠る   (福島県伊達市)佐藤茂

 こうした内容の作品を読むに付けても思われるのでありますが、東電福島原発メルトダウン事故の被災地(の最寄り地)である、福島県伊達市にお住まいの方が、「汚染土の墳墓の如く山眠る」などと謂う、一見すると、「何か格別に目新しい事を詠んでいるようにも思われる作品」をお詠みになられるのは、被災者自らが被災者である自らを食い物にしているような感じであり、私・鳥羽散歩としては、とても真面な気持ちで読む気にはなりません!
 本句の作者の佐藤茂さんとしては、「何か気の利いた事を詠んで朝日俳壇に入選してやろう」という気持ちで一杯なのでありましょうが、あれから七年余りの歳月が経過した今日、そろそろ「被災地題材」の俳句や短歌を詠むのは、止めたら如何でありましょうか!
 安倍総理の相も変わらない、ぬらりくらりとした政治姿勢が、国民の一方から支持され、原発再稼働の必要性が経済界や政界から叫ばれている今日であって見れば、「東電福島原発メルトダウン事故への反省姿勢の風化」は、確かに大問題でありましょう!
 大問題ではありましょうけれども、でも、でも、………………!
 四席。
     来たるべき参院選で勝てば佳し!捻じれ国会再現しよう!  鳥羽散歩


○   被爆地の鮮やかに散るもみぢかな   (長崎市)田中正和

 「長崎が被爆地である!」事は確かな事実であり!
 こうした悲惨な事実は、決して忘れたりしてはならない、風化させたりしてはならない、歴史的な事実ではありますが!
 でも、ても、長崎にお住いの作者が、「被爆地・長崎」を売り物にするような内容の一句をお詠みになられる姿勢には、私・鳥羽散歩は、必ずしも讃嘆するものではありません!
 五席。
     今更に<被爆地題材>何になる!俳句で被爆を詠むのは止めよう!  鳥羽散歩
 「水脈の果炎天の墓碑を置きて去る」は、今は亡き、金子兜太氏の句集『少年』(1955年刊)所収の佳作であり、私たち日本人は、この一句の存在で以て、戦争の悲惨さを充分に認識するべきであり、「戦争は何が何でも絶対にしてはならない!起こしてはならない!」という気持ちは、絶対に風化させてはなりません!
 また、「彎曲し火傷し爆心地のマラソン」は、今は亡き、金子兜太氏の句集『金子兜太句集』(1961年刊)所収の佳作であり、私たち日本人は、この一句の存在で以て、「被爆地・広島/被爆地・長崎」の悲惨さを永遠に記憶して置くべきであり、「戦争は何が何でも絶対にしてはならない!起こしてはならない!」という気持ちは、絶対に風化させてはなりません!
 そのような思いに.囚われているが故に、私・鳥羽散歩は、金子兜太氏以外の作者がお詠みになられた俳句に対する時、「今更、被爆題材の俳句を詠んでも何の足しにもなりません!貴様たち、似非俳人は、被爆地広島・長崎を食い物にしようとするのか!」という気持ちを強くするのであります!


○   ケセラセラ三年日記買ひにけり   (東京都)吉田かずや

   When I was just a little girl(私がまだ小っちゃな女の子だった時)
   I asked my mother(ママに訊いた)
   What will I be?(私って、何になるのかしら?)
   Will I be pretty?(美人になるのかしら!)
   Will I be rich?(お金持ちになれるのかしら?)
   Here’s what she said to me:(そしたら、ママの応えったら、こんなことなのよね!)
   Que sera, sera.(ケ・セラ・セラ)
   Whatever will be, will be.(なるようになるわよ!)
   The future’s not ours to see.(ずっと先のことだから、あまりよくは解らないのよ!)
   Que sera, sera.(ケ・セラ・セラ)
   What will be, will be.(なるようになるわよ!)

 人気女優であり、歌手でもあった「ドリス・デイ(Doris Day、1922年4月3日 - )」は、アメリカ合衆国のオハイオ州シンシナティ出身のドイツ系市民であるが、上掲の「”Que Sera, Sera”」は、ヒッチコック監督作の映画、「知りすぎていた男」(1956年)」の中で彼女が歌ったヒットナンバーであり、我が国に於いてもペギー葉山などが歌って、大いに流行りました。
 ところで、そのタイトルの「”Que Sera, Sera”」は、英語でもドイツ語でも無くて、得体の知れない流行語なんだそうですが、その意味は「なるようになるさ、気に病んでも仕方が無い」といったところなんだそうです!
 そう言われてみれば、確かにそうなんですね!
 いい歳をして、「三年日記」なんて買っても、終りまで書けるかどうかは「ケ・セラ・セラ」なのかも知れませんよね、東京都にお住いの、吉田かずやさんってば!
 六席。
     ケセラセラ!成るように成るさ!香川県粟島産の茄子も鞘豌豆も!  鳥羽散歩
     ケセラセラ!獲れるなら獲ってみろ!海を渡って来た猪を!


○   初冬や居酒屋にゐる演歌歌手   (松戸市)をがはまなぶ

 こないだ、私がふらりと立ち寄った居酒屋には、演歌歌手のポスターが十数枚もずらりと並べられて貼られていましたよ!
 その中で、私が最も好きなのは島津亜矢なんですけど、あの声は素晴らしいけれども、あの顔だけは、もう少しどうにかならないものか!と、いつもいつもいつも思ってるんですがね!
 いや!好きとか嫌いとかの問題では無くて、何かあんな顔をした島津亜矢のことが、可哀想で可哀想でならないんですよ!
 なまじ歌が抜群に上手なだけにね!
 七席。
     ああ、あの顔であの声で、亜矢ちゃんが歌う、「帰らんちゃよか」!  鳥羽散歩


○   ペンギンの群れの一羽に秋思あり   (八王子市)中尾公一

 数多居る「ペンギンの群れの一羽」に「秋思」が在る事を嗅ぎ付けるなんて、八王子市にお住いの中尾公一さんは、もの凄い嗅覚の持ち主なんですね!
 あっ、思わず間違ってしまいました!
 失敗でした!失敗でした!
 「秋思」って奴は、匂いでは無くて心情なんですから、それを嗅ぎ付けるには、格別優れた臭覚は必要が無くて、むしろ、優しい心を持っていなければならないんですね!
 八席。
     吾はペンギン!吾を取り巻く八王子の秋景色の中に愁いを感じる者なるぞ!  鳥羽散歩


○   褒貶の相なかばする白秋忌   (尾張旭市)古賀勇理央

 俳句表現に不慣れな者が、この一句を真面に読んだりすると、この一句を「今日・十一月二日は白秋忌である!毀誉褒貶が相半ばする白秋忌である!」などと読解して、恰も、「白秋忌の存在そのものに対する、世間様の評価が毀誉褒貶相半ばする」と作者が思っている事を述べた一句のように思われましょうが、<毀誉褒貶相半ばする>のは、「白秋忌」そのもの存在では無くて、優れた詩人であり歌人であり、同様作家でもあった、芸術家・北原白秋に対する評価と、細君を生涯幾度も取っ換え引っ換えして、世間や友人からの非難の声と精液の中に塗れて死んだ、俗人・北原隆吉とに対する評価が<毀誉褒貶相半ばする>のですね!
 このブログの愛読者の方々は、私とは違って、格別に頭脳明晰な方々ですから、「そんな事は、今更、お前から言われなくても、とっくの昔に覚えている!鳥羽の耄碌!」とでも叫びたくもなりましょうが、敢えて説明させていただきました!
 九席。
     芸術家としての評価は百点!俗人としての評価は零点!北原某!  鳥羽散歩


○   惑星の家一軒の秋の暮   (岐阜市)阿部恭久

 「惑星の」とは、大きく出たもんですね!
 でも、「大きければ何でも宜しい!」という訳ではありませんよ!
 でも、でも、「世間様から忘れ去られて、二十一世紀の文明からも取り残されて、とても寂しい!」という、作者の切ない心情だけは、充分に汲み取れますよ!
 大串選の末席。
     文明に取り残されし安倍氏かな  鳥羽散歩
 「阿部」と「安倍」とは、人間としての資質からして厳然として異なりましょうが!
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今週の「朝日歌壇」より(2018/11/25掲載・永田和宏選)    本日の健康診断、合格!またまだ長生き出来そうとの事!   

