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詩歌句誌面

読解なくして論評あらず。

年末に当っての御礼

 平成三十年も、残り数日となりましたが、本ブログの愛読者の方々に於かれましては如何お過ごしでございましょうか!
 私・鳥羽散歩は、本日の書き込みを以て、平成三十年の書き込みの全てを終了させていただきます。
 振り返ってみますると、私のブログ歴も、秋田県横手市平鹿町在住当時の「フォックス・ギャラリー通信」、埼玉県川口市在住当時の「見沼田圃の畔から」、そして、川崎市多摩区に定住してからの「臆病なビーズ刺繍」及び「詩歌句誌面」と、四代の多きを数えるに至りました。
 その間の十五年余りの歳月の中で、論評させていただきました作品に寄せる返歌として、私は、凡そ二千首余りの即興歌を詠んで参りましたが、これらの駄作の大半は、言わば妾腹の子としての扱いであり、世間様にご披露できるような作品ではございません。
 就きましては、新年度からは、今一層の努力をして、皆様方に正面からご披露できるような作品を詠んで参りたいと存じますので、本ブログの愛読者の方々に於かれましては、今まで以上のご教授及び叱咤激励を賜りたく、宜しくお願い申し上げます。
    平成三十年十二月二十七日   鳥羽散歩
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今週の「朝日俳壇」より(2018/12/23掲載・高山れおな選)                           聖鐘に裸木唱ふ如く立ちイブの会堂霧に巻かれつ  鳥羽散歩

〇   寒林のなかの目玉よ生きている   (高崎市)本田日出登

 どんなに寒くとも「目玉」だけは動いている!
 その目玉の動きで以て、高崎市にお住いの本田日出登さんは、自らの「生」を実感しているのでありましょう。
 高山選の首席。
     翰林に脚を踏み込む宦官のまなこ鋭く学才萎ゆる  鳥羽散歩


〇   また一人詰める屋台のおでん酒   (柏市)物江里人

 なにしろ、おでん屋の親爺と来たら、四人掛けの屋台の椅子に十人も座らせますからね!
 次席。
     また一人入つて来たが女性客ではあるがお笑ひのデブタレ  鳥羽散歩


〇   飛蝗の死片翅天に立てゝゐる   (各務原市)辻美治

 「片翅」を「天に立て」たりして「飛蝗」も亦、一所懸命に生きようとしたんでありましょうが、結局は死んでしまったんですね!
 三席。
     生きざまを飛蝗に学ぶ!片翅を天に立てつつ飛蝗は死ねり!  鳥羽散歩


〇   恋争ひか白鳥の三つ巴   (東京都)石川笙児

 と言うよりも、三角関係なのかも知れません!
 四席。
     白鳥の雄が二羽居て雌一羽忽ち開始嬲り性愛!  鳥羽散歩


〇   雲髻の師をいただきて琴始   (札幌市)村上紀夫

 「雲鬟(うんけい)」とは、「女性の美しいまげ」の意である。
 札幌市にお住いの村上紀夫さんは、恐れ多くも「雲髻の師をいただきて琴始」を行ったのでありましょうが、何分、それは平成三十年の正月の出来事でありましょうから、いささか年遅れのいう感じなきにしも非ず、というところでありましょうか?
 五席。
     雲髻のバイオリニストを組み敷いて舞台の裏でする姫初め  鳥羽散歩 
    

〇   聖鐘に裸木唱ふごとく立つ   (ドイツ)ハルツォーク洋子

 いかにもドイツらしい光景である!
 六席。
     聖鐘に裸木唱ふ如く立ちイブの会堂霧に巻かれつ  鳥羽散歩
     

〇   木枯に吹き寄せられし立ち飲み屋   (米子市)中村襄介

 「立ち飲み屋」の屋台が「木枯に吹き寄せられ」たのだとしたら、一大事件ですよね!
 七席。
     木枯しが吹いたからとて立ち飲み屋!降れば降つたでママのスナック!  鳥羽散歩


〇   予科練の短劔ほどのさんまかな   (土浦市)茂手木皓介

 何もこの場面で「予科練」を出して来なくても宜しいのに!
 「日本全国挙げて右寄り!」とは、この事を指して謂うのでありましょうか?
 八席。
     予科練の短剣ほどの反り具合!茂手木さんは未だ未だ現役!  鳥羽散歩


〇   大くさめ六人部屋が跳び上がる   (横浜市)森山吐鬼

 「六人部屋が跳び上がる」のは少し大袈裟ではありますが、バスに乗っている時、誰か一人がクシャミをすると乗客全員が嫌な顔をする場面はよく目にしています!
 九席。
     B型のウイルス飛ばしてクシャミする禿の親爺は大嫌ひです!  鳥羽散歩


〇   内蒙派将外濠派鴨の陣   (福岡市)下村靖彦

 「二・二六事件」を前にしての、陸軍内部の「統制派」と「皇道派」の対立みたいな様相を呈しているのでありましょうか!
 高山れおな選の末席。
     鴨の陣!皇居挟んで急を告ぐ!皇女真子様どちらの味方!

 高山選の末席。

今週の「朝日歌壇」より(2018/12/23掲載・永田和宏選)                                鍬が錆び使用に耐へぬやうになる!アイスキャンデー食ふのは我慢!  鳥羽散歩

〇  深ぶかと土に打たれた一挺の備中鍬が雨に濡れおり  (観音寺市)篠原俊則

 「備中鍬」などと、取り立てて特殊な鍬のような呼び方をするが、深耕や水田荒起に用いる際に便利なように、歯先が三つ股や四つ股に分かれた鍬を指して謂うのであり、三本鍬だとか四本鍬だとかと呼ばれて、凡そ、農家を名乗るなら何処の農家の小屋にでも見受けられる、極めて当たり前の鍬を指して謂うのである。
 本句の場合は、備中鍬を使って畑地を耕起していた者が、何かの都合で耕起作業を止めて(例えば、小用を果たしたくなったとか、アイスキャンデーを食べたくなったとか)、件の鍬を畑地に突き刺したままにして居なくなってしまっただけの事でありましょう。
 首席。
    鍬が錆び使用に耐へぬやうになる!アイスキャンデー食ふのは我慢!  鳥羽散歩


