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詩歌句誌面

読解なくして論評あらず。

「小島ゆかり第十四歌集『六六魚』」の再再読

〇  やや、これは、やややや、まこと妊婦なる娘のお腹せり出してくる

〇  世の中によくあることがわが家にも起きて驚く鳩の家族は

〇  もの思ふ秋もへちまもありません泣きぢから凄き赤ん坊ゐて

〇  われはもや初孫得たり人みなにありがちなれど初孫得たり

〇  赤子泣くそこは世界の中心でそこは世界の片隅である

〇  二日目のみどりごをガラス越しに見てしばらく立てり白い渚に

〇  ゆふぞらの犬の太郎よ君の知る少女はおばあさんになつたよ

〇  この夏の或る日よりわれは祖母になり祖母といふものは巾着に似る

〇  赤子まだ知らずこの世の底知れぬ泥のねむりに棲む六六魚

〇  海のをんなは海の呼吸で山のをんなは山の呼吸で子を生むならん

〇  人は死に血は混じり合ひ 雨あとのあざみのやうに家族鮮し

〇  四世代容れれば入る破れさうで破れない古い巾着わたし

〇  新年にわらわら集ふもののうちわたしはだれを生んだのだらう

〇  ゆく夏の母のわたしは油蟬、祖母のわたしは蜩ならん

〇  まだ棄てぬ臍の緒ふたつ ゆふかぜに枯蟷螂はあゆみはじめぬ

〇  をさなごに鼻つままれて「んが」と言ふ「んが」「んが」古いオルガンわれは

〇  また孫に会ひたけれどもそんなことでは本物の詩人にはなれず

〇  「昔は」と言ふたびわれを戒むる娘はむかしわれが産みたり

〇  母となり祖母となりあそぶ春の日の結んで開いてもうすぐひぐれ 

〇  だつこひものママさんたちはぷりぷりの海老のやうなり車中に四人

〇  母といふこのうへもなきさびしさはどこにでも咲くおほばこの花

〇  あぢさゐはぎつしりみつしり咲くゆゑ母たちの愛のやうで怖ろし

〇  わたしにもこれからがあり子と別れ向かひ側のホームへわたる

〇  来よと言ひ早く帰れと言ふ母よいくたびもわれを鳥影よぎる

〇  病院は古城のごとし母を置きひとり帰れる夜の背後に

〇  病む母を時間の谷に置くごとくいくつもの秋の旅を行くなり

〇  かなしくてすずしくて雨の街をゆく 亡き人はもう雨に濡れない

〇  椿見れば椿に見られわれに棲む死者もつぎつぎ眼をひらくなり

〇  きぞのまま夕刊のあるテーブルを見てをり死者のまなざしに似て

〇  合唱のひとびとに似てあたらしき墓石群たつ霊園の丘 
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古雑誌を読む(短歌往来・2019年6月号)

