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詩歌句誌面

読解なくして論評あらず。

今週の「朝日俳壇」より(2018/12/23掲載・長谷川櫂選) 改訂版                       導尿を尿の流るるひそやかな音に目覚めて命を得たり  鳥羽散歩 

〇   二本目の燗これよりは一私人   (香芝市)土井岳毅

 公人としては一本目の燗酒しか飲むことが容認されないのでありましょうか?
 長谷川選の首席。
     酔ひ乱れ元校長も一私人カッコ付けるな校歌を唱ひ!  鳥羽散歩
     ごくたまに酔ふて管巻く事あらむ喜多さんもまた元は好調!
     燗徳利股に挟んで踊り出す!地位も背広もかなぐり捨てて!


〇   大往生されたか喪中はがき読む   (竹原市)岡元稔元
 死に様の如何に関わらず、傘寿を過ぎての死ならば、「喪中はがき」の文面としては「大往生」を名乗っても宜しいとか聞きますが?
 次席。
     傘寿なれば吾も死んだら大往生腹上死でもして見せやうか  鳥羽散歩
     年齢に不足が無ければ大往生!せっきり飲んで食って死んでたんせ!


〇   新しき仏に粉雪降るばかり   (横浜市)犬山達四郎

 新仏にも情け容赦をせずに「粉雪」を降らせるとは、天帝の采配も穏やかではありません!
 三席。
     新雪に降られて滲む墓標かな阿字の乱れて菩提心無し  鳥羽散歩


〇   モネに似し池いつぱいの枯蓮   (京都府大山崎町)重田和子

 「池いつぱいの枯蓮」を見て「モネに似し」と言うのは、さすがに大山崎町にお住いの重田和子さんである!などと煽て上げるのは、私が無類のウイスキー党だからである。
 四席。
     シングルモルトウイスキー山崎!七〇〇МL廉価販売!  鳥羽散歩
     

〇   白さこそ命なりける根深かな   (島根県邑南町)服部康人

 「根深」とは、<長ネギ・白ネギ>の尊称である。
 葱が「根深」を名乗るからには、土壌に隠れて育った白い部分が最低でも三〇センチ以上無ければなりません!
 という次第で、「白さこそ命なりける根深かな」とは、相成るのでありましょうか?
 五席。
     白さこそ命なりけり京美人!丹波の山猿京都に来るな!  鳥羽散歩

 
〇   人工衛星冴ゆる宇宙を回りけり   (藤沢市)若林和

 本句の作者の若林和さんは、<国産人工衛星・いぶき二号>の乗り組みスタッフとして、大宇宙遊泳を試みているのでありましょう!
 六席。
      本日は生憎天候不良にていぶき二号の発射見合わせ  鳥羽散歩
     

〇   牡丹供養見たこともなき火を思ふ   (三郷市)岡崎正宏

 「牡丹供養」とは、「別名、牡丹焚火とも言い、天寿を全うした牡丹の古木や折れた木を供養する行事である。夕闇の中に微かな香りを漂わせながら燃え上がる青紫色の焔は、牡丹の精を思わせ、余情的な雰囲気を醸し出します。昭和53年には、俳句歳時記の冬の季語として採択され、須賀川の風物詩として定着しました。当日は、全国各地から俳句愛好者が集まり、句会が開かれます」と言う解説は、福島県須賀川市の<須賀川牡丹園>の広告記事の文面をアレンジしての、私なりの牡丹供養の解説である。
  原石鼎作の「煙なき牡丹供養の焔かな」は、須賀川牡丹園の牡丹供養に取材した名句として満天下に名を轟かせているが、本句も亦、原石鼎作に刺激されての一句でありましょう。
 七席。
      行つたこと一度限りの須賀川の秋を彩る牡丹供養よ  鳥羽散歩


〇   導尿を尿の流るる寒夜かな   (高松市)島田章平

 私・鳥羽散歩の数少ない歌友の一人のМYさんが、尿管を患って入院中とか。
 そして、本句に拠って推測するに、私のこの拙いブログに、時折り、励ましのコメントをお寄せになられる、高松市にお住いの島田章平さんも尿管を患っていらっしゃるご様子である。
 「導尿を尿の流るる寒夜かな」とは、何と身につまされること多き名句でありましょうか!
 それと言うのは、今を去ること十数年前の冬、私・鳥羽散歩は、前立腺肥大症手術の為に、秋田県横手市の病院に入院したことがありまして、その真夜中に、私の身体の尿路とベッド下に置かれた尿瓶とを繋ぐ細い導尿管の中を、私の体内から排出されたおしっこが流れて行くささやかな音は、私が斯くして生きて居る事を実感させるに十分な音でありました。
 島田章平さん、並びに、МYさんの一日も速いご回復をご祈念申し上げる次第であります。
 八席。
     導尿を尿の流るるひめやかな音に目覚めて命を得たり  鳥羽散歩
 句評と称して、手前勝手なご託を並べたのにも関わらず、作者の島田章平様からご丁重なるメールを賜りました。
 島田章平様、並びに、本ブログの読者の方々に於かれましては、ご健康には充分にご留意されて、良いお年をお迎え下さいませ!  鳥羽散歩


〇   埋み火に鬼も手をだす寒さかな   (東京都)大谷儀一

 「埋み火」に「手」を出したところで、たいして温くたまる事も出来はしないでありましょう!
 鬼って奴は、ほんとに馬鹿だなあ!
 九席。
     埋み火に手など出しても寒かろう鬼つて奴は本物の馬鹿!  鳥羽散歩


〇   人参に慰められることが多多   (高松市)柴田清子

 作中の「人参」とは、いわゆる<高麗人参>でありましょうか?
 それとも、ただの人参でありましょうか?
 その孰れにしても、私は人参が大嫌いです!
 長谷川選の末席。
     人参に慰謝さるる者多々在れど人参嫌ひの子供の多し  鳥羽散歩
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コメント

温かい励ましの言葉を頂きまして有難うございました。
腹痛を覚え、掛かりつけ医に行きました所、穿孔性腹膜炎の疑いがあるとの事で、
そのまま救急車で病院に行き、手術(内視鏡)をしました。
幸い、術後は順調で2週間で退院しました。拙句はその時の状況を詠んだものです。
独りで病室にいる心細さがありました。しかし、主治医を初め看護師の方の親切な
治療で無事退院できました。貴重な経験でした。
拙句を取り上げて頂き有難うございました。 島田章平

No title

 鳥羽散歩 様

 厳しくも温かいコメントを頂きまして有難うございました。
義母は今年の1月で99歳になりました。ささやかですが、兄弟が集まって
誕生日会をしました。義母は認知症が進み、子供の名前もわかりません。
でも私が行きますと、まるで子供の様に手を振って嬉しそうな顔をします。
よほど気分が良かったのか、出された料理は全部食べました。
私は義母の正面に座ったのですが、義母の隣に妻がいて、かいがいしく
世話をしている様に感じました。

帰ってしばらくしてから、ふうっと掲句が浮かびました。母子草は自然と
出てきました。あまり、さらっとできたので安易な感じがしたのかもしれま
せんね。けっして、わかってもらいたくて作った俳句ではなく、なんとなく投句しました。まさか、入選するとは思いませんでした。

でも、鳥羽散歩さんに真剣に句を読んで頂き作者冥利につきます。
有難うございました。  

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