〇  「僕はママの着せ替え人形じゃないんだ」店全体が静かになった  (青森県)吉田敦

 青森県の何処の田舎に、<しまむら>の子供服売り場で「僕はママの着せ替え人形じゃないんだ!」などと、駄々をこねるような頭のいい子供が居るのでありましょうか?
 そんな事、私・鳥羽散歩は、とても信じらんない!
 青森県田舎館村の吉田敦さんよ!
 嘘八百並べなさんな!
 仮に、そんな頭のいい子が青森県に居たとしたならば、私・鳥羽散歩は、件の「僕」に<青森県の出来過ぎ君>と言う、ニックネームを奉りたく存じ上げます!
 次席。
      「僕はママの実の子供じゃないんだ!」ご父兄席が真っ白になる!  鳥羽散歩


〇  夢洲に万博決まる住の江は一目多くて通へぬ路に  (吹田市)船越一英

 「住の江の岸に寄る波よるさへや夢の通ひ路人目よくらむ」は、藤原定家選の「小倉百人一首」の所収歌で、作者は<藤原敏行朝臣>である事は、本ブログの愛読者の方々ならば、先刻よりご承知の事でありましょう。
 本作は、件の藤原敏行朝臣作を下敷きにして、「夢洲(ゆめのしま)」を会場にして、二〇二五年に大阪万博が行われる事を風刺したのでありましょう。
 三席。
    府民みな維新の着せ替え人形なれば財政無視して万博強行!  鳥羽散歩


〇  作者像の見えないうたはつまらぬと抉られて沁む評者の言葉  (仙台市)沼沢修

      ひとときにけやき若葉のかがやきて往来はなやぐ仙台の街     (仙台市)沼沢修
      鹿避けの警笛鳴らし雪野ゆく車両ひとつの花咲線は
      外国の客ににぎわう最上川四ケ国語の舟唄ひびく             
      妻と来て山ぶどう買う道の駅嗅げば蔵王の秋かおりたつ
      火葬場に母を焼く音しずかにて母の一生を想う百分
      イケメンで性格よくて浮気せぬ金持ち募集の絵馬にたじろぐ
      日本海の入日に染まる羽越線貨物列車のながき音する
      五能線に雪のふる頃さびしげな湯宿に地酒飲みたきものを
      北方の女美しき夢路の絵名残雪降る酒田に出会う
      退職の後の上司は妻なりと心を込めてコーヒー淹れぬ
      残さずに脱脂粉乳飲みし頃われら明るきセピアの写真
      猫の恋生涯母の嘘知らず

 インターネットで検索したところ、仙台市にお住いの沼沢修さん作の朝日歌壇の入選作として以上の十一首、及び、朝日俳壇の入選作として一句がヒットしました。
 もう少し、念入りに検索すれば、まだまだヒットするかも知れませんが、私としては、初期の目的を果たすことが出来たので、是で止めて置きたいと思います。
 それと申しのは、この度の私のネット検索の目的が、前掲の入選作、即ち「作者像の見えないうたはつまらぬと抉られて沁む評者の言葉」が、沼沢修さん一流の社交辞令的な言辞なのか、「作者像の見えないうたはつまらぬ」という、作中の「評者の言葉」が、沼沢修さん作に対する評言として的を得たものであるか、を確認しようとしてのものだったからなのであります。
 これらの入選作の孰れもが、決して、決して、決して「作者像の見えないうた」とは言えないように、私・鳥羽散歩には思われます。
 この点に就いての、本ブログの読者の方々のご意見を拝聴させて頂きたいと存じますので、宜しくコメントをお寄せ下さい。
 四席。
     お人良し、旅と女と酒が好き!沼沢さんは両刀遣ひ!  鳥羽散歩


〇  アメリカに帰化せし後の訪日は身は「行く」なれど心は「帰る」  (アメリカ)大竹博

 「行く」も「帰る」も、単なる言葉の遊びに過ぎません!
 大竹博さんが「アメリカに帰化」されたのは、言わば<打算的な判断>に拠るものではありませんか!
 五席。
     出国する時は「行く」と言ふけれど成田に着くと「帰つて来た」とか!  鳥羽散歩


〇  「夢を買ふ」と長蛇の列の宝くじ夢は並んで買ふもんじやない  (川越市)渡邉隆

 閑古鳥が鳴いている「宝くじ」売り場が在りますよ!
 内緒ですけど、小田急線の向ヶ丘遊園駅前の売り場なんかはその口です!
 なにしろ、売り子の婆さんが愛想一つ言いませんからね!
 つい先日、私が歳末ジャンボ宝籤を買おうとして、「三億円でいいですから、なるべく当たりそうな奴を連番で下さい!」と言ったら、何と驚いたことに、件の糞婆ったら、「当たる奴とか、当たらない奴とかは、抽選日になってみなければ判りませんよ!」と言って、ぷいっと横を向いて煙草なんか吸い始めたんですからね!
 六席。
     夢を買ふイコール歳末ジャンボ宝籤を買ふ事ではありません!  鳥羽散歩


〇  自転車のペダルを踏めばすぐわかる京都の町の上ル下ルは  (京都市)中尾素子

 ネット検索してみたら、もの凄く丁寧な解説にヒットしましたので、その記事をそのまま、如何に無断転載させていただきます。
 件の記事のタイトルは「京都の町の<上ル・下ル>」であります。

 京都の市街地の地名は「上ル」や「下ル」、「西入る」、「東入る」といった特殊な地名の表記があって京都以外の人からはちょっと意味が分からないと言われる事があります。しかしそんな難しい事でもありません。ただしちゃんと理解しようとすると複雑です。このページを読むだけで日本全国の方が理解できるように徹底解説しようと思います。

     「上ル」「下ル」「西入ル」「東入ル」の読み方
   上ル…あがる
   下ル…さがる
   西入ル…にしいる
   東入る…ひがしいる
 と読みます。書き方は「上ル」などカタカナでもOKですが正しくは「上る」が正しいそうです。住所を書くときは上る、下るはそのままですが、西入るは西入、東入るは東入と「ル」を書かない事もあります。

     由来と意味
 意味はいたって単純です。「上ル」というのは北に行く。という意味、「下ル」は南に行く。西入ルは西に、東入ルは東へ行く事を指します。京都は碁盤の目に町づくりされている為このような言い方がされます。御所(天皇)に向かって南北の通りを北に向かう「上る」、御所から南北の通りを南に遠ざかる事を下るといった所からきています。御所を中心に考えられた言葉ですが、現在は御所より北まで町が広がっております。御所より北側にある町でも、北へ行く事を上る、南は下るといいます。現代では御所関係なく、市内では北=上る、南=下るといった意味で使われています。  (無断転載、以上で終り)

 この解説はこの解説としても、前掲の中尾素子さん作は「自転車のペダルを踏めばすぐわかる京都の町の上ル下ルは」となっていますが、これに従いますと、京都の街は、南側が最も低くて、北に向かうにつれて高くなっているのでありましょうか?
 七席。
     鴨川の堤防決壊京都駅以南一帯湖となる!  鳥羽散歩 