     第十七回・前川佐美雄賞受賞作
      小島ゆかり作『六六魚』50首抄

〇  旅のはじめは旅のをはりに似てさびし足元に紺のトランクを置く

〇  「昔は」と言ふたびわれを戒むる娘はむかしわれが産みたり

〇  椿見れば椿に見られわれに棲む死者もつぎつぎ眼をひらくなり

〇  三分間ゆつくり老いてシーフード・カップヌードル、いただきます

〇  地下鉄の夜の車窓にならぶ顔 むかし海から来たわたしたち

〇  世の中によくあることがわが家にも起きて驚く鳩の家族は

〇  新鮮なみどりのからだ走るなり産れ出ていま蜘蛛になりたり

〇  パソコンの荒野をちよろりちよろりして方位失ふ古鼠われは

〇  姉はいまさびしい草生いもうとの壮絶爆笑出産談きく

〇  この夏の或る日よりわれは祖母になり祖母といふものは巾着に似る

〇  ゆふぞらの犬の太郎よ君の知る少女はおばあさんになつたよ

〇  みどりごにいまだ歯の無くたらちねにすでに歯の無し目眩く生

〇  山盛りの天ぷら揚げて汗拭けば窓に晶しき独身の月

〇  六六魚あぎとふごとし「疲れた」と言へば二、三枚うろこ剥がれて

〇  赤子まだ知らずこの世の底知れぬ泥のねむりに棲む六六魚

〇  また孫に会ひたけれどもそんなことでは本物の詩人にはなれず

〇  枯蟷螂つちに下ろしてポケットに古地図のやうなてのひらしまふ

〇  はさはさと天にも音し武蔵野のもつともうつくしい冬が来た

〇  だつこひものママさんたちはぷりぷりの海老のやうなり車中に四人

〇  新しい手帳ひらけば跳びきたり二〇一七年のひかりの狐

〇  わたしにもこれからがあり子と別れ向かひ側のホームへわたる

〇  はるぞらのどこかカチッとひかりつつあけつぱなしの文房具店

〇  花咲けばこの世のごとし行く人も来る人も顔しろくほほゑむ

〇  それはそれはいい人でしたこれの世のうらへおもてへさくらちるなり

〇  五十肩といふといへどもほのかにも若返るなし六十のわれ

〇  老境も佳境に入るかこのごろの母はホントのことばかり言ふ

〇  胸中の岬にひとり立つことありただはるかなる風にふかれて

〇  女ざかりとはいつなりき夏ごとにひとり歩きの涼しくなりぬ

〇  をさなごに鼻つままれて「んが」と言ふ「んが」「んが」古いオルガンわれは

〇  亀を乗せ石やはらかく濡れてをり未生・生前・死後の夏あり

〇  喪服のままチョコレート食べて少し泣けりひさしぶりそしてさやうなら友よ

〇  大雨ののち吹きおこる風のなかひとふさのしろぶだうをおもふ

〇  亀しづみ蜻蛉とび去り秋天下われがもつとも難題である

〇  悪人が善人をふいに突き飛ばすカンナ咲く日の介護のこころ

〇  あきかぜの朝のバナナは少年の声にて「ここにゐるよ」と言へり

〇  チーズ濃く香る朝なり遠景に書物のごとき森ある九月

〇  一羽のみ昏れのこりつつ白鳥は水上駅のやうにさびしき

〇  いちじくと猫もたれ合ひねむりをり午後の陽たまる古きテーブル

〇  戦争を知らない子供たちだつた僕らの空の赤とんぼ消ゆ

〇  くりかへしどこへ行くかと聞く母よ大丈夫、銀河までは行かない

〇  その花は風の翁とあもふなり嵐の後のしろまんじゆしやげ

〇  せつぱつまつたこころはふいに無になりて鴨のこゑにてクワと鳴きたり

〇  歳晩へ急ぐ時間をせきとむるひらがなばかりの小一の歌

〇  新年にわらわら集ふもののうちわたしはだれを生んだのだらう

〇  肉体の山河うつくし百分の二秒はどんな風の谿なる

〇  銀河より吹く風すずしスティーブン・ホーキング博士風に乗りたり

〇  きぞのまま夕刊のあるテーブルを見てをり死者のまなざしに似て
 
〇  土佐のくに猪野々の山にけふは来てうなじつやめく春の鳶見つ

〇  母となり祖母となりあそぶ春の日の結んで開いてもうすぐひぐれ

「小島ゆかり第十四歌集『六六魚』」再読

〇  はるぞらのどこかチカッとひかりつつあけつぱなしの文房具店

〇  ときどきはもんしろ蝶も出入りする文房具店だれかゐますか

〇  文房具のにほひなつかし交換も一つおまけもなし人生は

〇  さくらみな葉ざくらとなり新しき遠近感の街を歩めり

〇  夕焼けの空に穴ありわたりゆく先頭の鳥見えなくなりぬ

〇  猫たちに虫をいぢむる恍惚のときありて虹いろの両眼

〇  見つめ合ふうち入れ替はることあるをふたりのみ知り猫と暮らせる

〇  思ふたびこちら向きなる鹿のかほ絶対音感の耳立てながら