○  いかばかり我は悔ゆらむ重たしと思ひたること母との日々を  (水戸市)檜山佳与子

 本作の上の二句は「いかばかり我は悔ゆらむ」となって居て、この二句を、助動詞「らむ」が<現在推量の助動詞>である事に留意して現代語訳すると、「一体全体、今頃はどれくらい激しく後悔している事であろう」となります。
 そして、それに続いて、「重たしと思ひたること母との日々を」とある、下の三句を現代語訳すると、「(認知症を病む)母を看病しながら過ごした日々を(我慢ならない程にも)重たい日々だと、私自身が思って居たことを」となりますので、上下合わせての文意は、「一体全体、今頃は、私自身がどれくらい激しく後悔している事であろう。(認知症を病む)母を看病しながら過ごした日々を(我慢ならない程にも)重たい日々だと、私自身が思って居たことを」となりましょう!
 永田和弘選の首席入選作品である、この一首の現代語訳を再度示しますが、「一体全体、今頃は、私自身がどれくらい激しく後悔している事であろう。(認知症を病む)母を看病しながら過ごした日々を(我慢ならない程にも)重たい日々だと、私自身が思って居たことを」とは、何か変てこな文章、文意の通らない文章、即ち、「現代日本語として筋の通らない文章」だと、本ブログの愛読者の方々ならば、お思いになられるに違いありませんが、それは、この一首に就いての私の現代語訳に間違いがあるのでもなく、亦、本ブログの愛読者の皆様方の頭の具合が宜しく無いのでも無くて、「いかばかり我は悔ゆらむ重たしと思ひたること母との日々を」という、本作自体の表現に問題が在るからなのであり、是を首席入選作とされた、選者の方の選歌力、と言うよりも、むしろ、文法力に問題が在るからなのでありましょう!
 何故ならば、一人の人間が、「現在、過ごしつつある日々を、とても我慢が出来ない程にも辛くて重たい日々だ」と思いながら、それと同時に、その日々の事を、「一体全体、今頃はどれくらい激しく後悔している事であろう」などと思う事は、現実的にはあり得ない事なのであり、この一首の上の句に、<現在推量の助動詞・らむ>を用いた自体に問題が在るからなのであります!
 然らば、この一首はどのように在るべきか?
 この一首は、「いかばかり我は悔いなむ母との日々を重たしと思ひたること」となっていてこそ、はじめて、日本語として文意が通る一首となり得るのでありましょう!
 永田選の首席。
     如何ばかり後悔せむや檜山佳与子作の一首を首席入選作として選びしことを  鳥羽散歩


○  がん患者われにつきたるラベルなりはがせるものならはがして生きたい  (浦安市)宮澤明

 「日本人が三人存在すれば、その中の二人が、将来、癌を患う」という統計が存在する昨今に於いては、「がん患者」自体はそれほど珍しい存在ではありませんし、仮に、私・鳥羽散歩が癌を患う患者であるとしても、私・鳥羽散歩は、「がん患者われにつきたるラベルなりはがせるものならはがして生きたい」などと思ったりして、癌患者として過ごす日々の事を呪ったりすることは、決して、決して在り得ません!
 本作の作者・宮澤明さんよ!
 あんたはとんでもない勘違いをして居られるのではありませんか!、
 千葉県浦安市にお住いの宮澤明さんよ!
 貴方は、癌患者である貴方ご自身のことを、神に依って選ばれた英雄、もしくは、地上最悪の境涯に置かれている人間であるかの如く、誤解なさって居られるのではありませんか!
 であるとしたならば、「それはとんでも無い間違いであり、貴方の人生は、今からでも遣り直しの出来る人生でありますから、こうした短歌作品は、即刻、抹消して、これからの人生を楽しく有意義な人生となさるべきである」と、私・鳥羽散歩は、思っているのでありますが!
 次席。
     人間に貼るベきラベルは「私は考える葦である」というラベルでありましょうか?  鳥羽散歩
     私・鳥羽散歩に貼るべきラベルは、「この男、いささか凶暴性有り」というラベル!


○  路地奥は啄木住まいし跡とあり路地は奥までゆるやかに坂  (堺市)丸野幸子

 件の「路地奥」は、何処の地に存在する「路地奥」でありましょうか?
 また、件の「坂」は、何処の地に存在する「坂」なのでありましょうか!
 三席。
     潮の遠鳴りかぞへつつ少女となりし歌人・晶子の生家跡  鳥羽散歩


○  露草のオランダ坂は雨催ひのぼればのぼるほどただの坂  (横浜市)佐々木ヒロミチ

 作中の「オランダ坂」とは、「長崎県長崎市東山手の旧居留地時代に造られた石畳の坂道・石段」、即ち、長崎市の公式観光サイトの記述に示されている、「<誠孝院前の坂>、<活水坂>、<活水学院下の坂>の三つの坂の総称としての通称<オランダ坂>」を指して謂うのでありましょうか?
 であるとしたからば、件の「(通称)オランダ坂」は、「沿道に異国情緒を伝える十五棟の洋館群が建ち並んで居て、眼下に長崎港を望む、臨景観に頗る恵まれたロケーションにある坂であり、長崎の観光地を結ぶ導線である他、高台に住む地域住人にとっては、欠くことのできない生活道路として親しまれている坂なのであり 小雨が降って石畳がしっとりと濡れた、この坂の情景は四季折々の風情に恵まれている坂、と言われて居て、観光客にとっても地域住民にとっても、親しみ深く、人気も高い坂」なのである。
 四席。
     オランダ坂「登って行けば行く程に風情に欠けたただの坂」とは?  鳥羽散歩
 という訳でありまして、横浜市にお住いの佐々木ヒロミチさんは、全く以て、傍迷惑な一首を詠んで呉れたものですね!
 彼の住む横浜市と長崎市との間には、かつての外国人居留地としてのライバル関係が介在するので、横浜市にお住いの佐々木ヒロミチさんとしては、殊更にライバルの長崎の評判を貶めるような内容の短歌を詠まなければならなかったものと思われます!
     オランダ坂!上れば下り!ご苦労さん!坂の向うにチャペルが見える!  鳥羽散歩


○  カラカラと落ち葉が走る音がして新幹線の見える坂道  (横浜市)山際美保子

 作中の「坂道」は、直前の掲載作に登場した「(通称)オランダ坂」とは異なり、格別に風情に恵まれた坂道でも、格別に中国からの観光客が多い坂道でもありません!
 だが、一見して欠点と思われる、そうした点こそが、横浜市にお住いの山際美保子をして、この坂道に取材した一首を詠ましめた原因なのである、と、私・鳥羽散歩は堅く信じて居る次第なのであります!
 五席。
     空き缶がカラカラカラと転げ行くだけの坂道ただの坂道  鳥羽散歩


○  ハラッパやモヘンジョダロといふ地名遠国なれど懐かしきかな  (本庄市)福島光良

 作中の地名「ハラッパ」とは、「インダス文明の都市遺跡。パキスタン北東のパンジャブ地方ラホールの南西約200kmのラーヴィー川左岸に位置し、モヘンジョダロと並び称される標式遺跡として知られる」とか!
 また、「モヘンジョダロ」とは、「インダス文明最大級の都市遺跡。紀元前2500年から紀元前1800年にかけ繁栄し、最大で4万人近くが居住していたと推測される。しかしその後は短期間で衰退した。原因としてさまざまな説があげられたが、近年の研究では大規模な洪水で衰退したと考えられている」とか!
 本作の作者・福島光良さんは、「ハラッパ」及び「モヘンジョダロ」という、知名度が極めて高い地名を、さも何の取り柄の無い外国の無名の土地の名であるが如くに詠まれているのであり、短歌表現上のそうした手法は、今となっては、極めて有り触れた手法でありますから、この一首を前にしての私には、少しの懐かしさも興奮も感じられません!
 六席。
      ハラッパやモヘンジョダロといふ地名!観光客が殺到する土地の名!  鳥羽散歩


○  河馬と海馬が話しおりのんびり行こうぜ似たもの同士  (福山市)武暁

 「河馬」には<ヒポポタマス>との、「海馬」には<ヒポカンパス>とのルビ在り。
 「河馬」と「海馬」との間には、「河」と「海」との対比、そして双方に在る「馬」の共通がありますが、それ以外には何ら関りがありません。
 従って、本作は、単なる言葉の遊びに過ぎません!
 七席。
     河馬さんをヒポポタマスと呼ぶならば私の海馬はヒポカンパスだ  鳥羽散歩


○  秋晴れに映ゆるもみぢ葉そこかしこスマホの容量すぐにいつぱい  (枚方市)東大路エリカ

 この秋の紅葉はかなり控え目ですから、風景写真なんか取らずに、ご自身の貌でも写して置きなされ!
 なにせ、東大路エリカさんと言えば、枚方小町と評判の美女ですからね!
 ところで、これは本筋とは殆ど関係ないお話ですが、菅義偉官房長官は、「枚方市」を「ひらかたし」と読めずに、「まいかたし」と読んだんですってね!
 秋田県人の頭の悪さには、ほんとに呆れてしまいますね!
 八席。
      「枚方」を「まいかた」と読む菅さんはもともと秋田の山猿なんだ!  鳥羽散歩


○  この娘なら出世出世と言わぬじゃろ義母がわたしを認めた基準  (さいたま市)伊達裕子

 義母殿のお見立ての宜しきを得て、私が「出世、出世」と煽り立てないものですから、私の亭主は本社勤務から外されて、只今、岩手県内の生産現場で、工場内の清掃に励んで居ります(とか何とか言ったりしてね!嘘よ、うそ、うそ!私の主人は、日参本社の社長室のゴミ退治に一所懸命なんですよ!)
 九席。
     この娘なら私の息子向きだろう!容貌なんかどうでも宜しい!  鳥羽散歩


○  一晩でカボチャも魔女も消え失せてクリスマス仕様の街となる  (高岡市)池田典恵

 要するに消費を煽り立てたいだけの事ですから、「一晩でカボチャも魔女も消え失せて」しまうのは当然の事でありましょう。
 私の最寄り駅の小田急線・新百合ヶ丘駅界隈は、赤と緑とのクリスマスカラー一色に染まっていました!
 永田選の末席。
      お孫さんは幾人かしら?サンタさんの服が似合いそうな永田和宏先生!  鳥羽散歩  

我が歌友・塩野頼秀の一首   鋭意執筆中!乞う、ご愛読!