〇  入院の長き仰臥の夫の目の我を追ひをり秋深みけり  (北九州市)小長光吟子

 なにせ、奥様以外には縋り付く柱が在りませんからね!
 八席。
     入院も長きに亘り病み臥せば女房以外頼るもの無し  鳥羽散歩


〇  旅の荷は軽きがよろし上か下かどちらにしよう『万葉百歌』  (さいたま市)大浦健

 岩波新書版の『万葉百歌』には、上巻と下巻が在りますからね!
 九席。
     都合良く上巻下巻の二分冊!上にしやうか?それとも下かな?  鳥羽散歩


〇  さりげなく「そう言えば」と言う時は後が厳しい妻の口癖  (千葉市)鈴木一成

 「口癖」とまでは、述べる必要がありません!
 永田和弘選の末席。
     さりげなく「さう言さへば」などと言ひながらワイシャツの襟の辺りの汚れ!  鳥羽散歩

今週の「朝日俳壇」より(2018/12/23掲載・大串章選)                         神を持たぬ我が窓辺を.も彩りてイブの電飾煌めき已まず  鳥羽散歩

〇   葱焼いて耕衣の夢を紡ぐなり   (北斗市)北村和利

 「夢の世に葱を作りて寂しさよ」とは、自らの戒名を「田荷軒耕衣夢葱(でんかけんこういむそう)居士」と称した、俳人・永田耕衣の第三句集『驢鳴集』所収の一句であり、俳人・耕衣の代表句でもある。
 上五の「葱焼いて」から連想されるのは、飛騨高山の<朴葉味噌>であるが、朴葉味噌に限らず、野菜畑から抜いて来たばかりの葱を焼いて酒のつまみとしたり、夕飯のおかずとしたりする事は、田舎住いをしていればよく遣る事である。
 北辺の地・北斗市にお住いの本句の作者・北村和利さんは、晩酌のつまみにする為に「葱」を焼きながら、件の永田耕衣の名句の世界に思いを馳せているのでありましょう。
 大串選の首席。
      一世は葱を焼く間に過ぎにけり邯鄲の夢一炊の夢  鳥羽散歩


〇   足跡が沖を見ている冬の海   (鹿児島市)青野迦葉

 波打ち際まで来て止まった足跡は、これから入水しようとする海の彼方の西方浄土に憧れているのでありましょうか!
 次席。
     足跡は波打ち際で消へにけりビニールサンダル漂ふ沖へ  鳥羽散歩


〇   あちこちにそうだねーの声年忘れ   (八王子市)大串若竹

 軽い奴らばっかりが集まっての「年忘れ」なのでありましょうか!
 三席。
     「ゴーンほどの給料貰へる男なら妾だつて居る!」「そうだねー、そだね!」  鳥羽散歩


〇   草の絮兵士のように飛び立てり   (さいたま市)高田知子
 四席。
〇   返り花帰らぬ孫の遺影かな      (川越市)吉川清子
 五席。
 時恰も、<護衛艦・いずも>を空母化する防衛予算が碌々審議もされずに強行採決されて衆参両院を通過したのである!
 いずれその裡に、<航空母艦・いずも>から<STOVL戦闘機F-35B>が、北の空に向かって「草の絮」の如くに飛び立って行く日が来るに違いありません!
 そう言えば、今年の冬は、桜や躑躅の「返り花」が至る所に咲いていたような気がします!
     蒲公英の絮の如くに知覧から飛び立ち行きて二度と帰らず  鳥羽散歩


〇   逢引の電飾温し冬木立   (我孫子市)大谷修介

 今年のクリスマスの時期は、私の最寄り駅の小田急線の新百合ヶ丘駅や東急田園都市線の溝口駅などの豪華なクリスマスツリーを背景にして、自撮りをしている若い男女がやけに目立ちましたが、それらの男女を見ていると、彼らは決して、「逢引」といった感じで、物陰に隠れてこそこそと遣っているといったイメージでは無いんですね!
 そうした光景を目にして、私の連れ合いなどは、「日本はこれ程にも豊かになったんですよ!日本は世界中で最も安全で最も豊かな国なんですよ!アベちゃんに感謝しなければなりませんよ!」なんて馬鹿言ってますが、まさかね!
 六席。
     神を持たぬ我が窓辺を.も彩りてイブの電飾煌めき已まず  鳥羽散歩


〇   焼芋屋企業秘密のありにけり   (越谷市)伊藤とし昭

 「焼芋屋」如き存在に「企業秘密」も何も有りはしませんよ!
 仮に有ったとしたならば、それは、他人の空家に無断で忍び入って、床板を剥がして来て、薪にしているくらいのものではありませんか?
 七席。
     肥つてる焼芋屋など見た事ない!焼芋売りは焼芋食はず!  鳥羽散歩


〇   蟷螂の眼玉より夢溢れ出る   (埼玉県寄居町)水野勝浩

 「蟷螂の眼玉より」「溢れ出る」「夢」ってどんな夢なのかしら!
 交尾している相手の雄の身体をガリガリガリと齧っている夢なのがも知れませんね!
 八席。
      アベちやんの胸より溢れ出る夢は改憲成つて参戦する夢!  鳥羽散歩


〇   十二月八日忘れじ改憲論   (名古屋市)青島ゆみを

 「忘れじ」とは、「忘れまい・忘れたくない」との意!
 本句の作者は、十二月八日を迎えるに当たって「憲法を改定する事を忘れたくない!」と固く期しているのでありましょうか?
 それとも、「昭和十六年の十二月八日の真珠湾攻撃で始まった太平洋戦争で手痛い失敗をしたのも忘れて、我が国には、安倍総理を肇とした改憲論者がうようよと居る事を忘れまい!」と思っているのでありましょうか!
 作者の青島ゆみをさんとしては、「この文面から後者の意に解釈してくれるに違いない」との意図で以て、「十二月八日忘れじ改憲論」と詠まれたのかも知れませんが、誤解される惧れ無しとしません!
 九席。
     アベちやんは未だ忘れじ改憲の夢まざまざと十二月八日!  鳥羽散歩


〇   デモ隊と機動隊行く聖樹の灯   (川崎市)多田敬

 本作も亦、夢の世界を題材にした一句なのでありましょうか?
 即ち、「デモ隊と機動隊」とが衝突して死者が出た安保闘争の夢!
 「聖樹の灯」の下に「機動隊」が出動するのは、反戦・反米・反安保・反原発の「デモ隊」を監視する為では無くて、クリスマスとやらのキリスト教のお祭りに浮かれた馬鹿者たちを監視する為ではありませんか!
 出鱈目な俳句を詠んではいけませんぞ!
 大串選の末席。
     デモ紛ひ聖者紛ひの若きらが渋谷の街を荒らし放題  鳥羽散歩  

今週の「朝日俳壇」より(2018/12/23掲載・長谷川櫂選) 改訂版                       導尿を尿の流るるひそやかな音に目覚めて命を得たり  鳥羽散歩 

〇   二本目の燗これよりは一私人   (香芝市)土井岳毅

 公人としては一本目の燗酒しか飲むことが容認されないのでありましょうか?
 長谷川選の首席。
     酔ひ乱れ元校長も一私人カッコ付けるな校歌を唱ひ!  鳥羽散歩
     ごくたまに酔ふて管巻く事あらむ喜多さんもまた元は好調!
     燗徳利股に挟んで踊り出す!地位も背広もかなぐり捨てて!