〇  こんな夜はにはとりを抱いてねむりたしなまぐさいあかい月のぼる夜

〇  亀しづみ蜻蛉とび去り秋天下われがもつとも難題である

〇  わうごんの鱗かがやく六六魚登竜門を登らむとして

〇  山の青葉むくむくとしてうつしみの扁桃腺は腫れ上がりたり

〇  若き日は見えざりしこの風のいろ身に沁むいろの風の秋なる

〇  みづからをまづいたはれと言ふごとく胸に抱ふるパンあたたかし

〇  チーズ濃く香る朝なり遠景に書物のごとき森ある九月

〇  今日からは秋の靴はき真人間のごとき泥つき牛蒡を買ひぬ

〇  表札ははづされをれど塀のうへはみだす柿はしんじつあかし

〇  歯の治療終はり午前にもかかはらず白玉クリームあんみつ食べぬ

〇  刀を入るる林檎の楕円きしみつつこの夜宇宙から還る人あり

〇  みづからの歳にみづからおどろきて栗まんぢゆうをひとつ食べたり

〇  さくらみな葉ざくらとなり新しき遠近感の街を歩めり

〇  三分間ゆつくり老いてシーフード・カップヌードル、いただきます

〇  刀を入るる林檎の楕円きしみつつこの夜宇宙から還る人あり

〇  胸中の岬にひとり立つことありただはるかなる風にふかれて

〇  みづからをまづいたはれと言ふごとく胸に抱ふるパンあたたかし

〇  思ふたびこちら向きなる鹿のかほ絶対音感の耳立てながら

〇  今日からは秋の靴はき真人間のごとき泥つき牛蒡を買ひぬ

〇  表札ははづされをれど塀のうへはみだす柿はしんじつあかし

〇  歯の治療終はり午前にもかかはらず白玉クリームあんみつ食べぬ

〇  亀しづみ蜻蛉とび去り秋天下われがもつとも難題である

「杉﨑恒夫第二歌集『パン屋のパンセ』」を読む

〇  この夕べ抱えてかえる温かいパンはわたしの母かもしれない

〇  あたたかいパンをゆたかに売る街は幸せの街と一目で分かる

〇  アンパンの幸福感をふくらます三分の空気と七分のアンコ

〇  気の付かないほどの悲しみある日にはクロワッサンの空気をたべる

〇  気付きたる日よりさみしいパンとなるクロワッサンはゾエアの仲間

〇  バケットを一本抱いて帰るみちバケットはほとんど祈りにちかい

〇  バゲットの長いふくろに描かれしエツフェル塔をまっすぐに抱く

〇  こわれやすい鳩サブレーには微量なる添加物として鳩のたましい

〇  あたたかい十勝小豆の鯛焼きのしっぽの辺まで春はきている

〇  卵立てと卵の息が合っているしあわせってそんなものかも知れない

〇  熱つ熱つのじゃがいも剥けば冬眠からさめたばかりのムーミントロール

〇  いくつかの死に会ってきたいまだってシュークリームの皮が好きなの

〇  ミスター・フライドチキンの立っている角まがりきて午後のたいくつ

〇  半分のいのちとなりしタマネギの切り口がすこし膨らんでくる

〇  爆発に注意しましょう玉葱には春の信管が仕組まれている

〇  噛むほどに五月の風もふいてくるセロリーは白い扇状台地

〇  さくらんぼ彩る街となりゆけばガラスの筒に透くエレベーター

〇  とべらの実赤く爆ぜおり海光のまぶしさすぎてふと昏むとき

〇  樹枝状のブロッコリーを齧るときぼくは気弱な恐竜である

〇  目の前を時計回りにめぐりいるもと回遊魚のまぐろのにぎり

〇  わが胸にぶつかりざまにJe(ジュ)とないた蝉はだれかのたましいかしら

〇  仰向けに逝きたる蝉よ仕立てのよい秋のベストをきっちり着けて

〇  ひとかけらの空抱きしめて死んでいる蝉は六本の脚をそろえて

〇  バレリーナみたいに脚をからませてガガンボのこんな軽い死にかた

〇  むせかえる蝶の匂いを妖精の匂いといってはおかしいですか

〇  濁音を持たないゆえに風の日のモンシロチョウは飛ばされやすい

〇  陽を浴びるカナヘビの子よやわらかいシッポにちょっと触っていいかい

〇  コバルトのとかげ現れ陽を返すÇ(セ セディーユ)のお前のシッポ

〇  猫の腹に移りし金魚けんらんと透視されつつ夕日の刻を

〇  君の名はモモイロフラミンゴぼくの名はメールのしっぽに書いておきます

〇  滄海に自在のくじらを泳がせて地球は春の軌道をめぐる

〇  「大切なものは見えない」友達にしたいキツネは街にはいない

〇  みかん色灯りのつく町に帰りくるこんにちの死をパスした人ら

〇  突然に秋のきている街空は青くて冷たい火事じゃないの

〇  この街の黄色い点字ブロックを辿っていったら夕焼けだった