 私の歌友・塩野頼秀氏が、斯道での長年のご努力・ご潔斎を結実させて、この度、第一歌集『をみなへしをとこへし』を上梓された。
 件の歌集『をみなへしをとこへし』は、彼の所属する、短歌結社「歌林の会」の結社誌「かりん」の編集人を担われる坂井修一氏の厳選になる歌集であるが、昨夜行われた、私たちの短歌会「麻生短歌会」の十一月歌会の後で持たれた<反省会>ならぬ<飲み会>での作者ご自身の語られるところに拠ると、歌集『をとこへしをんなへし』は、彼・塩野頼秀が、結社誌「かりん」に所属して以来の全掲載作品、「千首弱の中から搾りに搾って編まれた歌集である」とか!
 今、所収作品の中の一首を示すと、「ひさびさにダークスーツの街戛戛と並びゆきたり<一味>のごとく」であるが、この作品は、「丸の内」という小題の下に詠まれた連作十二首中の第一首、即ち、件の歌集の巻頭作品なのであり、その意図するところは、「大学卒業後、総合商社に勤務していた彼が、勤務先商社退職後のとある一日、『ひさざさに』かつての社友たちと共に、かつての少壮総合商社員を偲ばせるが如く『ダークスーツ』に身を纏い、『戛戛』として、丸の内か何処かの『街』を『並び』歩いて行ったのであるが、その有様は、恰も、会社立て直しに名を借りて、日産自動車を食い物にした、ゴーン某の涜職疑惑、及び、脱税疑惑を徹底的に洗い出そうとする、検察当局の捜査陣の<一味>の如く様相を呈していた」とするものであり、括弧書きされた漢字二字の<一味>の働きが、作者・塩野頼秀の何とも言えない言語感覚の鋭さを偲ばせて、並々ならぬ傑作である。
 ところで、本歌集の巻頭連作・十二首の第四首目は、「ビルの花屋すすき束ねてをみなへしをとこへし好しと一つの壺に」であり、この作品は、本歌集のタイトルである『をみなへしをとこへし』の典拠となった一大傑作であるが、この作品中に認められる、美男を背負っている熟年男性特有の「何とも言えない助平たらしさ」は、彼・塩野頼秀の性格上の美質たる「謹厳実直」と共に、彼のもう一つの美質たる「フェミニスト(feminist)」としての性格を偲ばせて、何とも言えない魅力ある一首ではある。
 ところで、今回、私が殊更に、マイブログ「詩歌句誌面」上に、この小稿を記そうと企てたのは、前述二首の素晴らしさを称揚せんが為の事ではありません!
 彼がこの度、上梓された歌集『をとこへしをんなへし』の第60頁に掲載されている、「ぎりぎりに折り合ひたりし平和なりもう戦はぬとは誰も言はない」は、今は亡き・岩田正氏に短歌道に導かれた彼・塩野頼秀の<平和を何よりも愛する糞真面目>な性格の程を偲ばせる一首ではあるが、実を申すと、今回、私がこの稿を起こした、そもそもの発端は、彼・塩野頼秀のもう一人の短歌道の師である、馬場あき子氏の歌集『太鼓の空間』所収の一首、即ち「グラス脆く涼しきかがやきに戦争はないと誰もいはない」と、前掲の塩野頼秀作の一首、「ぎりぎりに折り合ひたりし平和なりもう戦はぬとは誰も言はない」の類想性、類似性に着目したからであり、亦、「短歌道の師と弟子の手になる、この傑作二首を、この際、徹底的に比較して論じてみたい」との魅惑に駆られたからなのである!(未完)

今週の「朝日歌壇」より(2018/11/18掲載・佐佐木幸綱選)   初稿脱稿!即時大公開!  

○  本日は陽差しおだやか元荒川鴨五羽のせて流れゆくなり  (蓮田市)青木伸司

 作者は「元荒川」を,一艘のコンテナ船に見立てているのであり、一艘のコンテナ船である「元荒川(号)」が、積荷たる「鴨五羽」を乗せて、「陽差しおだやか」な」「元荒川」の水面を悠悠と流れているのでありましょう。
 佐佐木選の首席。
     元荒川は小型コンテナ船!積荷は鴨五羽のみなれば採算が取れません!  鳥羽散歩


○  奥山の切りひらかれて里人は鹿の声する夜に慣れゆく  (松阪市)こやまはつみ

 <儲かれば何でもする主義>の土地開発業者の乱脈極まりない開発に因って、奥山の木が一本残らず伐採されてしまったので、鹿たちが棲家や食糧を失ってしまった!
 その結果として生じたのが、棲家と食糧を求めて村里まで下りて来た鹿の鳴く音を、里人たちが、否が応でも毎晩のように聴かなければならなくなった、という悲喜劇なのである!
 次席。
      我が庵は三重の村里しかぞ棲む!開発業者よ心して聴け!  鳥羽散歩


○  ときどきは叱ってくれる人がいて雀ら秋の田楽しんでいる  (館林市)阿部芳夫

 昨今の農村の田圃に於いては、雀脅しの空砲や仕掛けも雀らに楽しみを与える為の道具と化しているのかも知れません!
 三席。
     ときどきは叱ってくれる人が居て叱ってくれたら励みになる鴨!  鳥羽散歩
     叱るのはときどきだけにして欲しい!毎日叱られ嫌になっちゃう!


○  秋の空剪定された樫の木にわが巣いずことツグミ飛び来る  (東京都)三井正夫

 その心得の無い素人庭師に拠って剪定された「樫の木」は、秋空の下、単なる棒杭と化してしまったので、「ツグミ」たちが「わが巣いずこ」と探し求めているのでありましょう!
 四席。
    剪定は伐られる木にもツグミにも利の在るやうにせねばならない  鳥羽散歩

     
○  黄葉の峡曲がりゆく米坂線熊よけ警笛を鳴らして進む  (取手市)緑川智

 「米坂線」は、「山形県米沢市の米沢駅から新潟県村上市の坂町駅を結ぶ<JR東日本>の鉄道路線」でありますが、その沿線は、必ずしも<深山渓谷>ばかりとは限りませんから、機関士諸氏が、運行中に無暗矢鱈に「熊よけ警笛を鳴らして」楽しんでいる訳ではありません!
 彼ら、米坂線の機関士諸氏は、時を選び、時宜に応じて、熊が現れてデコイチの進行の妨げとなると危惧される場合のみ、熊避けの警笛を鳴らすのでありますから、その点に就いては誤解の無いように呉れ呉れもご注意下さいますよう、東京や横浜などの大都会や中国やベトナムなどのアジア諸国からお出ましの観光客の皆様方には、私・鳥羽散歩からも伏してお願い申し上げます!
 五席。
     米坂線、やはりローカル!乗客は魚や米など背負ひし老いのみ!  鳥羽散歩


○  サファリパークの麒麟の瞳でっかくて寄り来るバスの窓いっぱいに  (八幡浜市)豊いちみ

 本作の作者・豊いちみさんは、如何なるお金持ちの<一味>かは存じ上げませんが、愛媛県八幡浜市にお住いである、とか!
 ウイキペディアの解説するところに拠りますと、作者がお住いの「八幡浜市」は、「愛媛県西端にある佐田岬半島の付け根に位置する市である。北に伊予灘、西に宇和海を望み、丘陵地が多く、海はリアス式海岸が続き、温暖で風光明媚なところである。古くは、九州や関西地方との海上交易が盛んで<伊予の大阪>と謳われ、現在は、年間40万人近くが行き来する西日本有数の八幡浜港を抱え、四国の西の玄関口、西四国の交流・交易活動の拠点として発展してきた。温暖な気候と地形を生かした柑橘栽培が盛んで、温州みかんは質・量ともに全国有数の産地であり、<日の丸><真穴><川上><蜜る>など全国に知られたブランドみかんを生産している。太陽の直射光、海からの反射光、段々畑の石段の輻射熱の<三つの太陽>を浴びて育ったみかんの美味しさはひとしおである。また、漁業も盛んで、とりわけ有名なのは、四国一の規模を誇る魚市場である。八幡浜港は天然の良港として栄え、中型トロール船団の基地となっており、四季折々のたくさんの種類の魚が水揚げされ、早朝の活気にあふれた市場風景と産直市場である<どーや市場>は、市の名物となっている。」とか!
 ところで、本作に登場する「サファリパーク」は、「中国地方唯一のサファリパーク」を豪語する、山口県美祢市に在る、『秋吉台サファリランド』でありましょうか?
 であるとするならば、『秋吉台サファリランド』は、「約七十種類の動物たちがいるサファリパークスタイルの動物園」であり、「臨場感が楽しめるだけでなく、日本国内でも珍しいホワイトライオンやマルミミゾウなど、希少な動物に出会う事が出来る」とか!
 また、「サファリパークは日本国内に十箇所在り、西日本には四箇所あります。中国地方で動物たちを間近に見られるサファリパークは、『秋吉台サファリランド』だけなんです」とか!
 また、「自家用車で入園できるので、自分たちのペースで動物たちを眺められるのが魅力。でも時には動物たちに車を傷つけられる場合も。楽しいけれど用心が必要ですね。」とか!.
 また、「動物の目線の高さに格子があり、シマウマやライオンなどに直接エサをやることができます。<エサやりバス>は人気なので予約をしておくと安心です。動物たちがエサを食べる様子を間近で見ることができます。肉食獣のゾーンは迫力満点で思わず声が出ちゃいそう!格子についている小窓を開けて動物にエサをやります。エサの肉片を長いトングに挟み、差し出すのを待っているかのように、動物たちは上手に食べます。三頭いる象のうち一頭は、日本でも二頭しかいない<マルミミゾウ>という珍しい種類なのだ」とか!
 私・鳥羽散歩は、サファリパークは勿論の事、凡そ<動物園>と名の付く<動物介護施設>は大嫌いな人間でありまして、私が動物園を嫌う理由の一つは、私が仮に動物園に行ったとすると、「私が動物たちを眺めたり触ったりして楽しむのでは無くて、むしろ、動物たちの方が、私を眺めたり甚振ったりして楽しむのではなかろうか?」と思ったりもするからなのであります!
 そういう訳でありまして、私には、サファリパークなる存在に就いての知識は欠けておりますが、然し乍ら、前掲の<ウィキペディア>の解説などに拠りますと、山口県美祢市に在る、『秋吉台サファリランド』は、さすがに「中国地方唯一のサファリパーク」を豪語するだけあって、なかなか素敵な動物介護施設みたいにも思われます!
 従って、「麒麟の瞳でっかくて寄り来るバスの窓いっぱいに」という、本作の二句目以下の叙述は、まんざら、虚実でも誇張でも無いようにも思われます!
 六席。
     人間がライオンや虎に喰われたりする惧れ無しとせずサファリパーク!  鳥羽散歩

