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archive: 2022年02月

鳥羽散歩作『狂言季語』

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     「第47回・短歌研究新人賞」        最終選考通過作品 『狂言季語』三十首〇  人の世は無くて七癖 七草のすずなすずしろ白足袋黒足袋〇  彼方此方(をちこち)の鬼遣る声に鎮もるる宵を乱れてご亭御帰館〇  昼火事のさやぎも果てし立春の宵をほつほつ萎魔羅燃えつ〇  犬二匹川上(せんじょう)に在りて交尾(つる)みしのみ他に事無きSaint Valentine`s Day〇  我といふキャラに飽きたり啓蟄の今朝は着慣...

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鳥羽散歩作『みやびをの』五十首

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    『みやびをの』五十首  鳥羽散歩〇  毟られて痩せて師走のカレンダー のヌードひとひら〇  盗癖を噂されたる寡婦の家 息子と嫁と松飾り居り〇  吉兆のおせち料理の写メールを睨み麒麟の缶タグを抜く〇  徑絶えし秋山郷をアップして『おはよう日本・七時のニュース』〇  丙戌の御用始めの記者会見 銀のタイ締めポチも神妙  〇  セレブにはあらざるゆゑにユニクロをまとひてサーヤの並ぶデパ地下〇  「...

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我が歌

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〇  新緑のしずくプールに満ちあふれ第三泳者の僕は溺れた  鳥羽散歩〇  田舎花火(じゃごはなび)と子らのさやげる 三号玉四、五発揚げて村は宵宮〇  陸奥と出羽とを結ぶ手倉越 その断崖に燃えてナナカマド〇  門口に花韮しろく咲かしめて何の禊(みそぎ)か宮前の家〇  蝙蝠の飛びて番へる黄昏に村往還をサイドカー往く〇  ドカ雪をかんじき履きて漕ぎゆけば我が父祖らみな蟹股なりき 〇  身を腐し卯の花腐しの今...

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「三橋敏雄の俳句」鑑賞(五十音順・ワ行音で始まる句)

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〇  わが昭和血と酒にほひ易かりき 喧嘩をして血を流し、格別に美味しくも無い酒に酔いしれていた昭和の青春! 「にほひ易かりき」とは?〇  渡り鳥目二つ飛んでおびただし 「渡り鳥」が飛んで行く有様を仰ぎ観たのであろうか?◎  井戸は母うつばりは父みな名無し 台所の堀井戸に飛び込んで入水自殺した母と天井の梁に掛けた荒縄で首を括って死んだ父! 彼らはみな無名のままにあの世に旅行ってしまったのである! 上...

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「三橋敏雄の俳句」鑑賞(五十音順・ラ行音で始まる句)

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〇  雷雨乾く今日のベンチを老いて待つ〇  両の目の玉は飴玉盛夏過ぐ〇  累代の母恋いしやな昼寝覚〇  蓮根の輪切りの穴よ来し方よ〇  六尺越中畚猿股父祖の国...

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「三橋敏雄の俳句」鑑賞(五十音順・ヤ行音で始まる句)

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〇  山里の橋は短し鳥の恋〇  山に金太郎野に金次郎予は昼寝〇  山山の傷は縦傷夏来る〇  嶽々(やまやま)の立ち向ふ嶽を射ちまくる〇  嶽を撃ち砲音を谿に奔らする〇  夕刊を見ながら読めば秋深し〇  夕景や降ろす気球のあたま一つ〇  行かぬ道あまりに多し春の國〇  幼にして冬また冬の半ずぼん〇  横濱の方に在る日や黄水仙〇  世に失せし歯の数数や桜餅〇  呼戻す行方不明を春の山 〇  夜目に燃え商...

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「三橋敏雄の俳句」鑑賞(五十音順・マ行音で始まる句)

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〇  曲がるたび真直ぐ暗し消防車 〇  まくなぎの揺れ立つ基(もとゐ)ありやなし〇  又の名のわれは雉尾や雉の聲     〇  またの夜を東京赤く赤くなる〇  待ち遠しき俳句は我や四季の国〇  待つとなき天変地異や握飯〇  みぎききのひだり手やすし人さらひ〇  水疲れしてはや首夏の美少年〇  みづから遺る石斧石鏃しだらでん〇  身のあぶら以て磨くや冬の瘤〇  身みづから瞼がくれに秋の暮〇  昔煙突男...

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「三橋敏雄の俳句」鑑賞(五十音順・ハ行音で始まる句)

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〇  敗戦日の午前短し午後流し〇  穿き捨てし軍靴のひびき聞く寒夜〇  箸の木や伐り倒されて横たはる〇  初日いま楕円核爆発あるな〇  花火の夜椅子折りたたみゐし男〇  母ぐるみ胎児多しや擬砲音〇  母を捨て犢鼻褌(たふさぎ)つよくやはらかき〇  春風やにはたづみにもある渚〇  春すでに汗の痩身検査前〇  春二番三番四番五番馬鹿〇  春野面見れば虫さへ幼しや〇  春や登る二階止りの梯子段〇  晩春の...

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「三橋敏雄の俳句」鑑賞(五十音順・ナ行音で始まる句)

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〇  内乱の予感に眩む花地獄〇  なかば立ちせるくちなはの力かな〇  長旅のわが箸乾く旱かな〇  夏すでに陸封のわが晩年ぞ〇  夏百夜はだけて白き母の恩〇  撫で殺す何をはじめの野分かな〇  撫でて在る目のたま久し大旦〇  何もなき地べたにぢかに蝿とまる〇  名乗りあふ水子由由しや歳長けて〇  濁り田の隅にまひまひ熱中す〇  日月や走鳥類の淋しさに〇  尿尽きてまた湧く日日や梅の花〇  ぬばたまの...

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「三橋敏雄の俳句」鑑賞(五十音順・タ行音で始まる句)

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〇  倒れるまでタイヤ転がる寒い空港〇  体温を保てるわれら今日の月〇  大正九年以来われ在り雲に鳥〇  大正の母者は傾ぐ片手桶〇  大戦のかの日日を坐し白き祖母〇  退却の歩み黄塵に入りて出づ〇  大変や白腰巻は白きまま〇  太陽のあがれる春を惜しみけり〇  太陽はいつもまんまる秋暑し〇  たうなすをときに枕や草の庵〇  卓上の石炭一個美しき〇  ただの山寒鴉(かんあ)を湧かし且納め〇  たましひ...

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