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archive: 2019年01月

岩田正の一首

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〇  イブ・モンタンの枯葉愛して三十年妻を愛して三十五年 今更解説を要さない名作ではあるが、少し悪口を言わせていただきますと、「臆面もなく、よくこんな恥かしいことを言えたもんだ!」とも思います。 しかし乍ら、こうした図々し気な作品も亦、岩田正一流の道化スピリットの発露に他ならないと思えば、今更乍ら、彼の早死に惜しまれてなりません。   抱きみれば枯葉のごとき妻なるよイブ・モンタンの枯葉も愛し  鳥...

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今週の「朝日俳壇」より(2019/01/06掲載)

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〇   存在やど真中なる置炬燵   (越谷市)新井高四郎 十二畳間のど真ん中に置かれた「置炬燵」ならばこその存在感でありましょうか! 長谷川選の首席。〇   落選を楽しむ境地去年今年   (立川市)笹間茂 痩せ我慢の境地でもありましょうか? 長谷川選の末席。〇  来し方を顔に刻みて日向ぼこ  (平塚市)日下光代 顔の染みと眼尻の皺がそれとなく「来し方」の証しとなっているのである。 大串選の次席。〇   ...

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今週の「朝日歌壇」より(2019/01/06掲載) 

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〇  三尺の自然薯一本ぶらさげて山の患者が診察へ来る  (諫早市)藤山増昭 「診察へ来る」に疑義有り! 「へ」は方向を示す格助詞である。 また、四句目も「山の患者が」とせずに、今少しの具体が要求される場面でありましょう。 佐佐木選の首席。〇  受付の水槽覗く昼休み贔屓のエビをモグと名付ける  (北九州市)西江友里 「モグと名付ける」という具体が宜しい! 佐佐木選の五席、高野選の九席。〇  白菜も青...

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岩田正の一首

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〇  コロッケを揚ぐる肉屋の香が流れ小学校の帰路ぞかなしき  『郷心譜』所収作品であるが、『郷心譜』は平成四年九月刊行の歌集であり、岩田・馬場夫妻はその十数年前に川崎市麻生区に転住しているので、本作は岩田正が川崎市麻生区の現住居(生前のご自宅)転住後に詠まれた作品と思われる。 岩田正は小田急線柿生駅利用客の一人であり、柿生駅の周囲はそれなりの賑わいを見せているささやかな商店街を成していて、その間近に...

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「永田和宏第六歌集『饗庭』」より

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〇   やはらかき春の雨水の濡らすなき恐竜の歯にほこり浮く見ゆ〇   大いなる伽藍のごとく吊られいる骨の真下を見上げつつ行く〇   ミイラ並べる地下より出でて夕光の深き角度はやや不安なり〇   遠り雨過ぎたる坂の石だたみ 無人の坂は立ち上がる気配〇   土まだら草生まだらに濡れている西より日照雨の脚はやく去る〇   川端丸太町西岸に来てりかえる比叡の肩に雨雲は垂る〇   今夜われは鬱のかわうそ 立...

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古雑誌を読む(短歌研究・昭和十年一月號)

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「『聖戦の詔勅を拝して』(短歌研究・昭和十七年一月号)」より(参考文献)2018-09-20 16:48:01 | 短歌宣戦の詔勅を拝して 「短歌研究」(昭和十七年一月號)北原白秋 天にして雲うちひらく朝日かげ真澄み晴れたるこの朗ら見よ おぼほさむ戦ならずしかもなほ今既にして神怒り下りぬ 事しありて死なまく我ら一億の定あきらなり将た生きむとす 長き時堪へに堪へつと神にしてかく嘆かすか暗く坐しつと吉井勇 大詔いまか下りぬみた...

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今週の「朝日歌壇」より(2019/01/06掲載・第35回朝日歌壇賞)               あけましておめでとうございます。

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 馬場あき子選〇  はつ夏にめんどりの声はるかして地球のどこか卵生れたり  (岐阜市)後藤進 (選者評) 一個の卵が産み落とされた初夏を地球規模で捉え、生命誕生が祝福された。 (作者の感想) のどかな田舎に住み短歌を親友として暮らしています。私の歌を読んでくださる方に大きな世界を伝えたいと思っています。 目前にて展開されている生命誕生劇を、「地球のどこか卵生れたり」とした点に、作者の誇大妄想狂的な工夫が...

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