〇  星空がとてもきれいでぼくたちの残り少ない時間のボンベ

〇  ティ・カップに内接円をなすレモン占星術をかつて信じず

〇  透明な秋の空気はフラスコのなかでフラスコのかたちしている

〇  かなしみよりもっとも無縁のところにてりんごの芯が蜜を貯めいる

〇  灯台の白い破片が飛びちっているのではない風のかもめら

〇  音荒く雨ふる夜明け胸という一まいの野を展げていたり

〇  一番はじめに出会ったひとが好きになるペコちゃんだってかまわないもん

〇  そのベロはなんとかおしよ成人の日の和服着しペコちゃん人形

〇  君の名はモモイロフラミンゴぼくの名はメールのしっぽに書いておきます

〇  風のように消えたあなたを探すならもうチェンバロの中しかあらぬ

〇  怖がらなくていいのさあれは押入れで発光しているニョロニョロだから

〇  観覧車 恋人たちをよろこばすあれは夕焼けオルゴールです

〇  ジュラ紀にも梅雨があったかもしれないこうもり傘の遠いい記憶

〇  微粒子となりし二人がすれ違う億光年後のどこかの星で

〇  横向きのエジプト文字の鷹をひとつ留らせておく死角の肩に

〇  天秤座の天秤ばかりかなしみはミリグラムまで量られますか

〇  砂時計のあれは砂ではありません無数の0がこぼれているのよ

〇  にんげんは爆発しないで死んでいく星間物質(ダークマター)になれない理由

〇  星のかけらといわれるぼくがいつどこでかなしみなどを背負ったのだろう

〇  音荒く雨ふる夜明け胸という一まいの野を展げていたり

〇  地図にない離島のような形して足の裏誰からも忘れられている

〇  あたたかき毛糸のような雪ふればこの世に不幸などひとつもない

〇  ゆびというさびしきものをしまいおく皮手袋のなかの薄明

〇  大文字ではじまる童話みるように飛行船きょうの空に浮かべり

〇  たった二つの関節もてば単純な生き物のごとく眼鏡あるなり

〇  晴れ上がる銀河宇宙のさびしさはたましいを掛けておく釘がない

〇  透明なたましいをひとつ住まわせる砂時計この空っぽの部屋

〇  観覧車は二粒ずつの豆の莢春たかき陽に触れては透けり

〇  高貴なるムスカリ・ボトリオイデスは伯爵家のような長き名をもつ

〇  噴水の立ち上がりざまに見えているあれは噴水のくるぶしです

〇  選ばれしものはよろこべシャボン玉をふくらましいる空気の役目

〇  ゆっくりと桜を越ゆる風船に等身大の自由あるなり

〇  核家族と呼ばれて住めば緩慢に匙をしたたる冬の蜜蜂

〇  ビオラには二つの∫字穴がある一つは死んだぼくにあげます

〇  ぼくの去る日ものどかなれ 白線の内側へさがっておまちください

〇  人形に手を触れしかばくり返す電子訛りに「あなたがすきよ」

〇  ジーンズのヒップが去って百あまりれんげの花がああ起き上がる

〇  邪魔ものを乗りこえるとき掃除機が子犬のような抵抗をする

〇  不実なる手紙いれてもわが街のポストは指を噛んだりしない
 
〇  さみしくて見にきたひとの気持ちなど海はしつこく尋ねはしない

〇  大文字ではじまる童話みるように飛行船きょうの空に浮かべり

〇  ペルセウス流星群にのってくるあれは八月の精霊たちです

〇  思い出にはいつも雨などふっていてクロワッサン型の小さな漁港

〇  大切に胸に抱かれ退場するチェロはいかにも一人のおんな

〇  カウンターにぽつんと腰をかけている数直線の√2の位置
 
〇  矢印にみちびかれゆく夜のみち死んだ友とのおかしなゲーム

〇  止まりたいところで止まるオルゴールそんなさよなら言えたらいいのに

〇  石鹼がタイルを走りト短調40番に火のつくわたし

〇  休日のしずかな窓に浮き雲のピザがいちまい配達される

〇  サボテンはサボテンの子がかわいくて棘にすっぽり包んであげる

〇  どんな冬の寂しさにだって耐えられる烏が黒を被ている理由

〇  駅前にたつ青年が匕首のごとく繰り出すティッシュペーパー

〇  躁鬱を疾む春の街いずこにかパウル・クレーの矢印描かれ

〇  天秤座の天秤ばかりかなしみはミリグラムまで量られますか

〇  アップデートしますかなんて聞いてくる素敵なデートでもあるまいし

「杉﨑恒夫第一歌集『食卓の音楽』」を読む

〇  聖歌隊胸の高さにひらきたる白き楽譜の百羽のかもめ

〇  工場うらの濁る水より舞いあがるゆりかもめらの白き秋晴

〇  食パンの白い内部を通過するパン切りナイフむずがゆい春