〇   大往生されたか喪中はがき読む   (竹原市)岡元稔元
 死に様の如何に関わらず、傘寿を過ぎての死ならば、「喪中はがき」の文面としては「大往生」を名乗っても宜しいとか聞きますが?
 次席。
     傘寿なれば吾も死んだら大往生腹上死でもして見せやうか  鳥羽散歩
     年齢に不足が無ければ大往生!せっきり飲んで食って死んでたんせ!


〇   新しき仏に粉雪降るばかり   (横浜市)犬山達四郎

 新仏にも情け容赦をせずに「粉雪」を降らせるとは、天帝の采配も穏やかではありません!
 三席。
     新雪に降られて滲む墓標かな阿字の乱れて菩提心無し  鳥羽散歩


〇   モネに似し池いつぱいの枯蓮   (京都府大山崎町)重田和子

 「池いつぱいの枯蓮」を見て「モネに似し」と言うのは、さすがに大山崎町にお住いの重田和子さんである!などと煽て上げるのは、私が無類のウイスキー党だからである。
 四席。
     シングルモルトウイスキー山崎!七〇〇МL廉価販売!  鳥羽散歩
     

〇   白さこそ命なりける根深かな   (島根県邑南町)服部康人

 「根深」とは、<長ネギ・白ネギ>の尊称である。
 葱が「根深」を名乗るからには、土壌に隠れて育った白い部分が最低でも三〇センチ以上無ければなりません!
 という次第で、「白さこそ命なりける根深かな」とは、相成るのでありましょうか?
 五席。
     白さこそ命なりけり京美人!丹波の山猿京都に来るな!  鳥羽散歩

 
〇   人工衛星冴ゆる宇宙を回りけり   (藤沢市)若林和

 本句の作者の若林和さんは、<国産人工衛星・いぶき二号>の乗り組みスタッフとして、大宇宙遊泳を試みているのでありましょう!
 六席。
      本日は生憎天候不良にていぶき二号の発射見合わせ  鳥羽散歩
     

〇   牡丹供養見たこともなき火を思ふ   (三郷市)岡崎正宏

 「牡丹供養」とは、「別名、牡丹焚火とも言い、天寿を全うした牡丹の古木や折れた木を供養する行事である。夕闇の中に微かな香りを漂わせながら燃え上がる青紫色の焔は、牡丹の精を思わせ、余情的な雰囲気を醸し出します。昭和53年には、俳句歳時記の冬の季語として採択され、須賀川の風物詩として定着しました。当日は、全国各地から俳句愛好者が集まり、句会が開かれます」と言う解説は、福島県須賀川市の<須賀川牡丹園>の広告記事の文面をアレンジしての、私なりの牡丹供養の解説である。
  原石鼎作の「煙なき牡丹供養の焔かな」は、須賀川牡丹園の牡丹供養に取材した名句として満天下に名を轟かせているが、本句も亦、原石鼎作に刺激されての一句でありましょう。
 七席。
      行つたこと一度限りの須賀川の秋を彩る牡丹供養よ  鳥羽散歩


〇   導尿を尿の流るる寒夜かな   (高松市)島田章平

 私・鳥羽散歩の数少ない歌友の一人のМYさんが、尿管を患って入院中とか。
 そして、本句に拠って推測するに、私のこの拙いブログに、時折り、励ましのコメントをお寄せになられる、高松市にお住いの島田章平さんも尿管を患っていらっしゃるご様子である。
 「導尿を尿の流るる寒夜かな」とは、何と身につまされること多き名句でありましょうか!
 それと言うのは、今を去ること十数年前の冬、私・鳥羽散歩は、前立腺肥大症手術の為に、秋田県横手市の病院に入院したことがありまして、その真夜中に、私の身体の尿路とベッド下に置かれた尿瓶とを繋ぐ細い導尿管の中を、私の体内から排出されたおしっこが流れて行くささやかな音は、私が斯くして生きて居る事を実感させるに十分な音でありました。
 島田章平さん、並びに、МYさんの一日も速いご回復をご祈念申し上げる次第であります。
 八席。
     導尿を尿の流るるひめやかな音に目覚めて命を得たり  鳥羽散歩
 句評と称して、手前勝手なご託を並べたのにも関わらず、作者の島田章平様からご丁重なるメールを賜りました。
 島田章平様、並びに、本ブログの読者の方々に於かれましては、ご健康には充分にご留意されて、良いお年をお迎え下さいませ!  鳥羽散歩


〇   埋み火に鬼も手をだす寒さかな   (東京都)大谷儀一

 「埋み火」に「手」を出したところで、たいして温くたまる事も出来はしないでありましょう!
 鬼って奴は、ほんとに馬鹿だなあ!
 九席。
     埋み火に手など出しても寒かろう鬼つて奴は本物の馬鹿!  鳥羽散歩


〇   人参に慰められることが多多   (高松市)柴田清子

 作中の「人参」とは、いわゆる<高麗人参>でありましょうか?
 それとも、ただの人参でありましょうか?
 その孰れにしても、私は人参が大嫌いです!
 長谷川選の末席。
     人参に慰謝さるる者多々在れど人参嫌ひの子供の多し  鳥羽散歩

今週の「朝日歌壇」より(2018/12/23掲載・高野公彦選)                          おそはやの在りとは知れどこの夕べ友が逝くとは知らざりけるも  鳥羽散歩

〇  みかん摘むアルバイターが二百人村が一番賑わう季節  (八幡浜市)大下まゆみ

 「二百人」と言えば、それ程の多人数ではありませんが、🍊栽培の集落としては「村一番賑わう季節」なのでありましょう。
 高野選の首席。
     みかん摘むアルバイターの大半が熟年過ぎた女性なのかも  鳥羽散歩


