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詩歌句誌面

読解なくして論評あらず。

古雑誌を読む(『短歌』2021年1月号)

     『電話会議に』 篠弘(まひる野)


○  柔らかき耳朶を指に揉みながら探しつづくる書棚のはざまに

○  必ずや出でてくるなり探さねばならぬ資料のあと二、三あり
立井す利れゃ炉

○  起床する時刻セットしいねぎはに焦る自分を粉れゆかしむ

○  みづからは歯止めが効かず身をもって仕事を減らすこと怠りぬ

○  皺ばむを鏡に見入ることなけれ病めばやつかむ顔となるまで

○  通院の便に欠かせぬものとしてまた三年の免許あらたむ

○  駐車場ある病院を頼りとしこぶし並木をアクセル踏めり

○  立論の深みに入り込めずして物言ひなづむ電話会議に

.○  定年を今年迎ふる言ひ分のはげしき人の黙せる日あり

○  著作権の放棄うながす一枚のコピー配らる会の終りに   
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古雑誌を読む(『短歌』2021年1月号)

     『歳月』  尾崎左永子


○  神杉の林を漏るる冬日光浴びつつ心浄まりゆけり

○  富士の向うにいま冬の日が落ちてゆくわが残命を犒ふごとく

○  「顧みて己れに恥づるなかりしか」海軍兵学校自省ことば

○  〝雨ニモ負ケズ〟生き来しわれが卒寿過ぎていま凡々とTV観てゐる

○  遠からず世を去るわれと知りをれど夜半の窓洩る月光浄き

○  無理を通すことなく過ぎし生といへ知らず傷つけし人もあらむか

○  願はくば眠りの内に穏やかに世を去る運命あれかし吾に

○  死ぬまでに生きねばならぬ人間の運命さしづめ避けがたくして

○  すでに死を怖るることも消え去りてただ穏やかに時は往くのみ

○  生も死も己れの意思にあらざるを改めて知る卒寿のわれは

今週の「朝日歌壇」より(2021/3/14掲載)  

     永田和宏選

○  わたしから生れたような貌をして子猫が眠るわたくしの上  (ひたちなか市)猪狩直子

○  森発言森さんだけじゃないのよね森さん嗤う人の中にも  (枚方市)田中敬子

○  失言を咎めず笑う保身術がわたしにもある多分きみにも  (松坂市)こやまはつみ  

『門河』を読む

あおぞらそ

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鳥羽散歩

Author:鳥羽散歩
卑しくも<詩歌ブログ>を名乗る以上は、イラストやカラー写真で以て読者に取り入ろうとしてはなりません。ましてや、田舎町の安手のレストランで食べた料理のカラー写真で以て読者を幻惑させようとするのは論外です!当ブログは、カラー写真やイラストの類の夾雑物は一切無しの<詩歌ブログ>です。

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