〇  簡潔なるあしたの図形 食パンに前方後円墳の切り口

〇  ティ・カップに内接円をなすレモン占星術をかつて信ぜず

〇  少し長めに生きたることも葡萄パンにまじる葡萄のごとき確率

〇  されど鬱されど倖せコーヒーの底にみえないものを飲み干す

〇  つつかれてヨーグルトに沈む苺 やさしき死などあるはずもなく

〇  背後にていつも鳴る風自画像のジグソーパズルくずれはじめる

〇  立ち読みせしサン=テグジュペリのひと言が心に残り本屋をいずる

〇  逆風に向かいて高くひるがえる燕は空のアクサンテギュ

〇  もろもろの思い出がゆっくり立ち上がる立体絵本 雲多き午後

〇  脳天へ叩き込まれる三和音、冬はじめてのオリオン星座

〇  白色のスーザフォーンを先立てて行進すれば風の不意打ち

〇  地下鉄の窓いっぱいにきて停るコマーシャルフォトの大きな唇

〇  江東の空わたりくる雁の列遠ければマッチ折りたるほどに

〇  メリジェーヌの尻っぽの先とゆううつな洋傘の柄となぜにか曲る

〇  かなしみよりもっとも無縁のところにてりんごの芯が蜜を貯めいる

〇  街路樹の木の葉ふるときソラシドレ鳥刺の笛がきこえませんか

〇  漆黒のさくらんぼ地にこぼれいてピアノぎらいの子供の音符

〇  ミスター・フライドチキンの立っている角まがりきて午後のたいくつ

〇  一度だけ自分勝手がしてみたいメトロノームの五月の疲れ

〇  さくらんぼ彩る街となりゆけばガラスの筒に透くエレベーター

〇  復活祭の紅き卵をわけくれし日曜学校の先生きみは

〇  毒のないぼくの短歌とよくなじむ信仰心のうすいマシュマロ

〇  ひしめきて壺に挿される薔薇たちの自分以外の刺を痛がる

〇  たんぽぽの絮が着地をするように旅先の珈琲店に這入る

〇  うたかたのブーゲンビレアの花房にかくされている春の雷管

〇  こんなにも明るい秋の飛行船ひとつぶの死が遠ざかりゆく

〇  一枚の影絵となってしまうまで冬の欅と鳥の関係

〇  青きまま落ちるいちじく一日が失語症のように過ぎゆく

〇  街頭に雨光るとき喚声を抑えて並ぶ夏の果実ら

〇  噴水の伸びあがりのびあがりどうしても空にとどかぬ手のかたちする

〇  生まれきて初めて泳ぐ小鴨らのひとつまみなる生命の浮力

「麻生由美歌集『水神』」を読む

〇  わたくしがゐなくなつても水神の樹はあると思ひき世界のやうに

〇  葦の間に光る水見ゆをさなくてかなしきときも川へくだりき

〇  水神の樹の在りしより水ぎはへくだる径ありいまだ残れり

〇  暗がりにふと田の水のにほひくるわたしはそれをにつぽんと思ふ

〇  首を打つ技能持ちたる人ありき裔なる人が原付でゆく

〇  需めある人々に成るこれの世へ木の葉の間よりそつと手を出す

〇  センセイに君の気持ちはわからないわかつてたまるか世界のために

〇  巡礼の道のかたへにうつくしき樹ありけり祠ありけり

〇  布団には黒びろうどの衿ありて重きものほど温かかりき

〇  魂がぽとりとそこにあるやうな月夜の猫に手を触れにゆく

〇  河原にすくむ少女を艦載機の看過しけるによりて生れたり

〇  演台を壇上に上げまた下ろすかくするひまに過ぐる一生か

〇  人をらぬ校舎の庭に車前草の薔薇形(ロゼット)いくつ生れてをらむや

〇  今生はたどり着かざる堤あり茅花の銀の影がゆれをり

〇  晩年は猫と暮らさうハチ公のやうには待たぬ猫と暮らさう

〇  ひとの耳けものの耳のやうなるをえらえらこぼす雨後のもくれん

〇  わたくしのまへの千歳となきのちの千歳を生くべし水神の樹は

〇  まどろみに渡りゆく橋水神の樹のある岸へわれは帰らな

「服部真里子第二歌集『遠くの敵や硝子を』」を読む

〇  地下鉄のホームに風を浴びながら遠くの敵や硝子を愛す

〇  名を呼べばよみがえりくる不凍港まどろみながら幾たびも呼ぶ

〇  父の髪をかつて濯ぎき腹這いの光が河をさかのぼる昼

〇  肺を病む父のまひるに届けたり西瓜の水の深き眠りを

〇  柘榴よりつめたく死より熱かったかの七月の父の額よ

〇  風の日の父を思って五メートル聖書を頭に載せて歩いた

〇  息あさく眠れる父のかたわらに死は総身に蜜あびて立つ

〇  死者たちの額に死の捺す蔵書印ひとたび金にかがやきて消ゆ

〇  うす青き翅もつ蝶が七月の死者と分けあういちまいの水

〇  わたくしが復讐と呼ぶきらめきが通り雨くぐり抜けて翡翠

〇  海鳴り そして死の日の近づいた君がふたたび出会う翡翠