〇  おそはやの車の通る病廊に食器の音する車を待てり  (東京都)坂信夫

 「おそはやの車」とは、入院患者を乗せた車椅子に加えて病室の敷布交換をする請負業者の作業車など等!
 その「おそはやの車」の音の中には、夕食を運ぶ配膳係員の押す車の音も混じっているのであり、いち早くその音を耳にした入院患者たちは、我が部屋に夕食の入ったお膳が運ばれて来るのを、今か今かと待ち焦がれているのでありましょう。
 次席。
     おそはやの在りとは知れどこの夕べ友が逝くとは知らざりけるも  鳥羽散歩


〇  連れてって声掛けられた心地して萎れかけたるシクラメン買う  (銚子市)小山年男

 「シクラメン」を買う時は、「葉数が多くて根付きが宜しくどっしりとして重みのある鉢」を買うべし!
 それなのにも関わらず、「萎れかけたるシクラメン」を買うとは、あんたお馬鹿さんではないかしら!
 シクラメンが「連れてって」などと、来客に「声」を掛けたりするはずが無いではありませんか!
 本作は感情移入の恐ろしさを詠った一首でありましょうか?
 三席。
    銚子市の小山年男氏お馬鹿さん!来年もまた猪突猛進!  鳥羽散歩


〇  ぼっちゃんをキラキラネームにうたいかえ三人かぞくのどんぐりころころ  (高松市)一宮佳

 「どんぐりころころ/ドンブリコ/お池にはまって/さあ大変/どじょうが出て来て/今日は/空飛太(らぴゅた)一緒に/遊びましょう」などと、キラキラネームのご長男様と一緒に元気よく歌ったのでありましょうか!
 四席。
      一部分歌人の名前に歌い替え一人で歌うどんぐりころころ  鳥羽散歩
 「どんぐりころころ/ドンブリコ/小池に嵌まって/さあ大変/土壌が出て来て/今日は/光と一緒に/遊びたくない」などと、一人淋しく歌っているのであります!


〇  故郷を守れと辺野古に座り込む熱き心のおじいおばあよ  (調布市)豊宣光

 小池光先生流の言い方をすると「普通によく出来た歌である」という事になりましょうか!
 五席。
     日本を守れと辺野古の海に撒く土砂の全ては核付きなのか!  鳥羽散歩


〇  下宿屋の呼び出し電話優しさで人がつながり合っていたころ  (観音寺市)篠原俊則

 故郷から「呼び出し電話」が掛かって来て、管理人室に足を運ばなければならなかった時の煩わしさや気まずさに思いを馳せれば、過ぎ去りし昭和の昔が「優しさで人がつながり合っていたころ」などとは、とても、とても思われません!
 六席。
    ライン一発!押せば繋がる愛人と!昭和の昔に帰られません!  鳥羽散歩


〇  カップリング不発に終わり怪鳥のハシビロコウまた独り身となる  (下野市)若島安子

 三句目の「怪鳥の」は、単なる音数合わせに過ぎないのかな、などとも思ったりしたのでありますが、あの奇怪な姿を目にすると、「ハシビロコウ」は、やはり「怪鳥」と形容して述べるしか表現のしようがありません!
 七席。
     カップリング不発に終わり秋田県羽後町一帯嫁さん日照り  鳥羽散歩
 地元からの情報に拠ると、首都圏から未婚の女性を招待しての農業体験コンパなどを定期的に遣っているようではありますが!


〇  初雪の猪の罠いきいきと四方八方血のほとばしる  (津市)中山道治

 獲ったからには、骨の髄まで徹底的に食さなけれはなりませんよ!
 八席。
     来年は亥の歳だから猪を罠に嵌めたりしてはならない!  鳥羽散歩
     新年は亥の歳だから猪鍋で一杯やろう一族郎党!


〇  松の木の高みにひとの声がしてスマホと話す庭師見えたり  (横浜市)山本雅子

 着眼点の宜しきを得た傑作である!
 九席。
     加賀鳶の若い衆みんなスマホ持ち梯子の上でゲーム遣つてる  鳥羽散歩


〇  若き日は音沙汰無しを無事としき返信無きに不安募る今  (枚方市)遠藤保江

 かと言って、あまりにも頻繁に交わすラインにも問題がありましょう。
 高野選の末席。
     スマホならスタンプ押せば済むはずの安否確認手紙で遣つた  鳥羽散歩

今週の「朝日歌壇」より(2018/12/23掲載・佐佐木幸綱選)                       長いのはアバの腰巻ゴーン氏の拘留期間長きを祈る  鳥羽散歩

〇  反戦を忘れるなとめぐりくるわが生まれ日の十二月八日  (嘉麻市)野見山弘子

 あの忌まわしき開戦の日・十二月八日に、本作の作者・野見山弘子さんがこの世に産声を上げたのは偶然の出来事でしかありません。
 然し乍ら作者は、毎年、ご自身の誕生日と共に巡り来る開戦の日を、「反戦を忘れるな」という強固なる決意を込めて迎えるのでありましょう。
 佐佐木選の首席。
   日の丸の旗一本を高々とバースディケーキに掲げて祝ふ  鳥羽散歩
   十二月八日、忌まわしき開戦の日 進軍喇叭高々と鳴り渡るべし


〇  耳もとで川中美幸のふたり酒歌ってみたり寝たきりの母に  (福井市)西田百合子

 人の好みは色々でありますから、リクエストの有る無しに関わらず、「寝たきりの母」の「耳もとで川中美幸のふたり酒」を「歌ってみたり」するのも、親孝行の一手段なのかも知れません!
 奇想天外なる親孝行に敬意を表すべく、選者の佐佐木幸綱先生は本作を次席入選作に選ばれました。
     耳元でふたり酒など歌ふけど誰に遠慮が要るものかいな  鳥羽散歩


〇  長いのは田舎のバスの待ち時間運転免許を返した日から  (福井市)佐々木博之

 それからもう一つ長いのは、バスを待つ間に田舎の婆さんと交わす、正月行事の村境の綱引き大会に用いる為に、村の若い衆の共同作業として綯った長い長い引き綱の話なのかも知れません!
 三席。
     長いのはアバの腰巻ゴーン氏の拘留期間長きを祈る  鳥羽散歩