     
○  あちこちにありし杣道すべて消え踏み跡あるは猪の道  (鳥取県)表いさお

 「杣道」とは、「樵たちが通る道」の意!
 現代社会に於いては、職業としての<樵>の存在は許されませんから、当然の事ながら<杣道>も存在する事が出来ません!
 その一方、我が国に於いては、猪なる大型野獣が急激にその仲間を増やし、彼ら猪ばらに因る農産物や森林資源への被害は、年を追う毎に拡大し、増大して行くばかりなのであります!
 し斯くして、昨今の我が家の話題を独占しているのは、決して、彼のゴーン氏に依る、怒り心頭に発する脱税疑惑では無くて、「私・鳥羽散歩の親友の菅昭悦氏が、秋田県湯沢市秋ノ宮の森林で猪を銃撃して退治した、と謂う、痛々しくも勇壮なる一件」であり、加えて、「これ亦、私の親友である、喜多さんの棲息する香川県の絶海の離島・粟島にも、昨今は猪どもが出没するようになり、その挙句、彼・喜多さんが耕作している畑が跡形も無く荒らし回られ、斯く申す、私が喜多さんの畑で収穫される野菜や果物などを食べられなくなっちゃって、ビタミンやミネラルの不足に悩み、病床に臥さんばかりの状態に追い込まれている」という、真に以て私小説的なる二大事件なのであります!
 七席。
     猪の通りし道を踏み分けて荘内半島辿る喜多さん  鳥羽散歩
     熊肉を食ふのに飽きし菅さんが猪撃ちに辿る湯ノ岱


○  本当にやる気あるのか核禁止出来ない理由ばかり並べる  (筑紫野市)二宮正博

 <精査>した結果を<丁寧>に説明しているのにも関わらず、野党の奴ばらは、何だ神田と文句ばっか言うのであるからして、こちとらとしては、頭に来ちゃうのである!
 八席。
     今更に出来るはず無い核禁止!戦争しなけりゃ儲かりません!  鳥羽散歩


○  国父とふことばのありしアメリカの大統領が敵をののしる  (丸亀市)金倉かおる

 「国父」即ち「国民の父」とは、「多くの国家に於いて、独立期や発展期に活躍した象徴的な人物や政治的な指導者を称賛する際に使われる呼称である。英語からの訳語であるこの呼称の他、似た概念を表す呼称として<祖国の父>、<国家の父>、<建国の父>、<独立の父>などが在るが、それぞれ少しずつニュアンスが異なる」とか!
 ところで、作中の「(アメリカ合衆国の)国父」とは、「アメリカ合衆国建国の父(ファウンディング・ファーザーズ、英: Founding Fathers of the United States of America)は、アメリカ合衆国独立宣言またはアメリカ合衆国憲法に署名した政治的指導者、あるいは愛国者達の指導者としてアメリカ独立戦争に関わった者たち」であり、<ジョーン・アダムス>以下、数十名のアメリカ合衆国独立宣言への署名者、及び、<エイブラハム・ボールドウィン>以下、数十名の憲法への署名者等などの多きを数える!
 九席。
   トランプが「国父」と呼ばるる日も在らむ!「アメリカ・ファースト」ジャパンはラスト!  鳥羽散歩
 

○  UFOのような形でカナリアのような色したお神輿が来た  (広島市)堀真希

 そうですか!
 そうですか!
 それはご愁傷様と言いましょうか!
 何と言いましょうか?
 佐佐木選の末席。
      昨今はあまりに華美なお神輿は流行りませんぞ!樽神輿で佳し!  鳥羽散歩

今週の「朝日俳壇」より(2018/11/25掲載・高山れおな選)   大変お待たせ致しました!本早暁、決定稿脱稿!鼻から出血サービス大公開! 

○   拳からばつたの脚の出てをりぬ   (市川市)抜井諒一

 「鳴く蟬を手握り持ちてその頭 をりをり見つつ童走せ来る」とは、『鏡葉』所収の窪田空穂の名歌である!
 首席。
     ガキンコの手にぎつちりと握られて鳴かぬバッタが涙を流す  鳥羽散歩


○   芋虫が鴉の嘴に身をよぢる   (栃木県壬生町)あらゐひとし

 「焼肉定食」ならぬ「弱肉強食!」、即ち、是「食物連環!」という事象でありましょうか?
 次席。
      風狆の口車に乗つかつて択捉・国後忘れし総理!  鳥羽散歩


○   日曜画家並ぶ日曜秋深し   (泉南市)藤岡初尾

 「日曜画家」なる言葉も、昨今はさっぱり耳にしなくなりましたね!
 私の少年時代には、イギリスのチャーチル首相だとか、藤山愛一郎氏だとか!
 そもそもの話をすれば、あのポール・ゴーギャンだって日曜画家だったんですよ!
 三席。
     井戸塀大臣こと藤山愛一郎氏の汚した絹のハンカチーフ  鳥羽散歩


○   海もまた小春日和に染まりゐし   (島根県邑南町)服部康人

 「島根県邑南町の住民が、とある小春日和に山陰の海を眺めた時の感激の大きさ」がよく偲ばれる一句である!
 本句の作者の服部康人さんは、島根県邑南町にお住いであるとか!
 作者がお住いの「島根県邑南町の総人口は、1985年の15795人を最高に推移しており、2040年の人口予測数の7237人と比較すると8558人の差があり、今後この地域の総人口は減少する傾向にあると予想されている」とか!
 また、「島根県邑南町の年少人口は、1980年の2788人を最高に推移しており、2040年の人口予測数の697人と比較すると2091人の差があり、今後この地域の年少人口は減少する傾向にあると予想されている」とか!
 また、「島根県邑南町の生産年齢人口は、1980年の9641人を最高に推移しており、2040年の人口予測数の3087人と比較すると6554人の差があり、今後この地域の生産年齢人口は減少する傾向にあると予想されている」とか!
 また、「島根県邑南町の老年人口は、2000年の5180人を最高に推移しており、1980年の3305人と比較すると1875人の差があり、年々変動や人口の増減などが起きていることが確認出来る」とか!
 本句の作者がお住いの島根県邑南町という町は、そんなにも人口の減少が危惧されていて、常に昏いイメージと共に思い起こされる町でありますから、たまたま町を離れて日本海を目にした時、本句の作者・服部康人さんは、「海もまた小春日和に染まりゐし」と感じられたのでありましょうが、何の事はありません!
 「もう秋も深いのに、海辺の町は、山の中の邑南町とは違って、こんなにも明るいのか!」と感じられ、吃驚仰天しただけの事でありましょう!
 四席。
    白兎の傷めた肌を癒したる薄穂綿の如き白波  鳥羽散歩


○   日の在り処たしかめ霧の山頂へ   (我孫子市)藤崎幸恵

 罷り間違えば、遭難の惧れ無しとしませんからね!
 五席。
     陽の在り処霧に隠れて見えざるも其処と定めて急ぐ絶巓  鳥羽散歩


○   ひとはひとと人の言ひだす寒さかな   (東京都)野上卓

 いかにも劇作家(戯作者)・野上卓さんらしい一句である。
 六席。
     ひとはひと!吾は吾なり!野上さん今朝の寒さに股引穿かず!  鳥羽散歩
     我を張るも大概にしろ野上さん!年寄りの冷水可愛くないぜ!


○   つぶやきが一句となりて黄落す   (加賀市).笠原千恵子

 本句の作者・.笠原千恵子こそは<平成の加賀千代女>であり、彼女の口から漏れた「つぶやき」は、恰も「黄落」を促す呪文の如き存在なのである!
 七席。
     「ブナ林よ、黄葉せよ!」と呟きぬ!笠原千恵子は呪文の如く  鳥羽散歩
     「横綱は黄落すべし!」の呪ひ聲!斯くて優勝したる小結!


○   裏表顔の違うて案山子立つ   (枚方市)山岡冬岳

 件の「案山子」は、表裏一対を成して雀どもを睨んでいるのでありましょう!
 作者・山岡冬岳さんの着眼点の素晴らしさに感服仕り候!(なんちゃって!少しばかり誉め過ぎかな?)
 八席。
      裏表双つの貌を持つ案山子置き残されつ山田の中に  鳥羽散歩
      取り分けて哀れ止めし案山子かな!元気で入鹿!寂しか内科!


○   みちのくは奥へ奥へと澄みゆける   (東京都)三角逸郎

 「みちのくは奥へ奥へと澄みゆける」とは、一見誉め言葉のようにも思われますが、よくよく考えてみると、「東北地方は、未だ未開発で、工場の煙突から上がる煙も無く、空気が汚染されてもいないから、大地の果ての果てまで、大空の果ての果てまで澄み切っている」という事であり、誉め言葉というよりは、むしろ、その後進性を揶揄して言う言葉なのでありましょう!
 九席。
     みちのくは侮り難しフクシマは核汚染除去の最先端地!  鳥羽散歩
     首都圏へ電気送ると建てしかど地震に弱き福島原発!