〇  眼鏡というひとりのための湖を父の顔から持ち去る夜明け

〇  斎場をとおく望んで丘に立つ風のための縦笛となるまで

〇  誰を呼んでもカラスアゲハが来てしまうようなあなたの声が聴きたい

〇  水仙と盗聴、わたしが傾くとわたしを巡るわずかなる水
 
〇  蜜と過去、藤の花房を満たしゆき地球とはつか引き合う気配

〇  冬の空すなわち無惨あなたが向こうの方で塩買っている

〇  夕映えは銀と舌とを潜めつつ来るその舌のかすかなる腫れ

〇  羊歯を踏めば羊歯は明るく呼び戻すみどりしたたるばかりの憎悪

〇  灯のもとにひらく昼顔おなじ歌を恍惚としてまた繰り返す

〇  今宵あなたの夢を抜けだす羚羊の群れ その脚の美しき偶数

〇  あかときの雨を見ている窓際にしずおかコーラの瓶をならべて

〇  見る者をみな剥製にするような真冬の星を君と見ていつ

〇  春ひとつゆくのを待てり十本の指にとんがりコーンをはめて

〇  鳥葬を見るように見るあなたから声があふれて意味になるまで

〇  ひかりよ なべて光は敗走の途中 燕にひどく追われて

〇  胸をながれる旨くて熱い黄金よ秋は冒瀆にはよい季節
 
〇  やがてそれが墓であったと気づくまで菜の花畑の彼方なる雷

〇  さみどりの栞の紐を挟みこみやわらかに本を黙らせている
 
〇  もう行くよ 弔旗とキリン愛しあう昼の光に君を残して

〇  夜の雨 人の心を折るときは百合の花首ほど深く折る

〇  図書館の窓の並びを眼にうつし私こそ街 人に会いに行く

〇  白木蓮に紙飛行機のたましいがゆっくり帰ってくる夕まぐれ

〇  床に射す砂金のような秋の陽がたましいの舌の上に苦くて

〇  風の日にひらく士師記は数かぎりなき報復を煌めかせたり

〇  神さまのその大いなるうわのそらは泰山木の花の真上に

〇  ふいの雨のあかるさに塩粒こぼれルカ、異邦人のための福音

〇  空の見える場所でしずかに手をつなぐラザロの二度目の死ののちの空

〇  愛を言う舌はかすかに反りながらいま遠火事へなだれるこころ

〇  おびただしい黒いビーズを刺繍する死よその音を半音上げよ

〇  災厄を言う唇が花のごとひらく地上のあちらこちらに

〇  近代の長き裾野の中にいて恍とほほえみ交わすちちはは

〇  火は常に遠きものにてあれが火と指させば燃え落ちゆく雲雀

〇  金雀枝の花見てすぐに気がふれる おめでとうっていつでも言える

〇  春だねと言えば名前を呼ばれたと思った犬が近寄ってくる

〇  春よお前 頭にかすんだ空載せて大きな身体で悲しむお前

〇  遠雷とひとが思想に死ねないということと海が暮れてゆくこと
 
〇  神を信じずましてあなたを信じずにいくらでも雪を殺せる右手

〇  テーブルに夕陽はこぼれ芍薬の死してなおあまりある舌まがる

〇  傘を巻く すなわち傘の身は痩せて異界にひらくひるがおの花

〇  灯のもとにひらく昼顔おなじ歌を恍惚としてまた繰りかえす

〇  つばさの端のかすめるような口づけが冬の私を名づけて去った

〇  風がそうするより少していねいに倒しておいた銀の自転車

〇  青空の見えない梁を鳥は越ゆときおりきんと光を弾き

〇  回転や落下の少ない乗り物を「やさしいやつ」とあなたは括る

〇  甘夏が好き(八月は金色の歯車を抱き)甘夏が好き

〇  すすきの穂かき分けて光まみれの手、もう何も触れないでその手で

〇  ひまわりを葬るために来た丘でひまわりは振りまわしても黄色

〇  月の夜のすてきなペーパードライバー 八重歯きらきらさせて笑って

〇  あばれ馬 春の野原に膝ついて涙がにじんでくるのを待った

〇  落花生実るまぼろし実らないまぼろし両方あなたに話す

〇  円環を閉ざすしずかな力満つガラスケースの中の王冠

〇  眩しすぎるものを堪える友だちのブリッジ、夏の果てのブリッジ

〇  十月に眼があるのなら奥二重その眼のなかに鶫があそぶ

〇  おびただしい黒いビーズを刺繍する死よその歌を半音上げよ

〇  うす青き翅もつ蝶が七月の死者と分けあういちまいの水

〇  鶏頭がひとつの意志を顕たしめて君よその火を見せてくれるか

〇  神を信じずましてあなたを信じずにいくらでも雪を殺せる右手

〇  海面に降るとき雪は見るだろうみずからのほの暗い横顔

〇  ビスケット無限に増えてゆくような桜並木の下の口づけ

〇  いのちあるかぎり言葉はひるがえり時おり浜昼顔にもふれる