〇  ドードーもダチョウもみんな飛んでいた遠いむかしの空のにぎわい  (長崎市)牧野弘志

 『ウィキペディア』の記するところに拠ると、「ドードー (dodo) は、マダガスカル沖のモーリシャス島に生息していた絶滅鳥類。単にドードーといえばモーリシャスドードー (Raphus cucullatus) を指す。ドードー科に属する鳥には他に2種がある。存在が報告されてから83年[1]で目撃例が途絶え絶滅した。ドードー鳥(ドードーとり・ドードーどり・ドードーちょう)と呼ばれることもある。大航海時代初期の1507年にポルトガル人によって生息地のマスカリン諸島が発見された。1598年に8隻の艦隊を率いて航海探検を行ったオランダ人ファン・ネック提督がモーリシャス島に寄港し、出版された航海日誌によって初めてドードーの存在が公式に報告された。食用に捕獲したものの煮込むと肉が硬くなるので船員達はドードーを<ヴァルクフォーゲル(嫌な鳥)>と呼んでいたが、続行した第二次探検隊はドードーの肉を保存用の食糧として塩漬けにするなど重宝し、以降は入植者による成鳥の捕食が常態化した。
隔絶された孤島の環境に適応して天敵らしい天敵もなく生息していたドードーは、空を飛べず地上をよたよた歩く、警戒心が薄い、
巣を地上に作る、など外来の捕食者にとって都合のいい条件が揃っており、侵入して来た人間による乱獲と人間が持ち込んだ従来モーリシャス島に存在しなかったイヌやブタ、ネズミなどに雛や卵が捕食され、さらに森林の開発により生息地が減少し、急速に個体数が減少した。オランダ・イギリス・イタリア・ドイツとヨーロッパ各地で見世物にされていた個体はすべて死に絶え、野生のドードーは1681年のイギリス人ベンジャミン・ハリーの目撃を最後に姿を消し、絶滅した。ドードーは、イギリス人の博物学者ジョン・トラデスカントの死後、唯一の剥製が1683年にオックスフォードのアシュモレアン博物館に収蔵されたが、管理状態の悪さから1755年に焼却処分されてしまい、標本は頭部、足などのごくわずかな断片的なものしか残されていない。特異な形態に分類項目が議論されており、短足なダチョウ、ハゲタカ、ペンギン、シギ、ついにはトキの仲間という説も出ていたが、最も有力なものはハト目に属す
るとの説であった。複数の研究から、現存する最も近縁な種はミノバトと示唆されている」とか!
 そんなにも珍しい鳥類である「ドードー」も、あの超重量級の鳥類たる「ダチョウもみんな飛んでいた遠いむかしの空」は、どんな「にぎわい」を見せていただろうと推測するのが、長崎市にお住いの稀代のロマンチスト・牧野弘志さんに拠る、儚い夢物語的なこの一首なのである。
 四席。
     セミクジラも蘇我入鹿も跳んでゐた遠い大和のホームグランド  鳥羽散歩


〇  ぐずぐすになってゆく雲あちこちに繕いきれぬ青空がある  (館林市)阿部芳夫

 「ぐずぐすになってゆく雲」という詠い出しの二句は、ごく最近までの阿部芳夫さん作のマンネリズムからは想像することさえも出来なかった、斬新な表現である。
 そして、それを受ける下の三句は「あちこちに繕いきれぬ青空がある」となっているのであるが、これも亦、従来の阿部芳夫さん作からは遠く離れた型破りのロマンティックな、あまりにもロマンティックな十七音ではありませんか!
 お醤油の町・館林市にお住いの阿部芳夫さんが打ち出した新機軸に拍手を!
 五席。
     雲がぐずぐずな態度で居たならば青空のボロ隠せませんぞ!  鳥羽散歩
     青空をボロと見立てた阿部さんに白鵬関の音頭で拍手!


〇  巻きずしの金魚のしょうゆ詰め替えて「またね」を手渡す十三番線  (ドイツ)三原はるみ

 せっかくの外地からのお出ましではありますが、文意の不明瞭は否めません!
 六席。
     巻き寿司にヤマサの醤油を掛けて食べ🍊も食べたら正月みたい!  鳥羽散歩
     抱き合ひ「またね!」と言つて別れたるケルンの駅の十三番線!


〇  福島のサルに異常が起きてる小さな記事がとても気になる  (東京都)野上卓

 こうした遣り方が、戯作者流の媚態というものでありましょうか?
 一見すると、本作の作者は、自公連立政権並びに東京電力の核物質汚染防護策に疑問を呈しているようにも読み取れるのでありますが……………!
 その実は……………………………………………………?
 七席。
     福島の猿の異常が心配だ!福島県民どうでも宜しい!  鳥羽散歩


〇  木曽路この氷と雪と灯の祭馬籠の宿の路地の坂道  (伊那市)小林勝幸

 「馬籠の宿」に「氷」と「雪」と「灯の祭」と「路地の坂道」とが、勢揃いすれば「木曽路」は安泰なのでありましょう!
 でも、今となっては「馬籠の宿」が岐阜県中津川市分になってしまったのが、長野県としてはあまりにも惜しまれましょう!
 八席。
      遠き日の青山半蔵狂死せし馬籠の宿を出でられぬまま!


〇  我を会い「時代に取り残され」などとフェイスブックに書きやがる奴  (広島市)堀真希

 そいつは何処の何やつだ!
 国民総員、大挙して書込み、不埒な彼のフェイスブックを燃焼せしむべし!
 九席。
     真紀に逢ひ時代遅れと言つたのは何処のドイツだアメリカ人か  鳥羽散歩


〇  笹かまを贈れば丹波の芋とどきこころ行き交う師走となれり  (仙台市)沼沢修

 実に馬鹿馬鹿しい「師走」ではありませんか!
 それでは、クロネコヤマトを儲けさせるだけの事ではありませんか!
 佐佐木幸綱選の末席。
     笹かまも丹波の芋も食しません!丹波栗なら少しは食べる!  鳥羽散歩
     歳末の荷物なんかは蹴つ飛ばせ!中国流を見習ひなさい!

