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詩歌句誌面

読解なくして論評あらず。

短歌総合誌に掲載された佳作(2019年)

○  ポケットを引き出されたるわがズボン降参したるさまに干さるる  野田光介(短歌研究・7)

○  近代をささへし胃弱文学の『こころ』しづかに生みだす力  古谷智子(短歌往来・7)

○  買い足して鉢に入れたるヒメダカは道知りたらん迷わず沈む  玉井清弘(短歌往来・7)

○  <便利>とか<お得>を追ひて小走りで生きる民族、東洋にあり  高野公彦(短歌研究・9)

○  古家が「ああ」とも「おお」とも声挙げて乾きゆくなり炎暑の昼を  竹安隆代(短歌往来・10)

○  ときに深夜ひそかな音す気配する座敷童のごと夫ありや  蒔田さくら子(短歌・1)

○  階段にのぼれぬ母は一階の椅子にしばらく座りて帰る  米川千嘉子(歌壇・1)

○  煌々と光を放つ自販機は夜の駅舎に寄り添うように  山川榮(短歌・11)

○  思ひ出を楽しむごとく五年前の梅酒の梅を煮詰めてゐたり  山本登志枝(短歌往来・11)

○  もうすでに事切れしものもありながら林のなかに蟬時雨降る  梶原さい子(歌壇・11)

○  樹木希林さんが永眠して急にファンだと名乗りたくなるこころ  荻原裕幸(現代短歌・11)

○  今日までが専任なれば女子大に来たり なすべきことはあらねど  安田純生(短歌研究・1)

○  とつぜんに家居の夫となりにけり電話が鳴ればみな夫がとる  花山多佳子(短歌研究・11)

○  安倍のそのプルプル顔を平手打ちしてわが裡に刺客戻り来  高野公彦(歌壇・11)

○  モンスターペアレント略して.もんぺという モンペは時を経て蘇る  沖ななも(歌壇・11)

○  ボランティアと呼ばれ瓦礫に働くは天理教のひと創価学会のひと  奥田亡羊(短歌研究・11)

○  扇風機をおよびで止めることいつ覚えしや我が老い妻は  中地俊夫(歌壇・11)

○  ヘルパーの好みの清拭タオルなり干されて乾きて和紙の如しも  冬道麻子(短歌往来・11)

○  頼れるはわが足となる自転車にわずかな路面の凹凸を知る  外塚喬(短歌研究・11)

○  焼き上がり石の窯から出るときにピッツァはふとも目を覚ましたり  栗木京子(短歌研究・2)

○  途方もない大きなものがすぐそばを過ぎていったと体が思う  中津昌子(短歌研究・2)

○  ゲームセンターに「それいけ!ココロジー」というあやしい機械があった  土岐友浩(短歌研究・2)

○  いつからかヒールの足は組まれをり原告われと向き合ふ人の  大口玲子(短歌・2)

○  小紋氏とともども酔ひて裏町の羽付き餃子食ひし夜ありき  高野公彦(短歌研究・3)

○  音のこと光のことを語る人家電量販店に集へり  島田幸典(短歌研究・3)

○  花籠に花あふれゐる病室で褒められてゐるわたしの乳首  山木礼子(短歌研究・3)

○  ひとしきり語られやがて忘れらるやまゆり園に起きし事件も  渡辺幸一(短歌・3)

○  つね半旗なる身の内を流れゆく屠蘇の香りにこの年も明く  三井ゆき(歌壇・3)

○  「いのちの電話」乗るデスクにも通話時間測る時計の置かれてあらむ  木ノ下葉子(現代短歌・5)

○  カット野菜の袋をあける瞬間のうしろめたさがあったな、前は  駒田晶子(短歌往来・5)    
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Author:鳥羽散歩
卑しくも<詩歌ブログ>を名乗る以上は、イラストやカラー写真で以て読者に取り入ろうとしてはなりません。ましてや、田舎町の安手のレストランで食べた料理のカラー写真で以て読者を幻惑させようとするのは論外です!当ブログは、カラー写真やイラストの類の夾雑物は一切無しの<詩歌ブログ>です。

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