○   教へ子の曳山囃子くんちかな   (小城市)福地子道

 本句の作者・福地子道さんは、佐賀県小城市にお住まいであるが、本句は、同じ佐賀県の唐津市の伝統行事<唐津くんちの曳山巡行>に取材した一句でありましょう。
 「唐津くんちの曳山巡行」は、「乾漆で製作された巨大な曳山が、笛・太鼓・鐘の囃子に合わせた曳子たちの<エンヤ、エンヤ>、<ヨイサ、ヨイサ>の掛け声とともに、唐津市内の旧城下町を巡行する」、勇壮極まりない民俗行事であるが、作者・福地子道先生の「教へ子」たちが、件の曳山巡行に加わっているとあらば、彼らの師である福地子道先生としては、否が応でも身を入れたくなるのでありましょう!
 高山選の末席。 
     「エンヤ!ヨイサ!」教え子よりも親よりも馬鹿声上げてしまう先生!  鳥羽散歩  

今週の「朝日歌壇」より(2018/11/25掲載・高野公彦選)   初稿、只今脱稿!即時大公開!乞う、ご一読惨憺!  

○  三本の橋は動脈 若者を送りつづけて四国はしぼむ  (西条市)村上敏之

 作中の「三本の橋」とは、「本州と四国を橋などで結ぶ道路・鉄道ルート、即ち、本州四国連絡橋」であり、「神戸・鳴門ルート(通称:明石海峡大橋)、児島・坂出ルート・(通称:瀬戸大橋)、尾道・今治ルート(通称:瀬戸内しまなみ海道)」と三つのルートが在り、「これらの三本の巨大な橋梁が、新鮮な血液たる四国地方の若い人材を首都圏や京阪神地方に供給する役割り、即ち『動脈』の役割りを果たしているり」とは、本作の意であり、愛媛県は西条市の住民の一人としての本作の作者・村上敏之さんが、本作を通じて主張なさりたいところでありましょう。
 本州四国連絡橋は、当初、九州や北海道と比較して開発が遅れていて経済活動も文化も停滞気味の、四国地方を活性化させる為に本州と四国を結ぶ橋梁を一本架けようという、極めて妥当な四国地方の住民の要請に基づいて為された施策であったが、いざ、その施策実行の段階になると、「本州、四国双方の地方公共団体や欲望に駆られた経済人からの強引な要請や、政治家などの暗躍などもあって、1988年(昭和63年)4月10日には<瀬戸大橋>が、1998年(平成10年)4月5日には<明石海峡大橋>が、1999年(平成11年)5月1日には<瀬戸内しまなみ海道>が開通する!」と謂う、人類史上稀に見る奇態が現出したのである!
 本作の作者・村上敏之さんは、「三本の橋は動脈/若者を送りつづけて四国はしぼむ」などと、殊更に<本州四国連絡橋>架橋のマイナス面だけを強調して居られますが、そうした言い方は、必ずしも穏当な言い方とは思われません!
 本作を通じて、作者が主張された点に就いては、先刻の私の記述の通りでありましょうが、それは、あまりにも一方的過ぎるものと思われます!
 何故ならば、本州四国連絡橋と.称する、この三本の巨大な橋梁が架橋された事に因る、四国地方の経済振興や雇用拡大も無視する事が出来ないからである!
 例えば、安倍総理の盟友・某氏に拠る、愛媛県今治市での<加計学園・獣医科大学>の開校などは、その恰好な一例かと存じますが、本作の作者、及び、選者の高野公彦氏、並びに本ブログの愛読者の方々のご意見を拝聴させていただきたいと存じ上げます。
 そうそう、たった今まで失念して居りましたが、本作の主張を是とされて、本作を首席入選作品とされた、選者・高野公彦(本名・日賀志康彦)氏は、確か愛媛県喜多郡長浜町(現・大洲市)出身者と記憶して居りますが!
 高野選の首席。
     三本の橋は静脈!この世をば生き難き者どちの四国巡礼!  鳥羽散歩  



○  サーモンの切り身ににじむ回遊の冬の記憶の海のオーロラ  (東京都)堂本明代

 刺身用の解凍サーモンの切り身の赤さを、北方領土の「海のオーロラ」に見立てたのでありましょうか?
 だとしたら、「北方二島を我が辣腕に拠ってせしめた!」などと在らぬ事口にして小踊りしている彼を喜悦せしめる一首でありましょう。
 次席。
     紅ならぬ厚顔にして無知ならむ!彼のお尻を鞭で百叩き!  鳥羽散歩


○  腹いっぺまんまけってな絶食の兄のひつぎにおにぎりみっつ  (兵庫県)藤原留理子

 但馬方言なのか?
 播磨方言なのか?
 摂津方言なのか!
 それとも丹波方言なのかは存じ上げませんが、とにもかくにも、何やら貧乏たらしい方言を用いてのこの一首は、あまりにも身につまされて、私には、涙なしには読めません!
 それにしても、「絶食」とは、あまりにも酷過ぎるのではありませんか!
 三席。
    竹筒に米粒入れてカラカラと鳴らした南部偲ばする一首!  鳥羽散歩


○  杭の先で獲物を狙うカワセミを池のまわりのカメラが狙う  (下野市)石田信二

 「着眼点絶好!」とでも評すれば、作者もさぞかし喜ぶ事でありましょうが、「一番の悪者は人間のカメラマン氏である!」とする、例のお定まりの図式の一首である!
 四席。
     棒の先に安手のカメラを括り付け自撮りせむとや異国の民は?  鳥羽散歩


○  産声はこの世で最初の深呼吸一生続く吐くこと吸うこと  (東京都)清水真里子

 昨今は過呼吸とかで夜中に急に倒れ、救急車で病院に運ばれる者も多いとか!
 それはともかくとしても、何はともあれ、「一生続く吐くこと吸うこと」である点に於いては、本作の作者の仰せの通りでありましょう。
 五席。
      「産声を上げないままに死んで行く赤児も居らむ!」小池知事殿  鳥羽散歩


○  学生に小嘘つかれてもの悲しごはん論法はびこる浮世   (東京都)山木海絵子

 本作の作者・山木海絵子さんは、東京大学大学院理学系研究科教授の深田吉孝氏の秘書であるとか。
 東京大学の学生の中には、相手を見て、「小嘘」ぐらいは吐くのはゴマンと居りましょう!
 彼ら東大生の三人に二人は、頭がオカシイ人間だって言いますからね!
 それにイチイチ腹を立てて、怒ったり悲しがったりして居たって仕方がありませんよ!
 なにせ、相手は<クルクルパー>なんですですからね!
 ところで、「ごはん論法」とは、「『朝ごはんは食べなかったんですか?』との野党議員からの質問に対して、安倍総理が『(朝食にご飯を食べずにパンを食べたという理由で以て)ご飯は食べませんでした!』と応える式の、論点ずらし答弁」を指して謂うのである!
 総理大臣からして、そんな可笑し気な答弁ばかりしているから、東大の構内に「ごはん論法」が蔓延るのは、理の当然の事であり、また、それが「浮世」と謂うものでありましょう。
 六席。
      東大を出ているならばともかくも!あべちやん整形大学出身者!  鳥羽散歩


○  ぬばたまの闇また闇の山間に一夜ともせり夜神楽舞台  (安芸高田市)菊山正史

 下掲の記事は、広島県安芸高田市観光協会のホームページから転載した、「安芸高田市の伝統芸能・神楽とは」というタイトルの記事を転載したものである。
 本作を鑑賞するに当たって、本記事を一読される事は、私の如き無能大言の者の記す、無意味な論評よりも何よりも意義深い事と存じますので、此処に無断転載させていただいた次第でありますので、その旨、ご承知置きの上、ご一読賜りたくお願い申し上げます。