今週の「朝日歌壇」より(2018/12/23掲載・馬場あき子選)                           お仕着せの前掛け締めて丁稚どん暮のお店の煤掃きをせり  鳥羽散歩

〇  廃船は北朝鮮の漂流舟メガネ残しし漁師やいずこ  (松戸市)宮坂美恵子

 「(廃)船(は)」としながら、「(北朝鮮の漂流)舟」としたのは、「件の廃船が日本海で漁労に従事するには適しないような小舟である」といったような特別な意図が在ってのことでありましょうか?
 「メガネ残しし」が良く効いた一首である。
 馬場選の首席。
     壊れてて使用に耐へぬメガネなら棄てて逃ぐるも当然である  鳥羽散歩


〇  ガラス戸に激突したる青鳩は朱の木の実を咥え果てたり  (蓮田市)斎藤哲哉

 「青鳩」の<青>と「朱の木の実」の<朱>との対比効果を狙いとした一首でありましょうが、それだけでは何の魅力もありません!
 次席。
      ガラス戸に激突したる青鳩の翼を汚す白い糞尿!  鳥羽散歩


〇  犀三トン巨岩のごとく日向ぼこかたみにちさき耳を動かし  (埼玉県)酒井忠正

 「かたみにちさき耳を動かし」とありますが、体重「三トン」にして「巨岩」の如き「犀」をして、其処まで仕込むとは、動物園の飼育係の方のご苦労も並大抵の事ではありませんね!
 三席。
     寝てゐても交みに耳など動かして人気上昇巨岩の犀くん  鳥羽散歩


〇  卒寿こえて我に生あり大丈夫「だいぢやうぶ」とは魔法の言葉  (袋井市)松井敦子

 「『だいぢやうぶ』とは魔法の言葉」とありますが、是が「だいじょうぶ」ならば「魔法の言葉」にはなりませんよね!
 四席。
     年末のジャンボ籤を買つたけど「だいぢやうぶ」かな「だいじょうぶ」かな  鳥羽散歩


〇  阿武隈の空広くして葛尾に七年ぶりの牛棟に充つ  (福島市)青木崇郎

 故事成句の「汗牛充棟」の捩りとは存じますが、一首の短歌としての出来栄えの程は如何なものでありましょうか?
 五席。
     札数は汗牛充棟その実は<BOOK・OFF>から買つて来た本!  鳥羽散歩


〇  山頭火も木曽へと越えし峠路も廃れて猿の大き群ゐる  (伊那市)小林勝幸

 自由律俳句の種田山頭火は、五十四歳時の昭和十一(1936)年iに、雲水姿で山梨県の小淵沢から長野県の佐久まで徒歩の旅をしたとの事でありますから、その途中、標高二千百メートル余りの麦草峠を草鞋履きでこえたに違いない!
 その麦草の「峠路も廃れて猿の大き群ゐる」と化してしまったのでありましょうか?
 六席。
      県民の奮励努力が待たれます!長野県民猿を追い出せ!  鳥羽散歩

 
〇  高校の学習に飼ふ山羊二匹耕作放棄の田の草を食む  (尾道市)堀川弘

 高校の授業の一環として行われる体験学習とは、端的に言うならば、体裁のいい遊び時間に過ぎません!
 山羊の二匹や三匹を飼ったぐらいで何の体験になるのでありましょうか?
 あたり一面に糞を垂れて近所の人々に後ろ指を指されるのが関の山ではありませんか!
 尾道市の市民である堀川弘さんに拠る本作こそは、文科省の推奨する「体験学習」の本質を突き、それと無く批判の目を向けた一首でありましょう。
 七席。
     高校の体験学習糞喰らへ!山羊のウンチを食らへ校長!  鳥羽散歩


〇  汚染土の埋まる庭先黄杭四つ掘り出しは年明けになるらし  (郡山市)柴崎茂

 文意不明、創作意図不明の一首である!
 八席。
     年明けに掘つたからとてつ何になる!用途不明の黄杭四本!  鳥羽散歩


〇  見渡せば男ひとりの喫茶店後期高齢われの他なし  (諫早市)麻生勝行

 「見渡せば」とは、やや大袈裟なる表現でありましょう。
 諌早下んだりに、大の大人が見渡さなければならない程の喫茶店なんか在るもんかい!
 その上、「男ひとりの喫茶店」に、「後期高齢」者が「われの他」居ないのは当たり前の事ではありませんか!
 九席。
     老いてなほママが狙ひの喫茶店!俺はまだまだ現役なのだ!  鳥羽散歩


〇  動員の鉢巻締めて糸繰りし級友の訃を聞くのこるもわびし  (大分市)岩永知子

 当今流行りの徴用に題材を得た一首でありましょうか!
 馬場選の末席。
     お仕着せの前掛け締めて丁稚どん暮のお店の煤掃きをせり  鳥羽散歩

今週の「朝日俳壇」より(2018/12/23掲載・稲畑汀子選)                         乾坤の白一色に染まりゐて門の松のみ緑なりけり  鳥羽散歩

〇   年ごとに風邪の治りの悪かりし   (川西市)神村敏夫

 「悪かりし」に疑義有り?
 「この数年間、年齢が増す毎に風邪の治り具合が悪化して行くような気がする」という趣旨の一句でありましょうが、「悪かりし」といった過去を回想して言う形にするのは、果たして適切、且つ有効な表現でありましょうか?
 稲畑選の首席。
      喜寿過ぎて風邪の治りが悪くなり輪廻の坂を降り行く如し  鳥羽散歩


〇   忙しくも祈る事あり十二月   (つくば市)大倉真知子

 十二月ともなれば、「来年こそは幸せな年でありますように」だとか、「孫娘が第一志望校に合格しますように」だとか、「道で出会っても挨拶一つせずに、聞こえよがしに『あのくそ婆、いい年をして茶髪になんかしやがって、つくば市民の面汚しとは、あの婆の事だ!』などと、悪口雑言を口にする、隣りの家の出戻り娘が良縁に恵まれますように」だとか、何だ神田と、胸中秘かにお祈りしたくなるものである!
 そう言った素朴なる信仰心は、十二月だから忙しいだとか忙しくないだとかには関わり無く、人間誰しもの胸中に自然と湧いて来るものでありましょう!
 何せ、十二月と言えば、歳の暮ですからね!
 次席。
      年末のジャンボ籤に中つたら花田優一の靴を買はむか!  鳥羽散歩


〇   吾ゆくを妻の待ちゐる眠る山   (長岡市)長谷川回天

 「夫婦は一世の契り」とも申しますから、長岡市にお住いの長谷川回天さんのご妻女殿は、今頃は彼岸の世界に於いて、ご在世当時のご夫君とは比べる事も出来ない程のご夫君に添われて、幸せに暮らしているかも知れませんぞ!
 それなのにも関わらず「吾ゆくを妻の待ちゐる眠る山」などと訳の解らない俳句を詠むとは、耄碌にも程がありましょう。
 三席。
     吾の行く彼岸の彼方に待つてゐる閻魔大王地獄の審判!  鳥羽散歩


