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archive: 2020年05月

今週の「朝日俳壇」より(2020/5/24掲載)

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     高山れおな選○   口中の金歯銀波昭和の日  (立川市)松尾軍治 昨今の我が国に於いては、金や銀の入れ歯を嵌めた人を見受ける事が極めて稀になりましたので、掲句の作者は、身近にいた高齢者の金歯・金歯の入れ歯を嵌めていたので、それを昭和時代ならではのシンボル的な光景として、過ぎ去りし昭和の日々を懐かしんでいるのでありましょう。 ところで、私・鳥羽散歩の幼・少年時、即ち、昭和二十年代は、「自分...

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今週の「朝日俳壇」より(2020/5/24掲載)

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     大串章選〇   風のかたち水のかたちに花筏  (相模原市)松並敏子 次席。 掲句の作者は、神奈川県相模原市にお住いの松並敏子さんでありますが、相模原市にお住いの松並姓と言えば、私の歌友の松並善光さんも亦、相模原市の住民であり、松並なる姓は、そんじょそこらに滅多矢鱈に転がっているような有り触れた所為ではありませんから、掲句の作者と私の歌友の松並善光さんとはご夫婦なのかも知れません。 そんな...

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今週の「朝日俳壇」より(2020/5/24掲載)

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     長谷川櫂選〇   小心のくせに大の字朝寝夫  (霧島市)久野茂樹 首席。 作者は霧島市にお住いの久野茂樹さんであり、久野茂樹さんは男性である。 ならば、作中の「夫」なる存在は、作者の娘婿を指すのであり、作者の久野茂樹さんは愛娘さん一家を同居させて居て、同居中の愛娘一家の大黒柱たる娘婿(夫)が、人並み以上の小心者のくせに、舅の茂樹さんに隠しもしないで「朝寝」をしているので、それを難じて掲句...

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今週の「朝日俳壇」より(2020/5/24掲載)

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     稲畑汀子選〇   残桜やすこし会はねばなつかしく  (富津市)三枝かずを 首席。 「散り残されの桜」を「残桜(ざんおう)」としている点に無理在り。 また、「少し会はねばなつかしく」という<中七下五>の感情表現に就いては、八十パーセント程度<佳し>として受け入れたい気持ちが無きにもあらずではありますが、だからとて、残りの二十パーセントに目を瞑り、そのまますんなりと受け入れる訳にも行きません...

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今週の「朝日歌壇」より(2020/5/24掲載)「新型コロナウイルス禍」特集(其のⅡ) 

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     「新型コロナウイルス禍」特集(其のⅡ)〇  ひょっとして今年の漢字になるのでは筆順もややこしい「粛」の字  (大和市)春原正彦 高野選の五席。     鞭声粛々夜河を渡る     暁に視る千兵の大牙を擁するを     遺恨なり十年一剣を磨き     流星光底長蛇を逸す 今さら何を馬鹿なことを仰るんですか! 自粛の「粛」は、彼の御仁が「高級官僚の方々には、公文書の破棄や改竄方を粛々として進...

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短歌冒瀆<百首歌へのアプローチ・其のⅨ・ほぼほぼ粟島シリーズ)

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⁅001⁆   中学へ通ふ路傍の白壁の崩れの証す島の寂れよ! ⁅002⁆   芍薬はピンク黄色いは金盞花!フミヤベンチに坐する人無く!⁅003⁆   ルポールの支配人さんに教ははつてサラダに入れて食するボリジ!⁅004⁆   粟中の緑青吹きたる水道管!この水飲んで走つた僕ら!  ⁅005⁆   道端にサクランボなんか生えてゐる!佐藤錦か粟島錦?⁅006⁆   「あきつしま」鉄骨入りのセメント製!観光客に無視されてんの!⁅007⁆ ...

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短歌冒瀆<百首歌へのアプローチ・其のⅩ> 

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⁅001⁆   午前二時 柱時計のゼンマイのほぐれゆく微かに聴こゆ     ⁅002⁆   日に一度柱時計の螺子を巻く事が仕事の我が少年時     ⁅003⁆   きりきりと柱時計の螺子を巻く五分遅れの針進ませて     ⁅004⁆   時折りは松田さえ子の『さるびあ街』頁捲りて溜息を吐く     ⁅005⁆   硝子戸の奥に収むる『さるびあ街』松田さえ子の第一歌集     ⁅006⁆   『さるびあ街』しをりの紐の色あせて松...

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今週の「朝日歌壇」より(2020/5/24掲載)「新型コロナウイルス禍」特集(其のⅢ) 

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     「新型コロナウイルス禍」特集(其のⅢ)〇  藤原定家「明月記」にある赤気想起しコロナから気を逸らす  (京都市)森谷弘志 永田和弘選の末席入選作。 方今トレンドの<新型コロナウイルス禍>を題材にして、永田和宏氏を初めとした選者諸氏や朝日歌壇の読者諸氏の度肝を抜くような奇抜な短歌を詠もうとする時は、例えば、それへの対応策を怠り誤ったがために、私たち日本国民を不幸のどん底に引き落とし、我が国...

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今週の「朝日歌壇」より(2020/5/24掲載)「新型コロナウイルス禍」特集 (其のⅠ)

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     「新型コロナウイルス禍」特集(其のⅠ)〇  「五時からはウイルスの方専用です」促され骨抱き斎場を出づ  (朝霞市)青垣進 馬場選の首席。 選者・馬場あき子氏の寸評に拠りますと、「作者の御夫君逝去の斎場実景」との事。 斎場の掲示を作中に用いた点に新味が感じられるが、「御夫君逝去」に関わる葬儀の去就に就いては一切触れて居らず、文意不明瞭の「新型コロナウイルス禍」題材の一首である、と断定せざる...

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今週の「朝日歌壇」より(2020/5/24掲載) 改訂版、本日午前十時、本邦初公開!乞うご閲覧!

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     佐佐木幸綱選〇  庭隅の稲荷に上げる油揚夕にはいつも空っぽの皿  (所沢市)横田富江 首席。 埼玉県所沢市にお住いの横田富江さんの浪漫精神の発露になる本作! 作者ご本人としては、件の「油揚」なる植物性タンパクの塊は、お庭の片隅に祀れる<正一位稲荷大権現様の御使者たるお狐さま>が食された、とでも、私たち読者に想像せしめたい場面ではありましょうが、実のところは、長々と続く<新型コロナウイルス...

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