. 「神楽」はいったい、いつできたのでしょう。原点をたどると、江戸時代は軽く過ぎ、室町、鎌倉もさかのぼり、平安時代まで行き着きそうです。一説によると、神楽の原点は、記紀神話の中の「天岩戸(あまのいわと)伝説」にまでさかのぼるともいわれています。
「天岩戸(あまのいわと)伝説」とは、太陽の女神だった天照大神(あまてらすおおみかみ)は、弟の素戔鳴命(すさのおのみこと)の乱暴さに怒り、岩戸の中に入り込んでしまいました。すると、地上は暗闇となってしまいました。困った神たちは話し合いの結果、天鈿女命(あめのうずめのみこと)に岩戸の前で乱舞させることとなりました。これがあまりにもおもしろかったので、外の神たちは大騒ぎ。不思議に思った天照大神(あまてらすおおみかみ)は、岩戸をそっと開け、様子を見ようとしました。その時とばかりに手力男命(たぢからおのみこと)が岩戸をこじあけ、女神を外に連れ出したという話です。
 この岩戸の前で天鈿女命(あめのうずめのみこと)が行った乱舞こそが、神楽の原点と言われています。一年のうちで一番太陽の力が弱まる時期に、その太陽の再来と生命の再生を願って神威を招き迎え、生命力の強化を祈願した鎮魂の儀式が、神楽の始まりです。「岩戸」のモチーフは古事記や日本書紀の中の神話。とすれば、これらが成立したのは8世紀の初めですから、神楽ができたのはそれより前…ということになるかも。はるか昔から神楽はあったのです。
 日本全国各地に、さまざまな形の神楽が伝えられているなかで、安芸高田市の神楽は、出雲流神楽が石見神楽を経て、江戸期にこの地域に伝えられたと考えられます。また、その過程で、九州の八幡系の神楽や高千穂神楽・備中神楽、さらに中国山地一帯に古くから伝わる農民信仰などの影響を受けて、現在の形態になったといわれています。その特徴は、演劇性が強いという点で、極めて大衆的でのびのびした民俗芸能に発展しました。現在では市内22の神楽団が神楽を舞い、舞人たちはその技を磨いています。ほぼ年間を通じて、神楽にいそしむ団員たち。そのせいか「神楽で食べているの?」とよく聞かれます。が、団員にとって神楽はあくまでも「祭事」。職業ではありません。日常は各々、仕事や勉学に励み、神楽の伝承と保存に大きな役割を担っています。この大衆化が、人々の神社・神に対する信仰心を繋ぎ止め、自然や神の脅威・恩恵に対する先人の心を今に止める大きな役割を果たしているといえます。安芸高田市の神楽には、劇化の進展のなかにも、神人和楽という神楽の原形が息づいているのです。
 神楽は、米の収穫期にあわせた自然や神に対する感謝の祭りであると同時に、人々にとっては年に一度のハレの舞台でもありました。一年の苦労から開放されて、ともに生きる喜びをわかちあう祭りでもあったのです。 また、氏神社を中心に神楽団を組み、神職ではなく氏子自身が神楽を舞う安芸高田市地域の神楽の形態は、その集団内の連帯と共同意識を高める役割も担っていました。安芸高田市では、いまでもこの氏神社を中心とした共生社会が、神楽を軸に根づいており、人間らしい助け合いを可能にする社会の基礎を形づくっているのです。(無断転載・以上の通り)
 尚、広島県安芸高田市には、現在、「吉田神楽団・高猿神楽団・八千代神楽団・横田神楽団・中北神楽団・上河内神楽団・黒瀧神楽団・桑田天使神楽団・天神神楽団・青神楽団・錦城神楽団・美穂神楽団・塩瀬神楽団・神幸神楽団・広森神楽団・日吉神楽団・原田神楽団・・佐々部神楽団・梶矢神楽団・羽佐竹神楽団・山根神楽団・来女木神楽団」の、「二十二の神楽団体が現存して居て、各地の祭典などの折りに公演している」とか!
 七席。
     ぬばたまの闇の中なる村里の一夜賑わふ安芸の夜神楽  鳥羽散歩


○  山の田の水源だつた湧き水はホームの庭の池となりけり  (浜松市)桑原元義

 老人ホームの経営者は、何せ、目鼻が利きますから、休耕田だろうが、開拓者が離散した開拓地の跡地だろうが、かつては毎年の秋になれば、サーカス小屋が建った村外れの空き地だろうが、恰好な土地さえ見つかれば、お金を何処からか集めて来て、老人ホームの建物を建てるのに余念がないのである。
 本作の場合は、かつては「山の田の水源だつた湧き水」を選んで「庭の池」として、「湧き水の湧く池のある老人ホームで、老後を安らかにお過ごし下さい」などと謂う、決まり切った宣伝文句を並べ立てるのでありましょうか?
 八席。
     湧き水の湧くが如くに滾々と現ナマが湧く老人ホーム  鳥羽散歩


○  修験者の鬱金の衣に点々と火の粉の跡の残る護摩焚き  (松阪市)こやまはつみ

 熊野三山で修業を積んだ「修行者」が、松阪市の伝統行事・射和祇園祭のお神輿渡御を前にして、伊佐和神社の社殿で、「護摩焚き」をしている光景に取材した一首でありましょうか?
 九席。
     御供物が次から次へと投じられ護摩焚きの火の赤々と燃ゆ  鳥羽散歩
      

○  手を抜けば野に呑まれゆく畠なりもうしばらくは畑にしておく  (館林市)阿部芳夫

 「もうしばらく」は頑張って下さい!
 その裡にきっと楽になる日が訪れるでありましょうから!
 高野選の末席。 
      楽になる日の必ずや訪れむ苦から解かれて楽になる日が  鳥羽散歩  

今週の「朝日歌壇」より(2018/11/25掲載・馬場あき子選)   本日早暁決定稿脱稿!即時大公開!乞う、再読三嘆! 

 夜明け前に眺めれば、川崎の空にも星が在るんですね!
 私は、公害都市・川崎というイメージに捉えられていた所為なのかも知れませんが、高村智恵子ではありませんが、我が街・川崎には、星も美味しい朝の空気も無いものだと思っておりました!
 それなのにも関わらず、今日・十一月二十六日の川崎の夜明け前の空に、うっすらと浮ぶ無数の星のなんと輝かしいことよ!


○  総決算はすえた臭いとゴミの山ハロウィーン明けの渋谷に出勤  (横浜市)森秀人

 「渋谷」に限らず、横浜や川崎での「ハロウィーン」騒ぎも無視出来ません!
 かつての<仏教に拠る鎮護国家・ニッポン>の昨今は、ハロウィーンやバレンタインディーなどのカタカナネームのお祭り騒ぎに明け暮れているが、その責任の多くは、若者たちから夢を奪い、戦地に駆り立てようとする自公連立政権、及び、儲かれば何でも宜しい主義の商業資本に帰するべきであり、その結果として我が国土に堆積されるのは、例え東京湾の埋め立てたとしても余る、膨大なゴミや瓦礫、そして、私たち国民の聴覚や視覚や臭覚を根底から狂わせる騒音・色彩・殺人光線と饐えた塵の匂いでありましょう。
 馬場選の首席。
     我が町の細やか過ぎるハロウィン五味拾いながら町内一周!  鳥羽散歩.     


○  沖縄の民の意思を汲まずして寄り添うというは如何なる策か  (所沢市)南條憲二

 「ひきよせて寄り添ふごとく刺ししかば声も立てなくくづをれて伏す」とは、『山西省』所収の宮柊二作である。
 無能な政治家の横暴をこれ以上許していると、私たち庶民は、いずれ必ず、彼らの手に因って刺殺され、声も立てずに泥土に倒れ伏さなければならなくなりましょう!
 次席。
     刺客なり!菅も二階も荊軻なり!片山さつきは口利き刺客!  鳥羽散歩


○  「囚」われて大の字に寝てここにいる原「因」などを考えている  (ひたちなか市)十亀弘史

 原因は、今更考えるまでも無く、極めて明白ではありませんか!
 「囹圄」は「囹圉」とも記し、「囚人を捕らえて閉じ込めて置く牢屋、獄舎」の意である。
 囚人の「囚」、原因の「因」、困惑の「困」はもとより、「囹」も「圄」も「圉」も「くにがまえ」の漢字なんですよ!
 という事は、「国家の本質は、国民が囚人として囹圄の身となる原因を為す点に在る」という事になりましょうか!
 斯くして、漢字遊びも馬鹿になりません!
 三席。
     十亀氏は本より囚人、囹圉の身!その原因は国家に在らむ!  鳥羽散歩


○  天平の古文書のなかありありと難き生活の借用書あり  (箕面市)大野美恵子

 毎年の秋に、古都・奈良で開催される正倉院展!
 今年の正倉院展、第七十回正倉院展は、去る10月27日(土)から11月12日(月)まで、国立奈良博物館で開催されました。
 今年の陳列品目中の「続々修正倉院古文書/第四十帙第一巻」は、今回が初めての出陳でありますが、その内容は「写経生の借金に関する文書」との事!
 本句に詠まれている「ありありと難き生活の借用書」とは、件の「続々修正倉院古文書/第四十帙第一巻」を指して謂うのでありましょう。
 四席。
     写経生!能筆なれど金は無し!永遠に残りし借金証文!  鳥羽散歩


○  穴熊はうまかったなとじい様は兎追いしの話のつづき  (柏崎市)小暮千枝

 「♪うさぎ美味しかの山♪」なんて歌っこ、私・鳥羽散歩も、その昔、田舎でよく歌ったもんですよ!
 五席。
      穴熊は少し美味しい!羚羊はもつと美味しいけれど保護獣!  鳥羽散歩


○  あけび四つあれど無心に果汁吸ふアサギマダラに譲りて採らず  (東京都)大村森美

 またぞろ「アサギマダラ」ですか!
 斯かる有害無益の奴ばらは、粟島の喜多さんちの庭に飛んで行けってば!
 六席。
    木通の實さほど美味しくありません!アサギマダラの恰好の餌!  鳥羽散歩


○  卵から孵つたメダカが一つゐてはじめての秋を過ごしてをりぬ  (仙台市)三角清造

 「メダカ」は、水槽の水張りさえきちんとして置けば、冬越し可能ですから、来年の秋は、二度目の秋を過ごす事になりますよ!
 七席。
     卵から孵化したばかりのメダカなら刺身にしては食べられません!  鳥羽散歩


○  逆白波の歌碑にさす陽のしずかにてやがて雪来る最上川べに  (仙台市)沼沢修

 何が何でも入選してやろうという執念が、作者の沼沢修さんをして、「逆白波の歌碑」の在る、「やがて雪来る最上川べ」の山形県大石田町の乗舩寺境内まで、足を運ばせた原因でありましょうか!
 執念が結実してのこの度のご入選!
 真におめでとうございます!
 八席。
     最上川逆白波の立つ日さえ外人客が訪れるのか?  鳥羽散歩


○  細かりし葱を太らす霜月の夜に入りてもあたたかき雨  (東金市)山本寒苦

 「葱」という私の大好きな野菜は、「霜月の夜」の「あたたかき雨」に降られて太るのでありましょうか?
 だとしたら、あの葱も一筋縄では行かない曲者のように思われます!
 九席。
     包丁で細かく刻み味噌と和へ朴葉を敷いて焼いて食ふ葱  鳥羽散歩