〇   乾坤のすべてが冬を受け止める   (小樽市)伊藤玉枝

 本来的には、「乾坤の冬一色に染まりけり」とするべき一句でありましょう。
 四席。
      乾坤の白一色に染まりゐて門の松のみ緑なりけり  鳥羽散歩


〇   初霜や鉄路はにぶく光りつゝ  (八代市)山下接穂

 「初霜を置いて鉄道線路は鈍く光っている」とは、北東北の田舎町育ちの私の記憶の底に、今でもこびり付いている光景であります。
 私の生家は、奥羽本線の線路が一望できる小高い岡の上に位置していたので、初霜の頃になると、私は生家の二階の書斎よりそうした寒々とした光景を眺望して、何故か自らの昏い未来を眺め渡しているような気持に襲われていました。
 五席。
     初霜に鉄路は鈍く光りゐて無蓋の貨車に積みゐる屍體  鳥羽散歩


〇   十二月来てしまひしといふ思ひ   (姫路市)黒田千賀子

 平成の末期に当る本年は、紅葉の秋をジャンプして、酷暑と水害の真夏から一直線に厳冬の季節へと急降下したような気がします。
 これは必ずしも寄る年波の所為ばかりとは思われません!
 六席。
     十二月!平成最後の十二月!明けて傘寿の十二月来つ!  鳥羽散歩


〇   あつけなく終る記憶や落葉焚   (横浜市)小川龍雄

 「あつけなく終る」のは、毎週一度の「落葉焚」では無くて、落葉を焚きながらしばし遊んだ、若き日の記憶の世界ではありませんか?
 七席。
     焼け杭に火が着き燃えた恋なれば落葉焚く間も燃え尽きざりき  鳥羽散歩
  

〇   鷹の目のゆつくり回しゆく大地   (静岡市)松村史基

 静岡市にお住いの松村史基さんは、欧州旅行からの帰路の機上で、自らを「鷹の目」に為して、母国・日本の「大地」を鳥瞰しているのでありましょうか!
 八席。
     帰路なれば鵜の目鷹の目逆立てて男好きする女に目線!  鳥羽散歩


〇   鶴の棹とは音の無く影の無く   (神戸市)玉手のり子

 作中の「鶴の棹」とは一地方限定の気象用語では無かろうかと推測されますが、寡聞にして私は存じ上げませんので、本ブログの読者の方で、その詳細をご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教示賜りたくお願い申し上げます。
 尚、インターネットで検索したところ、淵脇護さん作として「不知火海伸びちぢみして鶴の棹」なる一句を得ました!
 九席。
     鶴の棹!検索しても姿なく!尾や羽すらも掴まへられぬ!  鳥羽散歩


〇   年忘れ豊後訛のふと出づる   (国東市)真城藺郷

 「年忘れ」の宴会で「豊後訛」を口に出してしまったのは、本作の作者・真城藺郷さんの九州人らしからぬお人柄の宜しさが発揮された場面ではありませんか!
 私の知人の九州人と言えば、無暗矢鱈に押しが強くて、自分以外の者の存在を認めないような人物ばかりであり、私は、明日明日傘寿の祝いをしなければならない年頃になった現在に至るまで、可能な限り九州地方の人間とは同席しないように心掛けている次第であります。
 稲畑選の末席。
     同窓会秋田訛りを口にせずただ只管にカラオケ唄ふ  鳥羽散歩
     同窓会秋田訛りを気にもせず妻を亡くした男を漁る

今週の「朝日俳壇」より(2018/12/16掲載・高山れおな選) 

〇   年惜しむどこもかしこも駐車場   (新潟市)岩田桂

 「裏日本」という、今となっては死語となってしまった差別語を敢えて使わせていただきましょう。
 そうです!
 かつては、裏日本だけに見られた<シャッター街>症候群が、今では首都圏を含めた日本全国各地に蔓延してしまって、個人経営の商売は勿論の事、法人経営の場合でも小規模な法人が経営する商売は成り立たなくなり、「どこもかしこも駐車場」という歳末が現出してしまったのである。
 首席。
     スーパーもイオン傘下の店のみが末期の息を吐ける平成  鳥羽散歩


〇   子らの声沸けるがごとく黄落す   (姫路市)吉田光代

 「黄落」は「こうらく」とも「おうらく」とも読み、例えば『デジタル大辞林』の場合は「こうらく」と読ませ、「木の葉や果実が黄色に色づいて落ちること」とし、『三省堂・大辞林』の場合は「おうらく」と読ませ、「(秋になって樹木の葉が)紅葉して落ちること」としている。
 国語辞典に拠る「黄落」の<よみ>や<意味>は別として、私がイメージする「黄落」は、「田舎のお寺の境内の公孫樹の葉っぱが黄色く染まり、折からの秋風に吹かれて、はらはらと散って行く光景」なのである。
 本作の作者・兵庫県姫路市にお住いの吉田光代さんは、そうした光景である「黄落」をして、「子らの声沸けるがごとく」と直喩しているのでありますが、言われてみれば確かに、「田舎のお寺の境内の公孫樹の葉っぱが黄色く染まり、折からの秋風に吹かれて、はらはらと散って行く光景」、即ち「黄落」には、田舎の小学校の体育館や音楽室などから、突として、子供たちの黄色い声が沸き起って来た時に感じるようなイメージがありましょうか!
 文句無しの傑作です!
 次席。
     往にし世の後楽園を沸せたる長嶋・金田の一騎打ちかも  鳥羽散歩


〇   古日記出して亡き子と遊びけり   (鹿児島市)青野迦葉

 件の「古日記」には、今は亡き子と遊んだ過ぎ去りし黄金の日々の事柄が書かれているのであるが、その「古日記」を読み返す事に拠って、本句の作者の青野迦葉さんは、今は亡き子と遊んでいるのでありましょう。
 三席。
     読み返すほどに亡き子の偲ばれてならぬ日記を焼却せむか  鳥羽散歩


〇   詩の町を称へて赤城おろし哉   (伊賀市)福沢義男

 件の「詩の町」とは、群馬県前橋市でありましょうか?
 四席。
    事もあろうあの前橋に萩原朔太郎は何で生まれた?  鳥羽散歩


〇   俯せに味はつてゐる炬燵かな   (横浜市)込山正一

 「俯せ」になろうが仰向けになろうが、我が家の「炬燵」ならば手前勝手にお振舞いなさいませ!
 五席。

〇   叢や迷ひ小鹿に冬の日が   (河内長野市)西森正治
 六席。

〇   先生も生徒も神に里神楽   (伊万里市)松尾昭良
 七席。

〇   俳諧の鬼も仏もセーター着る   (相馬市)根岸浩一
 八席。

〇   新藁に塗れて転ぶゴリラの子   (藤沢市)青木敏行
 九席。

〇   禰宜と巫女着替へずテニス神の留守   (神戸市)日下徳一
 高山選の末席、稲畑選の首席。

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