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archive: 2020年05月

今週の「朝日歌壇」より(2020/5/24掲載)

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     永田和弘選〇  「此処からは独りですよがんばってね」と柩のひとにささやく夫人  (伊豆の国市)中村睦世 永田和弘選の次席入選作であるが、十首中の八首を<新型コロナウイルス禍>関連作品を選出しながらも、次席入選作として、敢えて本歌を選出したのは、如何にも永田和宏氏らしい選歌である。 「『此処からは独りですよがんばってね』と柩にささやく」との火葬場での、件の「夫人」なる存在の行状は、あまりに...

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今週の「朝日歌壇」より(2020/5/24掲載)

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     馬場あき子選〇  雪残るニセコ連峰背景に百羽の白鳥落穂ついばむ  (札幌市)藤林正則 五席。 「雪残るニセコ連峰」を背景にして、凡そ「百羽の白鳥」たちが、北のシベリアへの飛翔前の腹拵えとして、広大な北空知の田圃で「落穂」を「ついばむ」姿を詠んだ壮麗な一首。 「ニセコ連峰」とは、「北海道の西部にある火山群であり、比羅夫から雷電峠までを東西にわたって延びる。長さは東西約25 km、南北 15km。最高...

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今週の「朝日歌壇」より(2020/5/24掲載)

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     高野公彦選〇  お母さんお義母さん、その発音の重なりし頃義母は逝きにけり  (奈良市)山添聖子 八席。 姑と嫁とが、お互いの人格を認め合い打ち解けた関係になった頃あいを見計らって、神様は両者を別離せしめるのであり、件の姑と嫁の関係のみならず、凡そ、この世の中の出来事の多くは、大体に於いてそうしたものである。      あべちやんが件の黒田に惚れたとて賭けマージャンを止めない黒田  鳥羽散...

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「朝日新聞」を読む(2020/5/23朝刊)

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 黒川検事長賭けマージャン事件も「常習性認定出来ず」故に「黒川辞職」、「森法相は進退伺、安倍首相慰留」という、田舎芝居染みた形で終りそうである。 十七面からに二十面に掛けて「私立大学の原点ーそれは、建学の精神にあります」と称して、有名無名の私立大学・四十校余りの創設者の氏名入りの広告が掲載されているので、興味の赴くままに記憶しておきたいと思う。 青山学院大学     ドーラ・E・スクーンメーカー ...

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「朝日新聞」を読む(2020/5/22朝刊)

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 一面に「黒川幹事長きょう辞職」、「宣言中賭けマージャン」、「法相『不適切』戒告処分」との大見出し! 同件に就いて、同じ紙面に「黒川検事長自身は21日、『この度報道された内容は一部事実と異なる部分もありますが、緊急事態宣言下における私の行動は緊張感に欠け、軽率に過ぎるものであり、猛省しています。このまま検事長の職にとどまることは相当でないと判断し、辞職を願い出たものです』とのコメントを出した」との...

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「朝日新聞」を読む(2020/5/21朝刊)

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 二十八面に「黒川検事長がマージャン」、「週刊文春報道・緊急事態中・記者らと」、「本社社員も参加/おわびします」との細やかな見出しと共に、<朝日新聞社広報部の話>として「東京本社に勤務する50歳代の男性社員が、黒川氏とのマージャンに参加していたことがわかりました。金銭を賭けていたかどうかについては、事実関係を調査して適切に対処します。社員はかつて編集局に所属していた元記者で、取材を通じて黒川氏と知...

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今週の「朝日俳壇」より(2020/5/17掲載)

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     高山れおな選〇   風光り無人の校舎駆け抜ける  (東京都)丸田由紀子 首席。 宮沢賢治作の『風の又三郎』を髣髴せしめる一句である。     又さんの無人の荒野駆け抜けて行けば薄の穂波輝く  鳥羽散歩〇   ヤッホーと誰が言ひそめて山青き  (平塚市)日下光代 三席。 誰かが「ヤッホー!」などと呼び掛けたから、「山」は「青き」を以て応えようとしているのでありましょうか?     雲が行き...

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今週の「朝日俳壇」より(2020/5/17掲載)

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     稲畑汀子選〇   囀や図書館の窓あけてある  (東京都)藤森荘吉 稲畑選の首席。 「図書館に居る私の耳に小鳥の囀りが聴こえて来るのは図書館の窓が開け放たれているからである」などとのみ解釈していると、下手な手品の種明かしをしているみたいでとてもつまらない俳句のように思ってしまうのであるが、掲句の<中七・下五>の十二音「図書館の窓あけてある」から私が受け取れるのは、それとは別のもう少し大きく...

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今週の「朝日俳壇」より(2020/5/17掲載)

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     大串章選〇   マスクして今年の春と別れけり  (岡山市)奈良崎俊子 六席。 永のお暇にならなければ宜しいのでありますが! 人間の命って判らないもので、今日の今日まで元気で居て、明日の朝になったら死んでいたなんて事もよくありますからね!     マスクして今年の春とのみならずこの世の中と別れ行くかな  鳥羽散歩〇   待つことのいつか祈りへ桐の花  (本巣市)清水宏晏 首席。 そうなんで...

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今週の「朝日俳壇」より(2020/5/17掲載)

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     長谷川櫂選〇   白魚の卵綴ぢもて店閉ぢぬ  (川崎市)多田敬 三席。 「卵綴ぢもて店閉ぢぬ」との語呂合わせである。     寒天に卵綴ぢたり春彼岸墓碑を閉ざせる三尺の雪  鳥羽散歩〇   皆死にてひとりぼっちの花莚  (清瀬市)よしだ悠 五席。 凡そ、体長5mm以上の生物にして未だ万年の長を保てるもの非ず! 従って、掲句の作者・よしだ悠さんも孰れ逝かねばなりません! 来年の春は、件の「...

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