○  通り行く小学生より背が高い泡立草はもう日本の花  (綾瀬市)小室安弘

 我が国には、毎年の秋から冬に掛けて、背高泡立草が撒き散らす花粉が原因で花粉症に罹って苦しむ者がゴマンと居りまして、斯く申す、私の息子の一人もその仲間です!
 それを知ってか知らないでかは判りませんが、私と同じ神奈川県の住民の小室安広さんとやらは、何処でどう気が狂ったのか、「泡立草はもう日本の花」などと、馬鹿げたことを仰る!
 斯くなる上は、神奈川県民の風上にも置けん!
 早々に神奈川県を立ち去り、ダ埼玉県人になれ!
 馬場選の末席。
     通り行くコロボックルより背が低い鳴子百合なら日本原産  鳥羽散歩
     通称は口にするのも汚らわしいブタ草生えたら徹底的駆除

古雑誌を読む(短歌・2018年7月号)

○  ぬばたまのなかなる家族花火もて照らし照らさるそれぞれの時  坂井修一『ジャックの種子』

○  人絶えて信号のみが点滅しさくらながるる夜半の五差路に  篠弘「五差路」

○  高層のビルの夕影入りくるを背なに負ひつつ採決に入る

○  つかのまの休息として庭に出づ種播きしことあらぬいくとせ

○  ビル風にスカート抑へむとするひとのその指先は闇を浄めつ

○  水をこぼす 長谷雄草子に抱かれて溶けしをんなのやうにひろがる  米川千嘉子「飴ゴム」

○  色セロファンといふものをまだ子どもらは使ひをらむか夕焼けの射す

○  ママともはつひに友ではなかりけり道の向うの銀の自転車

○  水やりのお母さんら来ることもなし福祉協議会の花壇の消えて

○  廃線の鉄路を覆い明るきはカラスノエンドウこれよりは出羽  大下一真「そののち憤怒」

○  標札を見つつに過ぐるときありて橋本、飯田、瀧澤の家  小池光

○  踏みしめて仁王は立てり春なれば足裏を見せて飛びたからむに  栗木京子

○  窓閉ぢしのちに集まる来る風のありて憲法記念日は暮る

○  のりしろのような時間がほのひかる葉桜の下をパトカー過ぎる  小島なお

○  梅雨どきは顔を取り替えたい季節あそこの白い草芙蓉などと

○  ほんとうのさみしさからはほど遠く樗の下に逆さまのバケツ

今週の「朝日歌壇」より(2018/11/18掲載・佐佐木幸綱選)    決定稿只今脱稿!即時公開!乞う、再読讃嘆!

〇  このごろのわが見る夢はドローンの活躍ありてスケール増せり  (東京都)松本知子

 松本知子さんが夜な夜な見られる御夢の中には「ドローン」が登場するのでありましょうか?
 斯く申す、私が明け方に見る淡い夢の中には、石川五右衛門が登場して、捕り方になっている私が、いざ、捕まえようとすると、その途端に「ドローン」と消えるのであります。
 そうした状態では、私は何時まで経っても与力や同心などの幕臣には出世出来ませんから、ヤキモキしているのでありますが、そういう私を見て、恋女房のお瀬津は、「あんたって男は夢が無いねえ!」なんて揶揄うのでありますが、私としては、これ以上どうにもなりません!
 首席。
     捕り方に追はれし石川五右衛門が霞の彼方にドローンと消えつ!  鳥羽散歩


〇  亡き妻のための車椅子返却し一人の家は廊下が長し  (江田島市)和田紀元

 「長い廊下」というタイトルの映画を観たような気がします!
 そのストーリーは、「ブラジル生まれの男が、自らの犯した<金融商品取引法違反容疑>で逮捕されて有罪が確定し、フランス国内の監獄の長い廊下を、獄吏に牽かれて歩いて行った先に、日産自動車の<NOТE>が待ち構えていて、日本の横浜まで緊急自動車輸送された」などと言う、あまりにも出来過ぎたものでありました!
 是って<正夢>なのでありましょうか?
 次席。
     護国寺の鐘の音ゴーンと鳴り響き容疑者ゴーン氏解任決定!  鳥羽散歩


〇  エゴばかり優先させてトランプ氏終末時計軽く進むる  (延岡市)河野正

 それを言うならば、「エゴばかり優先させてゴーン被告容疑を否認未練がましき」とも、「エゴばかり優先させて安倍総理民心を無視あまりに卑劣」とも言えましょうか?
 作中の「終末時計」とはね「アメリカの科学雑誌『ブレティン・オブ・ジ・アトミックサイエンティスツ』が毎号表紙に掲げている<地球最後の日>までの時間を表示する時計。核戦争の危機を訴え,1947年に初めて登場。米ソ冷戦の終結を迎えて,90年4月号では針を4分戻し,終末 (午前零時) 10分前とされている。時計の針が動かされたのは,初回から数えて今回で 13回目。このうち針を戻したのは6回であるが,米ソの対立が激化した 84年には破滅3分前に迫った。しかし 87年の米ソ首脳会談で6分前に戻された。なお 89年 10月号からは,環境問題も時刻の基準に加えられるようになった。」とか!
 「終末時計軽く進むる」とは、件の「トランプ氏」とならは、貴景勝関にも勝る力持ちなのかも知れません!
 四席。
     エゴばかり優先させて鳥羽散歩終末時計の振り子を壊す  鳥羽散歩
 私・鳥羽散歩が壊した終末時計は、螺子巻き式の時代物ですから振り子が命なのです。
     

〇  沖縄に愛無き人が基地負担軽減をいう悪しき冗談  (国分寺市)田辺龍郎

 「冗談」で言うのなら未だしも、彼は本気になって言うのですから、何処にも救いがありません!
 五席。
     角界に未練を持たぬ貴乃花!貴景勝を手放し失敗!  鳥羽散歩
     沖縄に愛人持たぬアベ某は細君某とも仮面夫婦!


〇  助六の紫色の鉢巻きにとんぼが留まる村芝居の午後  (酒田市)富田光子

 「助六の紫色の鉢巻き」とまでは、ごく普通の発想であるが、その「紫色の鉢巻きにとんぼ」を留まらせるとは、富田光子さんも山形県人のくせしてなかなか遣りますね!
 して、助六を演じたのは、寡婦の床屋の居候の権太楼なのでありましょうか?
 六席。
     助六の鐵錆色の褌に蚤が棲み付く居候暮し  鳥羽散歩


〇  時代から解放されたい馬もいる飾りつけられ手綱を持たれ  (大津市)佐々木敦史

 史上空前の競馬ブームの今日ではあるが、例えば、<南部のちゃぐちゃぐ馬っこ>、<相馬の馬追い祭>、<岐阜県中津川市坂下の花馬祭り>、<長野県南木曽町田立の花馬祭>などの馬を主役とした祭典は日本各地に現存して居り、また、馬が居なければ成立しない<流鏑馬>も、鎌倉八幡宮や京都の下鴨神社など、全国各地に現存している。
 これらの祭典に登場する馬は、背中を花で以て飾られ、御者に手綱を持たれて意気揚々として、花の舞台に登場するのであるから、史上空前の競馬ブームという「時代から解放」された「馬」という事が出来ましょうか?
 七席。
     親方の時代遅れの流儀から解放されてか貴景勝関  鳥羽散歩


〇  朝焼けも夕焼けも好きな場所で見る初心者マーク付けて私は  (富山市)松田梨子

 佐佐木幸綱先生の松田短歌姉妹贔屓も、この段に及べば笑止千万!
 私・鳥羽散歩としては、嘲笑して黙視するしか為す術がありません!
 一体全体、この駄文の何処が短歌なのでありましょうか!
 八席。
     霜焼けもナイロンヤッケもありません!下山は特に注意しなさい!  鳥羽散歩


〇  原発事故風化の中に帰る所無きまま彷徨う八年目の苦悶  (いわき市)守岡和之

 此処を先途とばかりの「原発事故」題材の一首でありますが、これが佐佐木幸綱選の入選作品なのかしら!
 先ずは以て、大幅な字余りを解消するべくご努力なさるべきでありましょう!
 九席。
     領土問題風化の昨今またぞろの日露交渉安倍氏暴走!  鳥羽散歩
     拉致問題風化の惧れ無しとせず!米朝交渉未だ未知数!

今週の「朝日歌壇」より(2018/11/18掲載・高野公彦選)     只今、初稿脱稿!即時公開!乞う、熟読讃嘆!

〇  よく戦い餓えて死せる兵士らに深く詫びつつ新米を食む  (足利市)西村照代

 昨今の世相がよく反映されている一首である!
 私の縁辺にも、満州事変から延々として続いて来た、戦争の犠牲となって亡くなった方々が沢山いらっしゃいますが、私自身は、ただの一回たりとも、「私自身の現在が、彼ら戦死者の存在で以て保証されている」などとの、小難しい事を考えた事がありません。
 本当は、それではいけないのでありましょうが!
 しかしながら、第二次世界大戦、即ち、<先進諸国に拠る侵略戦争>の犠牲になって亡くなられた方々は、本当の意味で「よく戦って」亡くなったのでありましょうか?
 「飢えて」亡くなったのは事実であるとしても!
 そういう意味では、「よく戦い」と「飢えて」とが<ワンセット>のようにして語られる、昨今の世相には、いささかならず抵抗を感じている、私・鳥羽散歩なのであります!
 首席。
     新米を食する度に思はるる五反三畝の小百姓の父  鳥羽散歩