〇  水を飲むとき水に向かって開かれるキリンの脚のしずけき角度

〇  雪柳てのひらに散るさみしさよ十の位から一借りてくる

〇  千の言語、万の言語で話すのが銀杏並木のやり方だから

〇  人々の手はうつくしく四則算くり返し街に雪ふりやまず

〇  草むらを鳴らして風がこの夜に無数の〇を書き足してゆく

「二三川練第一歌集『惑星ジンタ』」を読む 

〇  うつくしい島とほろびた島それをつなぐ白くて小さいカヌー

〇  あかい津波しろい津波と押し寄せてやさしく洗われる墓石たち

〇  涙より深い蒼さの海のなかほろほろ鳥の亡骸を抱く

〇  プレス機がドールを潰す一瞬の命にふさわしい破裂音

〇  松葉杖で木星を歩く ここでしか吹けない君の蝋燭がある

〇  熱傷をはだかの腕にひからせてあなたがひらく犬の肋骨

〇  喉をもつ空が洩らした嬌声のねえさん、星をもう蹴らないで

〇  希望なる言葉かすれてアネモネの血で記されし少年の詩は

〇  風を梳かす 命にふれるかなしみの櫛をはなてば白き薔薇園

〇  ほころんだ羽を殴ちつつ黄昏につづく母とのバドミントンは

〇  やがて折れる塔のごとくに積まれゆく日々にかすかな鶺鴒の声

〇  暗転の小劇場に星空の破片のような蓄光テープ

〇  アスファルトの下に埋もれた花々の萌芽の鼓動つたう足裏

〇  教科書を返しわすれた放課後の教科書にまである人の香

〇  速乾性手指消毒ジェルを手に塗り祖父と会う準備整う

〇  道ばたで嘔吐している人を見る 4面ボスの倒し方がわかる

〇  よく生きる たくましく生きる うまく生きる 書きたいことを少しだけ書く

〇  少しだけ箸でつついたハンバーグのなかにはチーズという日常が

〇  今日を終え再び今日がやってきて祝日だからプールで泳ぐ

〇  わけもなく悲しいわけもなく嬉しいわけもなく今日は水炊きにする

〇  災厄と呼べば少しは楽になる 花屋を曲がって公園になる

〇  一度目はかならず違う名を呼んで二度目はちゃんと僕の名を呼ぶ

〇  病院は白き匂いに充ちているヒトのにおいをかき消すために

〇  喪失の時を待つだけひるひなかアポロひとつぶひとつぶ飲み込む

〇  知っていた未来ばかりが訪れてたとえば黄身がふたつの卵

〇  くぐもった祖父の言葉のそれぞれを時に間違えつつ訳す母

〇  喉仏の骨は仏のかたちだと係が見せてうなずく遺族

〇  その骨が喉仏だと知るときの遺族それぞれの吐息 木星

〇  優しげな祖父の遺影の解像度がすこし低くて優しい顔だ

〇  めがさめてあなたのいない浴室にあなたが洗う音がしている

〇  捨てられた都のうえを半月が浮かんだままの夏の収束

〇  ここじゃないどこかもやがてここになる紙飛行機はとても軽くて

〇  心さえなかったならば閉園のしずかに錆びてゆく観覧車

〇  法律で換言できる関係の僕らがくぐるファミレスのドア

〇  僕が先にわすれるだろう初夏のボードゲームの勝ち負けすらも

〇  夏が終わる なんの部品かわからないまま灼けている道路のネジは

〇  重力を知らないような足取りであなたが蹴りとばす砂の城

〇  たった今生まれた街ですれちがう蝶と白紙の回答用紙

〇  文献のコピーを取れば海溝のようにインクの黒くあるノド

〇  寝たふりをしたまま見えた夢の空をしずかに満たす水銀の雨

〇  捏ねてゆく挽き肉のつぶ粗々と嫌いな人を嫌える僕だ

〇  ふれるたび低体温を自覚する 人間らしい口づけをして

〇  均等に重さがいっているはずのリュックでいつも左が痛い

〇  八両の電車は長い 食道を液化してゆくソフトキャンディ

〇  どの人もばれないように飴玉を口に含んだままここにいた

〇  していたいしないでいたいしなないでいたい 紡錘形の心臓

〇  Mr.この再起可能な青春を徒歩で渡ってきたChildren

〇  人の住む島に墓標は咲きわたり遠のく風は波としたしむ

〇  加害者の手でつつみこむ人間の頬夕立のように熱くて

〇  海そして悲劇の童話こわれやすき石に天使のまなざしを彫る

〇  僕を殴る理由をきけば「わからない」と少年たちは口をそろえて

〇  想像ができない痛み語り合い痛いんだね、とうなずいている

〇  光にはなれない 眠る 凪いだ皮膚 眠る カナリアの声がする 眠る

〇  台風の詰まった瓶を割るときは傘がいらないくらい泣こうよ

〇  ぬかるみを歩く 惑星と惑星がすれ違うそのすき間を生きる