〇  朝食に松茸めしをいただいて大根の間引き張りきってしたる  (沼津市)岩城英雄

 自慢して口にする訳ではありませんが、私の少年時の我が家に於いては、毎年、秋になれば、三食とも<茸尽くし>の食事をしていたのであり、「松茸めし」なんて代物は、格別に珍しいとも有り難いとも思わずに、「また松茸飯か!」といった感じで食べたものでありました。
 然るに、<国産マツタケ一本が数万円!>という、昨今の都会生活の中では、<松茸御飯>なる高級料理には久しくお目にかかった事がありません!
 それにしても惜しまれてならないのは、<市内一番の茸取り名人!>と言われた、我が父親の死である!
 我が父親は、明治26((1893)年生まれとか聴いて居ますから、仮に、生きていたとしたら百三十歳近くにもなっていたのでありましょうか!
 次席。
      化け物だ!我が父親は化け物だ!早くに死んで呉れて良かつた!  鳥羽散歩


〇  母の住む施設の町にも慣れてきて八百屋でリンゴ負けてもらいぬ  (福岡市)吉浦幸子

 何事に於いても「慣れる」という事は大切なものであり、「慣れ」というを馬鹿にしたりしてはなりませんし、あまりにも過剰に「慣れ」に寄り掛かって居てはなりません!
 斯く申す、私・鳥羽散歩の川崎住いも、かれこれ十年になろうとして居りますが、是までの住居とは異なり、今の住居に於いては、隣り近所とのお付き合いも極めて少なく、ご近所の方々と家の前の七十段余りの階段で出会っても、「おはようございます!」とか、「こんにちは!」といった軽い挨拶を交わす程度のお付き合いなので、未だに、今の住居にも居住地域にも慣れないままに、矢鱈にうろうろしているばかりの川崎暮しなのである。
 こんな事ばかり書いていると、香川県の粟島辺りから、「そもそも、鳥羽って人間は、他人に慣れるとか、隣り近所の人々とお付き合いの出来る人間なのか!お前が、人並みの人間の顔をして居られるのは、我ら、大学時代の友人の支えが在ってこそなんだぞ!」などとの、失礼千万な罵声が飛んで来る惧れ無しとしませんが、「何を隠そう、私・鳥羽散歩は、今でこそ、川崎市の片隅に逼塞してはいるが、元を質せば、横浜市内の某区の区民歌や、地域社会の集会や祭典などで、毎年歌われ、踊られる『○○音頭」の作詞者様なるぞ!失礼千万!寄らば斬るぞ!」と一喝して遣りたい思い無きにしもあらず!
 例に拠って、例の如く、全くの無駄口を叩いてしまいましたが、そろそろ本題に戻りましょう。
 本作の作者・吉浦幸子さんは、「母の住む施設の町にも慣れてきて」、通い付けの「八百屋でリンゴ」を「負けて」貰った、とか!
 先ずは以っておめでとうございます!
 これからも、居住区域のみならず、えにし浅からぬ土地は大切になさいませ!
 ところで、私・鳥羽散歩は、今を去る事十八年前の七月からの約・八年間、北東北の、とある田舎町に寓居を構えていて、我が妻女の実姉が経営する🍎園のボランティア(無償奉仕)をしていたのでありますが、そうした私の経験に基づいて話しますと、「同じ林檎でも、東京の市場に出荷される🍏と林檎農家の方々が食する🍎との間には、計り知れない程の較差が在る」という事です。
 即ち、東京の市場に出荷される🍏は、見栄えは多少良いかも知れませんが、未だ完熟しない時期に捥いだ品であり、収穫時期の終盤に農家の方々が、自家用にする為に捥いだ<完熟・林檎>との間には、お天道様とお店の番頭さんの較差にも劣らない較差が在るのです!
 察するに、本作の作者・吉浦幸子さんが、「八百屋」で「負けて」貰った林檎は、完熟林檎とは、この地上と月世界との隔たりにも劣らない隔たりの在る、超特価品の林檎なのでありましょう!
 作者ご自身は「母の住む施設の町にも慣れてきて」などと仰いますが、彼の地の人々にとっての吉浦幸子さんは、未だに<得体の知れない外来者>であるに違いありません!
 それはともかくとして、この度の高野公彦選のご入選、真におめでとうございます!
 三席。
     「九州もんに俺の気持ちが解って堪るもんか!」と平鹿林檎の告白したり!  鳥羽散歩


〇  コンビニは陰をつくらず明るくて何でもあって特別はない  (長野県)沓掛喜久男

 「コンビニ」が「影をつくらず」に店舗全体を「明るく」しているのは、「お客様の為と言うよりも、<万引き>や<コンビニ強盗>を防ぐ為である」との話を、ファミリーマートの経営者から聴いた事があります。
 ところで、本作の作者・沓掛喜久男さんは、長野県内のある町で、書店を経営なさって居られる、と聞いた記憶がありますが、もしかしたら、是まで経営して居られた書店を閉じられ、全国チェーンの<ファミリーマート>か<セブンイレブン>傘下のコンビニ経営をなさるつもりではありませんか!
 なにせ、日本全国の町町から書店と名の付く店舗が、毎日のように消失して行く昨今であれば、それも致し方の無い事とは存じますが、それにしても、真にお気の毒な事ではありましょう!
 四席。
     コンビニは全国展開チェーンなれば利益の大半元締めが得む!  鳥羽散歩
 という事になりますと、コンビニはヤクザ組織みたいな存在でありましょうか?


〇  藤袴いかなる術で導くやアサギマダラをこの裏庭へ  (大洲市)村上明美

 「アサギマダラ」を「裏庭」に誘き出す為には、如何ほどの知恵も術も工夫も要しません!
 疑う者は、讃岐は詫間市粟島の喜多さん邸のお庭におみ足をお運び下さい!
 彼の御庭には、「アサギマダラ」はおろか、<ピーコックパンジーバタフライ・ナガサキアゲハ・ウラモジタテハ・エメラルドアゲハ・ジャイアントフクロウチョウ・ウッドホワイトバタフライ・ホワイトモルフォチョウ・グラスウィングバタフライ・コノハチョウ>等などの、凡そ、舶来の蝶類図鑑でしかお目に掛かれないような、珍しい蝶がひらひらうようよと飛び交っているとの、専らの巷の噂ですよ!
 で、彼・喜多さんと来たら、凡そ、知恵も工夫も無いような老人でありまして、敢えて言うならば、喜多さんのあの高潔無比な人格、あの喜多さんの悠悠せまらぬ高潔無比なる人格が在ってこその<世界的珍蝶>の往来なのでありましょうか?
 五席。
      我が庭の烏揚羽も消えにけり!温州🍊の収穫近し  鳥羽散歩


〇  いつのまにか駅の本屋の閉じられてバスを待つ間の手持ち無沙汰よ  (岸和田市)高槻銀子

 本作に接して、私・鳥羽散歩は、長野県内のとある田舎町で書店経営にご邁進なさって居られる、歌人・沓掛喜久男さんに、思いを馳せてしまいました!
 さる統計に拠ると、今を去る事に十年前の1999年には、二万数千店舗余りも在った我が国の本屋さんの半ば以上が閉店の憂き目に遭い、2016年には、一万二千店舗に成り果ててしまった、とか!
 私の少年時代は、「冒険王」とか「面白ブック」とか「少年倶楽部」とかの少年雑誌の全盛期でありまして、私自身は、少年と言うよりも少しませた小学児童でありましたから、多少背伸びをして「譚海」なども読みましたが、毎月、毎月、「今月は何を買って読もうか?」などと思案したものでありました!
 それに付けても思われてならないのは、それ程広くも無い店内を見渡しても、人っ子一人居ない、長野県某町の「沓掛書店」の侘しい店内風景なのであります!
 沓掛喜久男さんのご都合が宜しければ、今晩辺りは松本駅前で待ち合わせをして、<松本藩酒場・酒楽>の暖簾でも潜りたいところでありますが………!
 ところで、<だんじり祭り>でお馴染みの岸和田市にお住いの高槻銀子さんよ、貴女の街でも「いつのまにか駅の本屋の閉じられ」てしまった、との事でありますが、そんなこんなで「バスを待つ間の」三十分間の「手持ち無沙汰」には、本当に遣り切れませんね!
 六席。
     酒楽の馬肉料理は高く付く!<風林火山>で飲みませんか!  鳥羽散歩


〇  けさふうわり私の前を雪虫が昇って行った引力無視して  (仙台市)二瓶真

 五句目の漢字「無視」に「スルー」との振り仮名が在り!
 下手な小細工は止しましょうよ!
 七席。
      雪虫は故里言葉で「あんがりさんがり」!引力などに関りが無く!  鳥羽散歩


〇  ジャンプして上手にわれに抱かれくる五歳は日増し重くなりゆく  (横浜市)山本雅子

 お孫さんでありましょうか?
 それとも、遅くに御出産なさった実のお子様でありましょうか?
 それはともかくとして、あまりにも過剰な可愛がりようには、こちらとしてもお手上げ状態なんですよ!
 八席。
     謂ふなればお犬様かな?どうせなら牽き綱付けてお散歩したら!  鳥羽散歩


〇  言の葉の枯れゆく老いを介助する電子辞書あり無言の教師  (福岡市)倉ノ前松

 確かに「電子辞書」は「無言の教師」みたいなものでありましょうが、でも、無言の教師にだって、顔の表情や息遣いに拠って、自らの言葉足らずをカバーする場面がしばしば見受けられますよ!
 九席。
     言葉数少ないけれど愛情を持つて接する教師が好きだ  鳥羽散歩


〇  ケンカするパターンを知り回避する言葉に気づく林檎の季節  (富山市)松田わこ

 一首の末尾に「林檎の季節」という七音を置いた、作者の意図が知りたい!
 それはともかくとして、選者の高野氏は、「松田さんも、少しは大人になったな!」などと思われて、本作を自選の末尾に据えられたのでありましょうか?
 高野選の末席。
      丸のまま林檎噛んでるわこさんの虫歯が見える川崎からも  鳥羽散歩

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