〇  われに還りあなたへ還り花々を摘みとる指のような春風

〇  吊るされた鳥獣肉(ジビエ)の骨の髄までも桜チップの煙は浸みて

〇  脚しかない幽霊たちの街角でチェーンメールがただよっていた

〇  唇は花の形にひらかれる 朝とは大学生の放課後

〇  天使による天使のための共食いの跡をかき消す火星の嵐

〇  初期も後期も同じことしか言ってない人を読んでいる  いつもの カフェで

〇  知っていた未来ばかりが訪れてたとえば黄身がふたつの卵

〇  全身でくだく雨粒錆びついた自転車をこぎ大人になるな

〇  友だちよもう友だちじゃないからね蟻の巣に流したコカ・コーラ

〇  人権の数だけチョコレートをあげる   君と君と君には空港をあげる

〇  入口と思ってくぐったものがみな出口であったような悲しみ

〇  月を殴れば月の欠片が落ちてきてそれからずっと三日月だった

〇  生徒みな砂にまみれた顔をしてひび割れた土の教室に立つ

〇  雪の日をクレヨンで描く 戦争のない日みたいに真っ白な紙

〇  くずれゆく積木の塔よこころとはたやすく雨に打たれる積木

〇  墓守のように自販機をつつみこむ枝垂れ桜の剥き出しの腕

〇  あるだろう 木魚が割れることだって誰も泣かない葬式だって

〇  あしひきの山手線の車窓より母校の赤い校章は見え

〇  台風の詰まった瓶を割るときは傘がいらないくらい泣こう

〇  惑星がはばたくような熱風にアイスクリームとかされてゆく

古雑誌を読む(短歌・2019年3月号)

     初役   栗木京子(塔)

〇  紅葉がアルファベットのやうに散る道を歩みぬ黙してふたり

〇  歩くとは厚さを踏みてゆくことか落ち葉の嵩や霜のきらきら

〇  樹はどこにも行かない 約束を破りたる人に葉擦れの音のメールを

〇  三角にとがれるサンドイッチ食む反故にされにし午後の約束

〇  あくびしてゐし人なれど去り際に空に漂ふ鷲の目をせり

〇  空高く飛ぶ鷲よりも海面に触れつつすべる信天翁うつくし

〇  ベランダにひと日干したる座布団に記憶のごとき温もりのこる

〇  地の穴はいろいろ 土竜や蛇や蟻ちひさな星もひそみてをらむ

〇  生卵落としたチキンラーメンは六十四歳のわれに濃すぎる

〇  踵にも爪にもある日ふと他者が棲みつきてをり老いゆくことは

〇  ねむたくてさつぱり回らぬわが頭より賢さうなりキャベツかがやく

〇  いま誰か地球の栓を抜きたるや寝返り打てば鼓膜の痛し

〇  冬雲よ監禁されし姫君がまた救はるる童話は哀し

〇  日焼け止めクリーム残りゐる容器カチカチと振る師走の朝に

〇  イブの日の商店街を行き戻りこのごろ時間がうまく使へず

〇  この駅の西の端にはもう一つ出口のありてベーカリー灯る

〇  粉雪はまだ降りやまず「のぞみ」にて関東ローム層を離りぬ

〇  棒立ちになりて幼児の泣く声は瀑布のごとし昼の電車に

〇  幼な子が銀行ごつこに造りたる紙幣をおもふ今日の淡雪

〇  「東京より三度低い」と君のいふ寺に古仏の微笑見てをり

〇  粉雪はほのかに重き水となりふたたび傘をひらくとき落つ

〇  雪晴れや敵地に死ぬる兵卒と城にて自刃する王のあり

〇  荒海のつめたき底にとくとくと血を脈打たせあはれ魚棲む

〇  亡き人のこころの海に潜り来しわがうつし身か昧爽に覚む

〇  初役に挑むがごとく羽ひろげ雀は椿の枝より飛びぬ

〇  三耳壺の三つぶの耳冷ゆ亡き人の声聴きゐるはいづれの耳か

〇  くれなゐを脱がむ脱がむともがきつつ燃え広がりゆくなり野火は

〇  由良の門を渡る飛行士はろばろと油田に燃ゆる火を見てをらむ    

「丸山薫詩集『帆・ランプ・鷗』」より

    翼


 鷗は窓から駆けこんで
 小屋のランプを微塵にして
 そのまま闇に氣を失つた
 かつては希望であつたらう
 潮に汚れた翼が
 いまは後悔のやうに華麗に匂つてゐる



    挿 話


 蝙蝠が帆に巻き込まれ
 帆は帆桁(ヤード)に括られたまま
 風が出なかつたので
 いつまでも展らかなかつた
 ──あれからどうしたらう?
 舷燈(ランプ)がそんな獨り言を言つた



    闇


 ランプを闇に點すと
 ランプは叫んだ
 ──むかふの闇が見えない 見えない

 むかふの闇に置くと
 また叫んだ
 ──いま居た所が暗くなつた 暗くなつた

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